「愛犬が、落ちたブドウを食べてしまいました…」
「帰ってきたらレーズンパンを食べた残骸がありました…」
「デラウエア5粒くらい食べたけど大丈夫?」
など、犬がブドウやレーズンを食べてしまうことは意外とよくあります。
先日、以下のツイートをしました。▼
犬や猫にとってブドウは中毒物質です。
種類を問わず、皮もレーズンもNGです⚠️
急性の嘔吐や腎不全などがみられ、亡くなってしまうこともあります。
散歩中に食べた、ごみ箱をあさって食べたなんてこともあるので注意。
食べてしまった場合には速やかに動物病院で吐かせる・点滴するようにしましょう。 pic.twitter.com/cAmKy3eNry— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) March 27, 2021
犬や猫にとってブドウは中毒物質です。
種類を問わず、皮もレーズンもNGです。
急性の嘔吐や腎不全などがみられ、亡くなってしまうこともあります。
散歩中に食べた、ごみ箱をあさって食べたなんてこともあるので注意。
食べてしまった場合には速やかに動物病院で吐かせる・点滴するようにしましょう。
■本記事の内容
- 犬にとってブドウが危険な理由
- どれくらいブドウを食べるとダメなのか?
- 食べてしまった場合はどうすればよいのか?
愛犬が間違ってブドウを食べてしまった場合には、焦らずに読んでみてください。
目次
犬がブドウを食べると中毒を起こす【食べたらダメ!】
犬はブドウを食べると中毒症状を起こします。
ブドウの種類や品種は関係なく、レーズンもNGです。
なぜ、ブドウを食べると中毒症状が出るのかは不明で、
- 付着したカビ毒・農薬
- ブドウ由来の未知の成分
- ビタミンD類似物質
- 特異体質
などが関与しているのでは?といわれています。
犬がブドウをどのくらいの量を食べると中毒になるの?
犬において、体重1kgあたり、
- ブドウは20gほど
- レーズンは10gほど
食べてしまうと中毒症状が出る可能性があります。
計算上は、体重3kgの子だとブドウ60gなので、巨峰だと3~4個くらい食べると症状が出ることになります。
ただし、中毒には個体差があります。
食べたのが分かっている場合には、速やかに動物病院に行くようにしましょう。
また、ブドウの皮だけを食べた場合でも、中毒症状が出て亡くなったという報告もあります。▼
9 歳齢,未去勢雄のミニチュアダックスフンドがブドウの皮を摂取した後何度も吐くとの主訴で来院した。血液検査で BUN(104.5 mg/dl),Cre(6.9 mg/dl),Ca(13.1 mg/dl),P(17.9 mg/dl),K(5.15 mmol/l)の上昇を認めた。
以上からブドウの皮を摂取したことに関連する急性腎不全と診断し,入院下で治療した。第 1 病日に一時的に乏尿に陥ったが,利尿薬等の投与で改善傾向にあった。その後も血液検査に改善がみられたが,第 7 病日に一般状態が悪化し,血小板数も低下し DIC が疑われ,第 10 病日に死の転帰をとった。引用文献:塚田悠貴他,ブドウの皮摂取後に急性腎不全を発症した犬の一例,動物臨床医学,2014年23巻1号,p.30-33
犬のブドウ中毒の症状は、嘔吐や頻尿・無尿
ブドウ中毒でみられる特徴的な症状が、数時間(~12時間)以内に嘔吐することです。
また、
- 下痢
- 食欲や元気がない
- 腹痛
- 多飲多尿
- 尿量の減少
- 虚脱、ぐったり
などがみられることもあります。
場合によっては、数日後に急性腎不全(尿が全く作られない)となり、亡くなってしまうこともあります。
犬がブドウを食べてしまったら、速やかに動物病院に連絡
食べてしまったことが分かった場合は、速やかに動物病院に確認をしましょう。
留守中に食べていたなど、食べてから時間がある程度経ってしまった場合も同様です。
残念ながら、自宅では経過観察以外できることはありません。
治療は対症療法
「ブドウ中毒の治療はこれ!」というのはありません。
食べてしまってすぐの場合には、吐き出させたり活性炭の投与をしたりします。
あわせて、吐き気止めや点滴などの対症療法を行います。
急性腎不全になってしまった場合は、さらなる点滴や場合によっては透析も行います。
【まとめ】犬がブドウ・レーズンを食べた!症状や中毒量、治療法を獣医師が解説
犬がブドウを食べてしまったときは、数時間以内に嘔吐することが多いです。
また、時間差で腎不全になって亡くなってしまうこともあります。
「ブドウを食べたかも…」と思うときは、動物病院で吐き出させたり、点滴をする必要があります。
誤食は、犬が届かない位置に物を置くことで防ぐことができます。
今一度確認してみましょう!