ワクチンを打って家に帰ったあと、
「猫の顔が腫れてきたような…」
「打った場所を触ると嫌がる、痛がる」
「なんだかぐったりして元気がない…」
ということはよくあります。
この記事では、猫のワクチンの副作用について、
- どんなのが副作用の症状?
- どういう状態なら動物病院にいくべきなの?
- 自宅で様子をみるのはどんなとき?
などを、当サイト管理人の獣医師トラまりもが分かりやすく解説いたします。
一刻も早くどうすればいいか知りたい方は、【まとめ】へジャンプ!
目次
猫のワクチンの副作用はたくさんある
猫がワクチンを打った後に生じる可能性がある副作用は、
- 顔が腫れる
- 接種部位が腫れる
- 全身が赤くなる
- 全身が痒くなる
- 呼吸が速くなる
などが多く、それに関連して、
- 打った部位や体を触ると嫌がる、怒る、痛がる
- 元気がない
- 食欲がない
- 下痢や嘔吐
などもみられることがあります。
動物病院が診察時間内ならば、顔が腫れたり全身が赤くなってきた場合は動物病院に再度伺い、副作用を抑える注射を打ってもらうといいです。
【重篤な副作用】アナフィラキシーショック
ワクチンを打った後、まれに重篤な副作用(アナフィラキシーショック)が起きることがあります。
アナフィラキシーショックは、おおよそ打ってから数分以内(~1時間以内)に出ることが多いです。
アナフィラキシーでは、
- 呼吸ができない
- けいれんする
- 虚脱
などの症状が出ることがあり、すぐに治療をしないと命に関わることがあります。
猫の注射部位肉腫
猫は注射に関連して、打った部位に肉腫(しこり)が発生する場合があります。
1万頭に1,2頭という低い確率ではありますが、手術で腫瘍を取り除かないと、予後が悪い傾向にあります。
ワクチンや様々な注射は、何かしらの有害事象が起きたときのために、臀部に打つことが多いですが(首や体幹だと切除や場合によっては断脚ができない)、
- 臀部にずっと残るしこりがある
- 大きさが2cm以上あり、どんどん大きくなっている
ような場合は、注射部位肉腫の可能性があります。
【ワクチンアレルギー】なぜワクチンで副作用が出るのか
ワクチンアレルギーとは、ワクチンを打ったことにより起こる、体の異常な免疫反応(副作用)です。
ワクチンの副作用は、打ってから数分~半日以内に出ることが多いです。
ワクチンアレルギー(副作用)は、
- ワクチンを溶かす基剤
- ウイルスを増やすときに使う培養液
が原因で起こると言われています。
猫がワクチン後ぐったりしているときは動物病院に行くべき
ぐったりの基準はないので、人によって判断はまちまちだと思います。
重篤なぐったりのレベルは、
- 呼びかけに反応しない
- 立てない
- いつもと明らかに様子が違う
などがあるかもしれません。
明らかにぐったりしている場合は様子を見ず、動物病院に行くべきです。
猫のワクチンの副作用の予防はできないのか
一度ワクチンアレルギー(副作用)が出てしまった子には、
- 違う種類のワクチンを打つ(基剤が変わるため)
- ワクチンの種類を減らす(4種から3種などに減らす)
- ワクチンを打つ前にアレルギーを起こしにくくする注射を打つ
といった対応ができる場合があります。
動物病院に相談してみましょう。
猫のワクチンは午前中に打とう
ワクチンアレルギーを予測して予防することはなかなか難しいです。
そのため、
- 体調のいい日に
- なるべく午前中に(何かあったら動物病院がまだやっています)
- 打った後は安静にする
- 心配な方は、数時間動物病院に預けて見ててもらう
というように対応するといいですね。
アレルギーが出やすかったり、病気の影響で受けられない子は、混合ワクチンをやめることも可能です。
動物病院に相談してみてくださいね!
【まとめ】猫のワクチンの副作用とは
上記でも説明したように、ワクチン接種をすると、
- いつもより元気がなくなる
- 打った場所付近を触ると痛がる、嫌がる、怒る
- 食欲がやや落ちる
- ずっと寝ている
などということはよく起こります。
ワクチンとは病原体を注射しているわけなので、体がだるくなるのは当然です。
なんとなく元気がない場合は、早めに寝かせてあげるといいでしょう。
フードを食べない場合は、無理に食べさせなくてもいいでしょう。
ただし、
- 何度も何度も吐いている場合
- 顔が腫れてきたり、全身を痒がったり赤くなってきた場合
- 明らかにぐったりしている、様子がおかしい場合
などは動物病院に連絡しましょう。