猫の中毒と誤食 PR

【猫がチョコレートを舐めた!】症状や中毒量を具体的に解説!

「猫がチョコレートを舐めたのですけど、大丈夫ですか?」

「猫が落としたチョコレートを少し食べちゃいました…」

「帰ってきたらチョコレート菓子が散乱してました…」

など、猫がチョコレートを舐めたり、食べたりしてしまうことはよくあります。

トラまりも
トラまりも
「猫はチョコレートがダメ!」と聞いたことがある場合は、「中毒になっちゃったらどうしよう…」と心配になっちゃうよね… 

猫のチョコレート中毒について、先日以下のツイートをしました。▼

「犬(または猫)がチョコレート食べました…」はかなり多いです。
中毒には個体差があるので、どれくらいなら大丈夫という指標はないです。

なめた程度や少量なら様子を見るときもありますが、病院で吐かせた方が確実です。

計算上は、体重3kg程の犬ならダークチョコ35g程度食べると危険。

この記事では、猫がチョコレートを食べた場合、

  • どんな症状がいつ出る?
  • 舐めた程度や少量なら大丈夫?
  • どれくらいの量食べるとダメなの?
  • 動物病院に行くタイミングは?

などを解説しています。

愛猫がチョコレートを食べてしまった場合には、あわてず読んでみてください。

一刻も早くどうすればいいか知りたい方は、【まとめ】へジャンプ!

猫のチョコレート中毒の原因は「テオブロミン」

チョコレートの中には、「テオブロミン」というカフェインに似た成分が入っています。

猫では、このテオブロミンを代謝分解するのがうまくできない個体が一定数おり、チョコレートにより中毒症状を生じます。

チョコレートの中には少量ですが、カフェインも入っています。

猫のチョコレート中毒の症状は「興奮」や「神経症状」

チョコレートの中のテオブロミンという成分は、中枢神経を興奮させたり、心臓に作用したりします。

そのため、

  • フラフラする、チックなどの神経症状
  • 胸を触るとバクバクしてたり、不整脈だったりする
  • うろうろして落ち着きがない
  • ハアハアしている(猫が口を開けて呼吸しているのは異常です)
  • 異常な興奮
  • 震えやけいれん

などの症状が出る場合があります。

コーヒー(テオブロミンの仲間のカフェインが入っています)を飲んだときに、トイレに行きたくなるように、多尿になるというのもあります。

また、

  • 下痢や嘔吐
  • 食欲や元気がない
  • 水をよく飲む
  • 胃の拡張

などの非特異的な症状が出ることも多いです。

トラまりも
トラまりも
チョコレートを食べた後「いつもと様子が違うな…」と思う時は、中毒症状の可能性もあるから注意してね!

また、チョコレート中の脂肪成分によって急性膵炎を引き起こすこともあるので、注意が必要です。

舐めた程度ならOK?チョコレートの中毒量は?

一般的には、体重1kg当たり約80mgのテオブロミンを摂取すると、中毒症状が出ると言われています。

テオブロミンは、

  • ホワイトチョコレートには約0.05mg/g
  • ミルクチョコレートには約1.0~2.1mg/g
  • ダーク(ビター)チョコレートには約4.4~8.8mg/g
  • ブラックチョコレートには約15mg/g
  • ココアパウダーには約4.6~38mg/g

含まれています。(Bates N et al,2015改変)

【例えば体重3kgの猫の場合】

ダークチョコなら約25g食べると中毒症状が出る計算になります。

森永製菓のダース〈ビター〉の場合、1粒約3.5gなので7個食べると中毒症状が出ることになります。

犬では体重1kgあたり20mg程度のテオブロミンの摂取でも、軽度の症状が出る場合もあるので(猫では不明)、少量でも症状の観察はしっかり行いましょう。

トラまりも
トラまりも
あくまで計算上はね!中毒には個体差があるから注意してね!

舐めた程度や少量なら様子見でいい場合も

上記の通り計算すると、舐めた程度や食べたのが少量の場合は、中毒症状が出る可能性は極めて低いです。

トラまりも
トラまりも
実はチョコレート中毒って遭遇したことがないんだ。滅多なことでは起こらないのかな…と思っています。

症状に注意しながら、よく見てあげましょう。

チョコレート菓子の場合は?

チョコクッキーやチョコボール、手作りのチョコレート菓子などは、チョコレート含量が不明な場合が多いです。

純粋なチョコレートに比べると、中毒症状が出る可能性は低いですが、あまりにも大量に食べていた場合は、動物病院で吐き出させたほうがいいでしょう。

猫のチョコレート中毒が出るまでの時間は「すぐ~数日後」

食べた量が少ないと、特に何も症状が出ないことはあります。

摂取量がある程度の量だと、早くて2~4時間後に中毒症状が出ます。

また、猫はテオブロミンの分解速度が遅く、体に貯まりやすいので、3.4日は注意が必要です。

たくさんのチョコレートを食べた場合は動物病院へ

猫のチョコレート中毒に対する有効な解毒薬はありません。

基本的に、猫がチョコレートを食べてしまった場合の処置は「吐かせる」ことです。

トラまりも
トラまりも
でも猫は用心深いから、たくさんのチョコレートを食べちゃうってことは、滅多にないけどね。

高濃度のカカオが含まれているチョコレートを誤飲した場合は、点滴や胃洗浄をすることもあります。

活性炭とテオブロミンの吸着性が良好であることから、炭を飲ませることもあります。

【まとめ】猫がチョコレートを舐めたり少量の時はどうする?

舐めた程度や少量の誤飲の場合は、中毒症状が出る可能性は低いです。

可能であれば、水を飲ませてよく様子をみてあげましょう。

大量に食べた場合は、中毒症状が出る可能性もあります。

すみやかに動物病院にうかがい、吐かせる処置をしましょう。

誤飲はペットの届かないところにモノを置くことで防ぐことができます。

今一度注意しましょう!

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【参考資料】

  • 辻本元,小山秀一,大草潔,中村篤史,犬の治療ガイド2020,EDWARD Press,2020
  • 誤食・中毒の緊急対応に関する疑問②,CLINIC NOTE196,2021,11月号,p62-64
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