「猫の便に米粒みたいなのが動いています…」
「便に白い粒がうじゃうじゃいます…」
「白ごまみたいなのが、猫の便にたくさんある!」
など、猫の便を片づけようとしたときに、白い粒が付いていて、しかも動いていたらびっくりしていまいますよね。
子猫の時などは、意外とよくあります。
この記事では、
- その白い粒の正体は何なのか?
- 出てきたら急いで動物病院に行ったほうがいいのか?
- 予防はできるのか?
などを獣医師トラまりもが、分かりやすく解説いたします!
目次
猫の便の白い粒の正体は「瓜実条虫」
猫の便にくっついている白い粒の正体は「瓜実条虫」という寄生虫です。
また「犬条虫」とも言われますが、犬だけでなく猫にも感染します。
サナダムシと聞けば「ピン!」とくるかもしれません。
瓜実条虫はサナダムシの一つで、昔は「おしりぺったん」のシール検査がありましたが、2015年で廃止されたとのことです。
衛生環境の改善に伴って、現在では子供たちはほとんど感染していないとの理由からです。
瓜実条虫は、便の表面についていることが多いので、発見が容易にできます。
猫の便に白い粒があったら、急いで動物病院に行くべき?
瓜実条虫は、犬や猫の消化管(小腸)に寄生しています。
通常、瓜実条虫が感染していても無症状です。
なので、「白い粒が出た!夜間病院でも行った方がいいかな?(焦)」とはならず、翌日または翌々日くらいに動物病院に行くといいです。
ただし、肛門にくっつくと痒いので、しきりに肛門周囲を気にするようになります。
いつもおしり周りを舐めているな…という時はおしりが痒いサインです。
また、腸に寄生しているので、大量に寄生すると下痢や腹痛を示すこともあります。
白い粒はノミが運んでいる
猫は瓜実条虫に「ノミ」から感染します。
瓜実条虫は、ノミ(イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ)の体内に寄生しているので、体表にくっついているノミや環境にいるノミを毛づくろいなどで犬が食べると、瓜実条虫も一緒に摂取されるために感染します。
子猫の場合は、哺乳時期に母猫に寄生していたノミを飲み込んで寄生することが多いです。
瓜実条虫を持っているノミが猫の小腸に達すると、ノミから幼虫が脱出して、小腸に食いつきます。
そこで2、3週間かけて成長をし、ながーい成虫(約30~40cmくらい)となります。
猫の便に白い粒が出たときの対処法
動物病院で駆虫薬をもらうと、大体がすぐによくなります。
薬を飲んでから2,3日は、便に虫が出てきているかよく確認しましょう。
完全に倒すためには、いなくなってからもまた薬を飲む必要があります。
【ノミを潰すのはよくない】
猫の体にくっついているノミを手でつまんで潰すという飼い主様はよくいます。
でも、潰してはいけません!
ノミをつぶしてしまうと、手に瓜実条虫の卵が付いてしまい、その手で猫に触れたり何かを食べたりすると、猫だけでなく人にも瓜実条虫が感染してしまう恐れがあるからです。
見つけたら、つまんでそのまま水に流したり、ガムテープで取って捨てるといいです。
白い粒は人にうつることもある
ノミを口にしてしまったり、ノミをつぶした手をなめてしまった場合に、人にも感染することがあります。
ほとんどが無症状ですが、小さい子では下痢や腹痛がみられる事があります。
白い粒の予防はダニノミ予防をすること
瓜実条虫の感染は、ダニノミ予防をすることで予防できます。
また、定期的にブラッシングをしてあげたり、環境をきれいにすることも大切です。
猫の便に白い粒が混じっていたら、焦らず動物病院へ!
便に米粒が混じっていたら、便を持って動物病院に行きましょう。
元気食欲があれば、緊急性はないことが多いです。
ただ、長く様子をみると感染が広まってしまうので、なるべく早めに病院に行きましょう。
定期的にノミダニ予防をすることで防げるので、しっかり行うようにしましょう。