腎泌尿器・内分泌

【猫のSABシステム】尿管結石の最新手術

【猫のSABシステム】尿管結石の最新手術

「猫のSABシステムって何?」

「SABシステムのメリット・デメリットを教えて!」

「SABシステムの術後の管理って大変なの?」

こういった疑問にお答えします。

この記事は、愛猫が尿管結石と診断されて、SABシステムを検討している方向けの記事です。
トラまりも
トラまりも
SABシステムは尿管結石の最新の手術法だよ。冬場は特に多くなる病気だから、是非読んでみてください!

本記事の内容

  • 猫のSABシステムの説明
  • SABシステムを用いた実際の手術
  • 術後管理について
  • メリット・デメリット
トラまりも
トラまりも
この記事を書いている私(トラまりも)は、東京で動物病院を運営しております!獣医療には20年ほど携わっています。

猫のSABシステムとは「尿管結石の最新手術法」

猫のSABシステムとは「尿管結石の最新手術法」

SABシステムとは、尿管という腎臓と膀胱をつなぐ部分に結石などが詰まってしまう事で、尿が出なくなる病気「尿管閉塞」の最新手術法です。

SABは「Subcutaneous Ureteral Bypass」の頭文字です。
トラまりも
トラまりも
専用のキットを用いて、尿管を介さずに腎臓と膀胱をつなぐんだ。腎臓で作られた尿はキットを通って、膀胱に行くことができるよ! 

猫の尿管内径は0.4mm程度と非常に細いので、簡単に結石などが詰まってしまいます。

腎臓は左右に2つありますが、

  • 片方の腎臓がすでに機能が落ちている場合
  • 両方の尿管閉塞が同時に起きた場合

などでは、尿道が詰まることで一気に「急性腎不全」となってしまいます。

トラまりも
トラまりも
早く手術で治してあげないと、亡くなっちゃうこともあるんだ。

尿管結石についての詳しい記事はコチラを参考にしてください▼

【猫の尿管結石】原因や症状、治療と予防法などを獣医師が解説!
【猫の尿管結石】原因や症状、治療と予防法などを獣医師が解説!猫が尿管結石と診断されたとき、どんな病気でどんな治療法があるのか不安になってしまいますよね。この記事では、猫の尿管結石について、原因や症状、治療法や予防法などを獣医師が解説しています。愛猫が尿管結石になってしまった場合は是非読んでみてください。...

尿管結石の手術法は4つ

尿管結石の手術法は、

  • 切開して結石を取り出す
  • 尿管ステント(尿管内に管を入れる)
  • 尿管新吻合術(部分的に尿管を切除し、断端をくっつける)
  • SABシステム

の4つあり、結石の個数や閉塞部位などにより選択します。

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

では実際に、SABシステムを用いた猫の尿管結石の手術を解説します。

フィルターは入れていますが、手術の写真が出るので苦手な方はお戻りください。

SABシステムでは専用のキットがあり、

  • 腎臓に設置するカテーテル
  • 膀胱に設置するカテーテル
  • 2つをつなぐデバイス

で構成されています。▼

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

まずは定法どおりに毛刈りと消毒、切皮を行います。

 

尿管が詰まっている側の腎臓を、丁寧に周りの脂肪組織からはがしていきます。▼

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

 

腎臓側にカテーテルを挿入し、固定します。▼

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

同様に膀胱側にもカテーテルを設置して固定します。

 

腎臓側と膀胱側のカテーテルをつなぐデバイスを皮下に設置して、閉腹して終了です。▼

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

 

術後のレントゲン上も問題なく設置完了です。▼

SABシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】

猫のSABシステムの術後管理

手術後は1,2か月に1回程度、皮下に埋め込んだデバイスを通じてカテーテルの洗浄を行います。

洗浄によってカテーテル内に新たにできた結石を洗い流します。
トラまりも
トラまりも
針をデバイスに刺して洗浄するんだけど、特に鎮静剤とかも必要なく簡単にできるよ!

また、血液検査や尿検査、エコー検査なども定期的に行い総合的に経過を見ていきます。

猫のSABシステムのメリット・デメリット

猫のSABシステムのメリット・デメリット

SABシステムにはメリットとデメリットがあります。

メリット

SABシステムの良い点は、

  • 治療法の選択肢が増える
  • 手術時間が短くできる
  • 洗浄ができるので再閉塞のリスクが低い

といったことがあります。

デメリット

SABシステムは素晴らしい技術ですが、いくつかの欠点もあります。

  • 2,3年に1度の交換が必要
  • 血餅による再閉塞の可能性がある
  • カテーテルのよじれや石灰化

といったことがあり、再手術になることが場合によってはあります。

トラまりも
トラまりも
尿管結石ができやすい猫では、洗浄を定期的にしていても石がまたいっぱい詰まっちゃうってことはあるんだ。

【まとめ】猫のSABシステム~尿管結石の最新手術

SABシステムは、尿管結石の最新手術です。

尿管結石は緊急疾患であり、症状が出た場合は早急に外科手術を行う必要があります。

治療の選択肢が増えることで、状況や猫それぞれに合った治療法を提案することが可能となりました。

尿管結石による尿管閉塞は、急激に悪くなり来院されることが多い病気です。

定期的な健康診断で、早期発見を早期治療をするようにしましょう!

トラまりものペット講座TOPに戻る

トラまりも
トラまりも
トラまりもTwitterではペットに関する豆知識を発信中!気になる方はトラまりも(@toramarimo_blog)をフォローしてね♪
こんな記事もおすすめ