みなさま、愛猫さんにブラッシングはしていますか?
「やっていないです!」という飼い主様も多いですが、ネコちゃんを飼っている場合には、適度にブラッシングをしてあげることが必要です。
この記事では、
- ブラッシングの必要性
- ブラッシングの頻度、やり方
- 毛玉があるときの対処法
などをお伝えしています。
「愛猫のブラッシングをやったことがない…」「上手にできない…」という飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
猫にブラッシングが必要な5つの理由
猫は自分自身でグルーミングを行う動物です。
それゆえ、「ブラッシングはしなくてもいいのでは?」と思われる飼い主様もいらっしゃいますが、そういう訳ではありません。
猫のグルーミングとは、ネコ自身が行う毛づくろいのことで、
- 皮膚や被毛の健康を保つ
- 体温調整(気化熱を利用)
- ストレス行動のはけ口(転位行動;自分を落ち着かせる行動)
- 自分のにおいを消す
- 猫同士のコミュニケーション
などの役割があります。
ただし、このグルーミングのみでは補えない部分もあり、それをブラッシングで解決してあげる必要があります。
猫のブラッシングには、以下でお伝えする5つ意味があります。
①余分な毛を取り除く
猫自身のグルーミングだけでは取りきれない毛を取り去ることができます。
猫の毛は、体を保温する役割のあるモコモコの下毛(アンダーコート)と、体の表面を覆う長い上毛(オーバーコート)よりなります。
換毛期には、主にアンダーコートが大量に抜け、これを取り除いてあげることが大切です。
下毛がうまく抜けないと、熱がこもったり、毛玉ができてしまうこともあります。
特に長毛種は毛玉ができやすいため、念入りに行うようにしましょう。
また、シニア猫の場合には体が硬くなり、思うようにグルーミングができていないことも多いため、注意してみてあげましょう。
余分な毛のお手入れは、お部屋のお掃除回数を減らすことにもつながります。
特にアレルギー持ちの方にとっては、飛散する毛が減るため、症状の緩和につながります。
②毛球症(もうきゅうしょう)の予防
毛球症とは、過剰な毛玉が胃に貯まることで、慢性的な嘔吐や腸閉塞を起こしてしまう病気です。
通常、グルーミングにより飲み込んだ毛のほとんどは便として排せつされます。
一部吐き出すことにより処理しますが、飲み込んだ毛が大量になると、うまく吐き出すことができず、胃に貯まってしまいます。
大きくなった毛玉はうまく吐き出すことができないため、さらに貯まってしまうという悪循環を生じます。
特に長毛種や換毛期の猫は、飲み込む毛の量自体が増えるので、この毛球症になりやすい傾向にあります。
③コミュニケーションツールとなる
ブラッシングは愛猫とのコミュニケーションツールとなります。
そもそも猫同士のグルーミングには、コミュニケーションとしての役割もあるというのは上記でお伝えした通りです。
そのため、人とのコミュニケーションはブラッシングをすることで行いましょう。
うちの子たちもブラッシングが大好きで、ブラシを見せるだけで寄ってきてゴロンとなります。▼
④健康チェックとなる
ブラッシングは、体を触りながら行うため、愛猫の異常をチェックすることが可能です。
- 太りすぎていないか、やせすぎていないか?
- しこりやできものはないか?
- ノミやマダニはくっついていないか?
- 被毛の状態はどうか?毛玉やべたつきはないか?
など、様々な状態をチェックしてあげましょう。
⑤血行促進、新陳代謝を促す
ブラッシングには、皮膚を刺激して血行促進や新陳代謝を促す作用があります。
血流が活発になると、被毛を作る細胞に栄養が十分に届くようになり、健康な皮膚や被毛が作られます。
ブラッシングの頻度はどれくらい?
猫のブラッシングの頻度は、その猫の毛の長さや飼い方にもよりますが、一般的には、
- 短毛種は2,3日に1回程度
- 長毛種は毎日
- 換毛期はいずれも毎日
がおすすめです。
短毛種の場合には、やりすぎることで毛が薄くなってしまうこともあります。
抜け毛の量に応じて頻度を決めるようにしましょう。
基本的なブラッシングのやり方
基本的な猫のブラッシングのやり方としては、
- 短い時間(5~10分程度)で実施;飽きてしまうため
- 猫が嫌がらない背中や頭の後ろ、首回りなどから開始する
- 名前を呼び、ほめながら行う
- 優しく行う、毛玉は無理に引っ張らない
といいでしょう。
腹部は皮膚が薄く、嫌がる子が多いので、無理に行うのはやめましょう。
ちなみに、うちでは、こういったブラシを使っております。▼
バチバチと静電気が発生する場合には、ブラッシングスプレーを用いるようにするといいですね。
また、『猫が嫌がる前にやめること』がブラッシングをするうえでとても重要です。
嫌がる猫を押さえつけて行うと、威嚇してきたり、ブラッシングが苦手な子になってしまいます。
「ブラッシングは楽しいもの!」と思ってもらうようにしましょう。
子猫のうちから行うことで、上手にできる
ブラッシングを苦手とするネコちゃんも多いです。
そのため、子猫のうちから慣らすようにしておくといいでしょう。
成猫になってからチャレンジする場合には、一気にやろうとせず、毎日少しずつ行うことが大切です。
ブラッシングが好きになると、ブラシをみせただけで、寄ってくるようになります。
毛玉がある場合の対応
猫の皮膚は、人の1/3程度ととても薄いため、無理に引っ張ることで、容易に皮膚が傷ついてしまいます。
そのため、皮膚ごと引っ張ってほぐすのではなく、毛玉ができている周辺の毛束をとって、コームで毛先からほぐしていくようにしましょう。
フェルト状態になっているような大きな毛玉の場合には、バリカンでカットをした方がいいです。
このとき、ハサミでカットしてしまう方もいらっしゃいますが、皮膚まで一緒にカットしてしまうことがあるので絶対にやめましょう。
難しい場合には、獣医師やトリマーさんなどプロに任せるようにしましょう。
また、次回以降は毛玉ができないようにケアをしてあげることも大切です。
毛玉ができやすい場所は、耳の後ろやわきの下、後ろ足の付け根などがあります。
猫のブラシの種類
猫で用いるブラシには、形や特徴によって様々な種類があります。
用途によって使い分けるようにしましょう。
ラバーブラシ
ラバーブラシは、シリコンやゴムなどの柔らかい素材でできたブラシです。
摩擦で毛を巻き取るブラシであり、浮いている抜け毛を集めるタイプのものとなります。
短毛種やブラッシングが苦手な子におすすめです。
グローブタイプのラバーブラシなら、愛猫を撫でながらブラッシングができます。
スリッカーブラシ
スリッカーブラシとは、『く』の字に曲がった細かい金属製のピンが密集してついているブラシです。
ピンの金属の硬さにより、ソフトタイプとハードタイプのものに分けられます。
初心者の方にはソフトタイプで、かつ先端が球状のタイプがおすすめです。
抜けている毛を除去すること、また、毛のもつれをほどくことができます。
コーム
コームは短毛種の仕上げに毛並みを整えたりや、長毛種の毛玉をほぐす際に用います。
目の粗さによって使い分けができ、粗い方はムダ毛の処理、細かい方ではノミとりくしとして使用します。
顔周りなど繊細な部分のお手入れにも向いています。
獣毛ブラシ
豚やイノシシの毛といった動物の毛が使用されているブラシです。
ブラシに適度な水分や油分を含んでおり、毛が弱い子猫や短毛の子の毛づや出しなどに使用します。
アンダーコート用ブラシ
アンダーコートをとることに特化したブラシです。
驚くぐらいにアンダーコートがとれますが、やりすぎると必要な毛まで取れてしまうために注意が必要です。
猫にシャンプーはするべき?
基本的に、猫にシャンプーは必須ではありません。
無理に行うことでパニックとなり、最悪命を落としてしまうこともあります。
ただし、長毛種やノミ・ダニがついているときなど、シャンプーをしなくてはいけないときもあります。
シャンプーに関する記事もあるので、ご参照ください。▼
【まとめ】猫のブラッシングは大切!頻度ややり方、毛玉があるときの対処法をお伝え!
猫のブラッシングは、不要な毛を取り除くだけでなく、飼い主様とのコミュニケーションツールとなるため、とても重要です。
短毛種は2,3日に1回程度、長毛種は毎日行うといいでしょう。
毛玉があるときは無理に引っ張らず、少しずつほどいていくようにしましょう。
「ブラッシングをしたことがない…」という飼い主様は、ぜひ今日から行ってみましょう!