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【犬の下痢や軟便の原因】病院に行くタイミングや自宅での対処法も解説!

【犬の下痢や軟便の原因】病院に行くタイミングや自宅での対処法も解説!

「犬が下痢をしています…」

「最近、便が柔らかい(軟便)です…」

「下痢と嘔吐をしています…」

など愛犬の下痢や軟便に遭遇するときは何度もあると思います。

トラまりも
トラまりも
とはいっても、動物病院に行くべきか自宅で様子を見るべきか毎回不安になっちゃうよね。

この記事では、犬の下痢や軟便について、

  • 原因ってなに?
  • 動物病院に行くタイミングは?
  • 自宅でできることってある?

などを分かりやすく解説するとともに、下痢を治すことができるフードも紹介しています。

愛犬の下痢や軟便でお悩みの飼い主様は、ぜひ読んでみてください。

犬の下痢・軟便の原因はたくさんある

犬の下痢の原因はたくさんある

犬の下痢や軟便の原因は、

  1. 食事の変更
  2. 消化器の機能不全
  3. 食物アレルギー
  4. 感染症
  5. 中毒や誤食
  6. 腫瘍
  7. ホルモンの異常
  8. 過敏性腸症候群
  9. 全身疾患の一症状として

などとたくさんあります。

トラまりも
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それぞれ説明していきますね。

①食事の変更

食事を変更することで、下痢・軟便になってしまうことがあります。

特に子犬の時期に、急にフードの変更を行うと下痢になることが多いです。

食事の変更は1日で急に行うのではなく、1週間くらいかけて徐々に行うようにしましょう。

トラまりも
トラまりも
食事を変えたタイミング(食事変更後2,3日以内くらい)で便が緩くなったり下痢になった場合は、今までのフードに戻すといいよ!

また、食べる量が多くて便がゆるくなることもあるので、量を減らしてみるのも方法の一つです。

②消化器の機能不全

胃や腸など消化器に器質的・機能的な異常があって下痢や軟便をすることもあります。

  • 急性胃腸炎
  • 炎症性腸疾患
  • 腸リンパ管拡張症
  • 炎症性結直腸ポリープ
  • 大腸炎

などの消化器の病気がよくあります。

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また、肝臓や膵臓など消化を助ける器官に障害があっても、便がゆるくなることがあります。

投薬治療での反応が悪い場合は、血液検査やエコー検査、内視鏡検査などをして確定診断を行います。

③食物アレルギー

食事中の特定の物質にアレルギー反応を示して、慢性的に下痢・軟便をすることもあります。

除去食試験(食物アレルゲンを含まない食事によって症状が改善するかを見る試験)と食物負荷試験(除去食試験で症状の緩和を認めた場合、以前の食事に戻して症状の再燃が起こるかをチェックする試験)にて診断を行います。

血液検査(血清IgE検査、食物アレルゲン特異的リンパ球反応検査)でアレルゲンを特定できる場合もあります。

食事を食物アレルギー専用のものに変更することで治療していきます。

④ウイルス、細菌、寄生虫などの感染症

院内での糞便の簡易検査や、外注検査の遺伝子検査にて診断していきます。

クロストリジウムやカンピロバクターといった細菌は、何かしらの原因で急激に腸の中で増えてしまい、悪さをする可能性がある常在菌です。

パルボウイルス感染症は下痢や血便をして、強い感染力をもつウイルスなので注意が必要です。

⑤中毒や誤食

チョコレートやタマネギなどの中毒物質を食べてしまったり、乾燥剤や保冷剤などの家庭用品を誤食してしまった時などに下痢や軟便をすることがあります。

犬の中毒や誤食についてはコチラの記事も参考にしてください▼

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⑥腫瘍

消化管に腫瘍ができていたときは、慢性的に異常な便をすることが多いです。

下痢だけでなく、血便や黒い便をしたり、痩せてくることもあります。
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十二指腸や大腸の腫瘍に関しては、内視鏡下での組織生検により診断が可能です。

⑦ホルモンの異常

甲状腺機能低下症やクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、糖尿病などのホルモンの異常で下痢や軟便をすることもあります。

コチラの記事も参考にしてみてください▼

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⑧過敏性腸症候群

ストレスや季節の変わり目(寒暖差)などでも、下痢を起こすことがよくあります。

トラまりも
トラまりも
夏場の暑さや冬場の冷えには注意してね!

⑨全身疾患の一症状として

腎不全や子宮蓄膿症などの消化器以外の病気が原因で下痢や軟便をすることもあります。

様子を見ていい下痢と動物病院に行くべき下痢

様子を見ていい下痢と動物病院に行くべき下痢

犬の下痢や軟便には、

  • しばらく様子をみてもいいもの
  • なるべく早めに動物病院に行ったほうがいいもの

と2パターンがあります。

少し様子を見てもいい下痢や軟便

元気食欲があって、下痢・軟便以外に症状がない場合はしばらく様子を見てもいいかもしれません。

また、飼い主様が思い当たること、例えば、

  • コロナ禍で家に飼い主が家に居るようになった
  • 来客があった
  • 雷や工事の音がすごかった
  • 家族が増えた(赤ちゃん、新しいペットなど)
  • ペットホテルから帰ってきた
  • 季節の変わり目
  • 食事を変えた
  • はじめてのおやつをあげた

など環境や食事に変化があった場合は、それらを元に戻すとよくなることが多いです。

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トラまりも
トラまりも
それでも何日も便が変な場合は、動物病院に行くようにしてね!

もちろんあくまで目安であり、不安な場合は主治医の先生に確認してみましょう。

早めに動物病院に行ったほうがいい下痢・軟便

早めに動物病院に行ったほうがいい下痢や軟便は、

  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 真っ黒い下痢や、血が大量に出ている
  • 吐いたり食欲不振など他の症状もある
  • 3日以上下痢が続いている
  • 子犬(4か月齢くらいまで)や高齢犬

などがあり、これらの場合は速やかに動物病院に伺うようにしてください。

犬が下痢・軟便をしたとき【自宅でできる3つの対処法】

犬が下痢をしたとき【自宅でできる3つの対処法】

元気食欲があってもう少し様子を見ようかな…と思った場合や、すぐに動物病院に行けない場合の自宅での対処法は3つあります。

①消化器に配慮した食事を混ぜる

消化器に配慮した食事を混ぜることで、便性状が落ち着くこともあります。

具体的には高繊維の食事がよく、ジャガイモやサツマイモなどを茹でたりチンしたりして与えると便が固まることがあります。

量や調理法などはこちらも参考にしてください▼

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また、高繊維の療法食を使用することで便が固まることもあります。

②ビオフェルミンなど頓服薬をあげる

自宅にビオフェルミンがある場合は、一時的になら与えてもいいと思われます。

市販の下痢止め薬は、止めてはいけない下痢を止めてしまう可能性もあるのであまりおすすめしません。

犬の下痢止め薬についての記事は、こちらを参考にしてください▼

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また、下痢になってしまった時の常備薬として、頓服の下痢止めを主治医の先生にもらっておくのもいいですね。

③絶食にする

下痢だけで、吐いていないときは必ずしも絶食にする必要はないかもしれません。

ただ下痢のときは消化器が過敏になり、食べ物が通るだけで刺激になることがあります。

半日から1日程度、胃腸を休ませるために絶食をしてもいいかもしれません。

トラまりも
トラまりも
下痢がおさまってきたら、少量のふやかしたフードやウエットフードを温めて与えてみよう! 

ただし、子犬の場合は長時間の絶食を行うと容易に低血糖になってしまい注意が必要です。

子犬の低血糖についての記事は、こちらを参考にしてください▼

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【まとめ】犬の下痢・軟便の原因、病院に行くタイミングや自宅での対処法

犬の下痢や軟便は、嘔吐と同じくらいよく遭遇する症状の一つです。

ほとんどが単発の一過性のもので、2,3日程度でよくなることが多いです。

しかし中には、急性の経過をたどるものや他の病気が隠れていることもあります。

治りが悪い場合や、ぐったりしていたり、下痢以外の症状がある場合には速やかに動物病院に伺うようにしましょう。

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