「猫が軟便や下痢をしています…」
「便に血がついています…」
「下痢だけでなく、何度か吐いています…」
など猫の下痢に遭遇するときはよくあると思われます。
先日、以下のツイートをしました。▼
✅猫の下痢の原因
・季節☀️や環境の変化
・感染症
・食事を変えた
・胃腸の機能が落ちてる
・食物アレルギー
・中毒や変な物を食べた
・ホルモンの病気🙀
・過敏性腸症候群;ストレス?
・原因不明;特発性
・腫瘍;リンパ腫など
…たくさんの理由があります。
便検査や遺伝子検査、内視鏡などで診断🚑— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) February 22, 2021
■猫の下痢の原因
・季節や環境の変化
・感染症
・食事を変えた
・胃腸の機能が落ちてる
・食物アレルギー
・中毒や変な物を食べた
・ホルモンの病気
・過敏性腸症候群;ストレス?
・原因不明;特発性
・腫瘍;リンパ腫など
…たくさんの理由があります。
便検査や遺伝子検査、内視鏡などで診断
■本記事の内容
- 猫の下痢の原因
- 動物病院に行くタイミングは?
- 自宅でできる対処法
愛猫が下痢や軟便をしちゃった…という飼い主様は、是非読んでみてくださいね。
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目次
猫の下痢の原因はたくさんある
猫の下痢の原因は、
- 食事を変えた
- 消化器の機能不全
- 食物アレルギー
- 感染症
- 中毒や変な物を食べた
- 腫瘍(リンパ腫など)
- ホルモンの異常
- 過敏性腸症候群
- 全身疾患の一症状として
- 特発性(原因不明)
などとたくさんあります。
全部が全部、検査して診断するということは(費用や時間の面で)難しい場合も多いですが、的をしぼった検査で診断・治療していきます。
猫の下痢には様々な原因があるので、それぞれ分けて説明していきますね。
①食事の変更
食事を変更することで、下痢になってしまうことがあります。
食事の変更は1日で急に行うのではなく、1週間くらいかけて徐々に行うようにしましょう。
また、食べる量が多くて下痢をすることもあるので、量を減らしてみるのも方法の一つです。
②消化器の機能不全
胃や腸など消化器に器質的・機能的な異常があって下痢をすることもあります。
- 急性胃腸炎
- 炎症性腸疾患
- 腸リンパ管拡張症
- 炎症性結直腸ポリープ
- 大腸炎
…などの消化器の病気がよくあります。
また、肝臓や膵臓(膵炎や膵外分泌不全)など消化を助ける器官に障害があっても下痢をすることがあります。
投薬治療での反応が悪い場合は、血液検査やエコー検査、内視鏡や病理検査などをして確定診断を行います。
大腸炎については、こちらの記事を参考にしてください。▼
③食物アレルギー
食事中の特定の物質にアレルギー反応を示して、慢性的に下痢をすることもあります。
食事をアレルギー専用のものにすることで治療していきます。
食事反応性腸症
猫の慢性腸症(慢性の下痢や血便を示し、薬などの対症療法に反応しない原因不明の胃腸炎)で、食事を変えることによって症状が治まる場合を「食事反応性腸症」といいます。
食物アレルギーや食物不耐性、腸内の細菌バランスなどが発症に関係していると言われています。
若齢で発生することも多く、低アレルゲン療法食で治療していきます。
適した食事を与えれば、1~2週間以内に下痢や血便・嘔吐などの症状が治まることが多いです。
④ウイルス、細菌、寄生虫などの感染症
感染症による下痢は、診断の初期に除外しておく必要があります。
院内での糞便の簡易検査や、外注の遺伝子検査にて診断していきます。
クロストリジウムやカンピロバクターといった細菌は、何かしらの原因で急激に腸の中で増えてしまい、悪さをする可能性がある常在菌です。
パルボウイルス感染症は下痢や血便をして、強い感染力をもつウイルスなので注意が必要です。
子猫ではよく、「回虫」という白いひもみたいな寄生虫が出ることもあります。
⑤中毒や誤食
チョコレートやタマネギなどの中毒物質を食べてしまったり、乾燥剤や保冷剤などの家庭用品を誤食してしまった時などに下痢をすることがあります。
猫の中毒や誤食についてはこちらの記事も参考にしてください▼
⑥腫瘍
消化管に腫瘍ができていたときは、慢性的に下痢をすることが多いです。
十二指腸や大腸の腫瘍に関しては、内視鏡下での組織生検により診断が可能です。
⑦ホルモンの異常
甲状腺機能亢進症や糖尿病などのホルモンの異常で下痢をすることもあります。
こちらの記事も参考にしてみてください▼
⑧過敏性腸症候群
ストレスや季節の変わり目(寒暖差)などでも、下痢を起こすことがよくあります。
⑨全身疾患の一症状として
腎不全などの消化器以外の病気が原因で下痢をすることもあります。
⑩特発性(原因不明)
特発性炎症性腸疾患(IBD)のように、原因不明なこともあります。
この場合は、消化管の生検や他の疾患を除外して診断していきます(除外診断)。
様子を見ていい下痢と動物病院に行くべき下痢
猫の下痢には、
- しばらく様子をみてもいい下痢
- なるべく早めに動物病院に行ったほうがいい下痢
と2パターンがあります。
少し様子を見てもいい下痢
元気食欲があって、下痢以外に症状がない場合はしばらく様子を見てもいいかもしれません。
また、飼い主様が思い当たること、例えば、
- コロナ禍で家に飼い主が居るようになった
- 来客があった
- 雷や工事の音がすごかった
- 家族が増えた(赤ちゃん、新しいペットなど)
- ペットホテルから帰ってきた
- 季節の変わり目
- 食事を変えた
- はじめてのおやつをあげた
など、環境や食事に変化があった場合は、それらを元に戻すとよくなることが多いです。
ペットホテル後の体調不良を治す方法の記事もあるので参考にしてください▼
もちろんあくまで目安であり、不安な場合は主治医の先生に確認してみましょう。
早めに動物病院に行ったほうがいい下痢
早めに動物病院に行ったほうがいい下痢は、
- 元気がなく、ぐったりしている
- 真っ黒い下痢や、血が大量に出ている
- 吐いたり食欲不振など他の症状もある
- 3日以上下痢が続いている
- 子猫(6か月齢くらいまで)や高齢猫
などがあり、これらの場合は速やかに動物病院に伺うようにしてください。
猫が下痢をしたとき【自宅でできる3つの対処法】
「元気や食欲があるから、もう少し様子を見ようかな…」と思った場合や、すぐに動物病院に行けない場合の自宅での対処法は3つあります。
①消化器に配慮したキャットフードを混ぜる
消化器に配慮した食事を混ぜることで、下痢が落ち着くこともあります。
具体的には、食物繊維がバランスよく含まれた食事がいいと思われます。
②ビオフェルミンなど頓服薬をあげる
自宅にビオフェルミンがある場合は、一時的になら与えてもいいと思われます。
また、下痢になってしまった時の常備薬として、頓服の下痢止め薬を主治医の先生にもらっておくのもいいですね。
③絶食にする
下痢だけで、吐いていないときは必ずしも絶食にする必要はないかもしれません。
ただ下痢のときは消化器が過敏になり、食べ物が通るだけで刺激になることがあります。
半日から1日程度、胃腸を休ませるために絶食させるのも方法の一つです。
人の場合は、「断食」なんてよく聞きますが、猫の場合(特に子猫・肥満猫)はあまり長時間の絶食は体によくありません。▼
食欲不振と他の症状がみられる場合には,救急の症状を除き,24時間待ってみて,おさまらないならば病院に行くべきです.
また症状がなくても,食欲廃絶,あるいは水をのまないというのが36時間続いたら,病院に行くべきです.
また完全に食欲はなくなっていないが,食欲不振(低下)が72時間以上続くならば病院に行ってください.
とくに太った猫の場合,絶食が許されるのは36時間までということをしっかり覚えておいてください.
これを過ぎると,肝臓に脂肪がたまる脂肪肝という病気になります.
これは急激に起こって,全身的に衰弱し,黄疸が出ることもよくあります.
これはとくに猫に起こる病気なので,人間の基準でまだいいだろうなどと考えていては危険です.
参考:日本臨床獣医学フォーラム
【まとめ】猫の下痢の原因、病院に行くタイミングや自宅での対処法
猫の下痢は、嘔吐と同じくらいよく遭遇する症状の一つです。
ほとんどが単発の一過性の下痢で、2,3日程度でよくなることが多いです。
しかし中には、急性の経過をたどるものや他の病気が隠れていることもあります。
治りが悪い場合や、ぐったりしていたり、下痢以外の症状がある場合には速やかに動物病院に伺うようにしましょう。