更新:2020.09.07
新型コロナウイルス感染症が流行していますが、
「犬猫にもうつるのですか?」
「うつったらどうなるの?」
などのお問い合わせが非常に多いです。
今回は、まだまだ全貌が分かっていない「新型コロナウイルス感染症」について、現時点で分かっている事(犬猫に関すること)をご紹介いたします。
目次
新型コロナウイルス感染症って何?
そもそもウイルスとは、
- もっとも小さい生命体
- 細胞に寄生しないと生きていけない
- 宿主特異性がある
- 変異する
などといった特徴があります。
ウイルスは、自分一人では生きていけません。
細胞に寄生して自分の遺伝子を増やしていきます。
また「宿主特異性」といって、
- 人のウイルスは人に感染
- 犬のウイルスは犬に感染
といったように、同種間で感染するという性質があります。
変異とは、遺伝子をコピーする過程で複製ミスをすることです。
ウイルスはほかの細胞に寄生して、自分自身の遺伝子を増やすのですが、その過程で複製ミスが生じて別の遺伝子ができてしまう事があります。
一度インフルエンザにかかったのに、またかかってしまうのは、その変異したインフルエンザウイルスに感染しているからです。
またウイルスは数十年に一度、フルモデルチェンジをすることもあります。
これが起きると、鳥インフルエンザが人にうつるようになった「新型インフルエンザ」のようなものができ、パンデミックがおこると言われています。
今回話題になっているコロナウイルスも、「新型」のため問題となっています。
新型コロナウイルス感染症って犬猫にうつるの?
先ほども言ったように宿主特異性があるので、基本的に犬コロナウイルスは犬にしかうつらないですし、猫コロナウイルスも猫同士でしかうつりません。
そのため今回のコロナウイルスについても、
「人から人へしかうつらない」と当初はされていました。
ただ、今回発生した香港での事例により、人から犬に移る可能性が示唆されました。
【追記】2020.08.03
国内で初めて、犬2匹が新型コロナウイルス陽性と確認されました。感染した飼い主から預かって検査をして判明したそうで、アニコムホールディングスが発表しました。
2匹とも健康状態には異常はないようで、1匹はすでに陰性となっており、また他のペットや従業員も検査の結果、陰性だったそうです。
新型コロナウイルス感染症になった犬猫はいるの?
香港でペットとして飼われている犬が感染したという報道がありました。
当初は、鼻にたまたま付着したウイルスを検出してしまっただけで、感染はないと言われていました。
しかし何度かに渡って検出されるため、
「比較的弱い感染を継続している」
というように結論付けられました。
犬から人へ、人から犬へ、犬から犬へうつるの?
香港での事例により、人から犬にうつるかもしれないと言われています。
犬から人へ、犬から犬への感染経路は今のところ言われておりません。
新型コロナウイルスに感染するとどんな症状がでるの?
新型コロナウイルスに偶発的に感染してしまった犬は、今のところ症状はないと言われています。
ただ報道によると、感染したであろう1頭はおそらく「老衰により死亡した」と言われています。
(追記:ベルギーにて猫への新型コロナウイルス感染が認められました。3月28日現在)
犬猫がコロナウイルスに感染した場合、どんな対応がなされるの?
今現在は、動物病院での検査や対応の基準がありません。
人に用いているコロナウイルスのPCR検査が、動物に行える状況ではありません。
そのため、ペットに関しては、新型コロナウイルス感染と診断を付けることすら難しい状況です。
人が新型コロナウイルスに感染した場合はどうすればいいの?
ペットは家の中で隔離をし、飼い主様自身で世話をするのが現時点での対応となります。
そもそも、
- 犬猫での診断がきちんとできないこと
- 人のように隔離できる動物病院や施設の体制がないこと
が理由です。
人が入院しないといけなくなった場合は、動物病院か保健所、愛護団体に相談するといいでしょう。
飼い主が新型コロナウイルス感染症になった時のペットとの過ごし方はコチラ▼
新型コロナウイルス感染症の予防はどうすればいいの?
- たくさんの人がいる場所に出向かない
- 犬同士の接触をなるべく避ける
- 散歩は近場で済ます
人と同じように、外出自粛がいいと思われます。
動物病院が感染予防対策としてできることを書いたので、病院関係者様は是非参考にしてみてください。▼
混合ワクチンの成分を見るとコロナウイルスって書いてあるけど?
「犬のワクチンに入っているコロナウイルス」は、犬にしかかからない腸炎を起こすウイルスなので、今回の件とは関係がないものです。
【まとめ】過度に心配せず、情報を正確にとらえよう
まだまだ分かっていないことが多い新型コロナウイルス感染症。
これだけ全世界に多くの感染者がいる中で、ペットから感染したという情報は報告されていません。
どの情報が正確なのか、判断するのは難しいと思われますが、
体力をしっかりつけ、手洗いうがいなどを徹底し、感染が収まるのを待ちましょう。
※今回の情報は間違いなどないよう自分なりにまとめましたが、情報は日々変化しています。
最新の情報に注意し、変更があれば随時更新させていただきます。