「愛犬が融雪剤を踏んでしまいました…」
「雪と一緒に融雪剤を食べたかもしれません…」
「ペロッと少しだけなめてしまいました…」
など、犬が融雪剤を食べてしまう・踏んでしまうことはしばしばあります。
そんな融雪剤について、先日以下のツイートをしました。▼
明日は雪が降りますね🌨️
道路状況や交通機関など不安もあります。
みなさま気をつけてくださいね😊
雪を解かす融雪剤ですが、主成分が「塩化カルシウム」や「塩化マグネシウム」などです。
これらは皮膚や粘膜に刺激があるため、踏んでしまったらしっかり洗い、少量舐めてしまったら口を洗いましょう。 pic.twitter.com/IgC0zVW9ur— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) February 9, 2022
愛犬が融雪剤をなめたり踏んだりしてしまった場合には、あわてず読んでみてください。
目次
融雪剤とは?成分について
融雪剤とは、道路の雪を解かす効果と凍結防止効果のある薬剤です。
雪の降るシーズンになると、安全のため道路上に散布されることがあります。
融雪剤の成分は、
- 塩化ナトリウム(いわゆる塩)
- 塩化カルシウム
- 塩化マグネシウム
などがあります。
通常、水は0℃で氷になりますよね。
ただ、水に塩などを混ぜると、0℃以下(濃度や成分によって-20℃~-50℃前後)で凍るようになります。
これを利用したのが融雪剤で、雪を溶かしたり、凍結を防止しています。
犬が融雪剤を踏んだり、なめたりしたとき症状
犬が融雪剤を踏んたり、食べたりしたときの症状は、量や融雪剤の成分によって異なります。
塩化ナトリウム
いわゆる塩なので、踏んでしまっても特に害はないと思われます。
また、少量なめただけで症状が出る可能性も低いです。
ただし、食用の塩ではないので、不純物も多く含んでいます。
そのため、よだれが出たり、嘔吐をしてしまう可能性もあります。
大量に食べることで急性腎不全となることもあります。
塩化マグネシウム
塩化マグネシウムは、にがり(海水を煮詰めて生成した後に残る母液)の成分です。
豆腐の凝固剤や入浴剤としても使用されています。
そのため、塩化ナトリウムと同様、少量であれば踏んだりなめても中毒を起こす可能性は低いと考えられます。
もちろん大量の誤食はNGです。
塩化カルシウム
塩化カルシウムは水に溶けると発熱する性質があるので、肉球や皮膚についてしまうと、ただれてしまう可能性があります。
また、なめてしまうと口の中に炎症が起き、よだれが出たり、嘔吐や下痢の原因となります。
家によくある乾燥剤にも塩化カルシウムが使われている場合があります。▼
犬が融雪剤をなめた・踏んだときの対処法
成分によって対処法は異なりますが、「どんなものが散布されているのか?」を判断することはできないですよね。
そのため、全ての状況で以下の通りにするといいです。
踏んでしまった場合には、すぐにぬるま湯等で洗い流してください。
また、食べたりなめた場合も口の中を可能な限り洗い、お水を飲ませてあげるといいです。
ひどくただれたり、よだれや吐き気が止まらないなど、なにかしらの症状がある場合には、動物病院に伺うようにしましょう。
愛犬の冬場のお散歩対策
愛犬の雪道のお散歩は、靴や靴下をはかせてあげるといいでしょう。
また、日頃から地面をなめないよう、落ちているものを食べないようにしつけていくといいでしょう。
冬場の寒さ対策としては、洋服の着用がおすすめです。▼
【まとめ】愛犬が融雪剤を食べた!踏んだ!症状や対処法、対策を獣医師が解説
冬のお散歩時に、愛犬が融雪剤のついた雪をなめたり踏んだりしてしまうことはしばしばあります。
自宅に帰ったら足裏や口の中をよく洗ってあげましょう。
大量に食べたり、なにかしら症状がある場合には、動物病院に相談しましょう。
冬場のお散歩は、靴下や靴をはかせたり、洋服を着せてあげるといいですね。
【参考資料】