「猫のSUBシステムって何?」
「SUBシステムのメリット・デメリットを教えて!」
「SUBシステムの術後の管理って大変なの?」
こういった疑問にお答えします。
✔本記事の内容
- 猫のSUBシステムの説明
- SUBシステムを用いた実際の手術
- 術後管理について
- メリット・デメリット
目次
猫のSUBシステムとは「尿管結石の最新手術法」
SUBシステムとは、尿管という腎臓と膀胱をつなぐ部分に結石などが詰まってしまう事で、尿が出なくなる病気「尿管閉塞」の最新手術法です。
猫の尿管内径は0.4mm程度と非常に細いので、簡単に結石などが詰まってしまいます。
腎臓は左右に2つありますが、
- 片方の腎臓がすでに機能が落ちている場合
- 両方の尿管閉塞が同時に起きた場合
などでは、尿道が詰まることで一気に「急性腎不全」となってしまいます。
尿管結石についての詳しい記事はコチラを参考にしてください▼
尿管結石の手術法は4つ
尿管結石の手術法は、
- 切開して結石を取り出す
- 尿管ステント(尿管内に管を入れる)
- 尿管新吻合術(部分的に尿管を切除し、断端をくっつける)
- SUBシステム
の4つあり、結石の個数や閉塞部位などにより選択します。
SUBシステムを使った猫の尿管結石手術【写真あり】
では実際に、SUBシステムを用いた猫の尿管結石の手術を解説します。
SUBシステムでは専用のキットがあり、
- 腎臓に設置するカテーテル
- 膀胱に設置するカテーテル
- 2つをつなぐデバイス
で構成されています。▼
まずは定法どおりに毛刈りと消毒、切皮を行います。
尿管が詰まっている側の腎臓を、丁寧に周りの脂肪組織からはがしていきます。▼
腎臓側にカテーテルを挿入し、固定します。▼
同様に膀胱側にもカテーテルを設置して固定します。
腎臓側と膀胱側のカテーテルをつなぐデバイスを皮下に設置して、閉腹して終了です。▼
術後のレントゲン上も問題なく設置完了です。▼
猫のSUBシステムの術後管理
手術後は1,2か月に1回程度、皮下に埋め込んだデバイスを通じてカテーテルの洗浄を行います。
また、血液検査や尿検査、エコー検査なども定期的に行い総合的に経過を見ていきます。
猫のSUBシステムのメリット・デメリット
SUBシステムにはメリットとデメリットがあります。
メリット
SUBシステムの良い点は、
- 治療法の選択肢が増える
- 手術時間が短くできる
- 洗浄ができるので再閉塞のリスクが低い
といったことがあります。
デメリット
SUBシステムは素晴らしい技術ですが、いくつかの欠点もあります。
- 2,3年に1度の交換が必要
- 血餅による再閉塞の可能性がある
- カテーテルのよじれや石灰化
といったことがあり、再手術になることが場合によってはあります。
【まとめ】猫のSUBシステム~尿管結石の最新手術
SUBシステムは、尿管結石の最新手術です。
尿管結石は緊急疾患であり、症状が出た場合は早急に外科手術を行う必要があります。
治療の選択肢が増えることで、状況や猫それぞれに合った治療法を提案することが可能となりました。
尿管結石による尿管閉塞は、急激に悪くなり来院されることが多い病気です。
定期的な健康診断で、早期発見を早期治療をするようにしましょう!