消化器(肝臓含む) PR

【獣医師執筆】犬が嘔吐・吐く3つの原因と動物病院に行くタイミング

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「愛犬が食べ終わったと思ったら、すぐ吐きました…」

「食べ終わってから時間が経っているのに、未消化のものを吐きました…」

「犬が吐く原因って?自宅でできることってある?」

など、犬が吐く・嘔吐するときは多いと思います。

トラまりも
トラまりも
人間はあまり吐くことはないけど、犬は吐くことが多い動物だよ。

先日以下のツイートをしました。▼

犬猫が吐くとき【動物病院に行くべきとき】
・何日も続く
・元気や食欲がない
・異物を食べた可能性がある
・体重が減ってきた
・血が混じる
などのときは検査
元気食欲があるとき、空腹時や早食い・大食いで吐く、車酔いなどは経過をみることもあります

■本記事の内容

  • 犬の嘔吐の3つの原因
  • 自宅でできる対策
  • 動物病院に行くべきタイミング

愛犬が吐いてしまったときには、慌てず読んでみてくださいね。

【犬の嘔吐の原因】生理的・軽症・重症の3パターンに分けて解説!

【犬の嘔吐の原因】生理的・軽症・重症の3パターンに分けて解説!

犬は正常でもよく吐く動物です。

犬の嘔吐の原因には、

  1. 生理的なもの
  2. 軽症のもの
  3. 重症のもの

の大きく3つのパターンがあります。

それぞれ分けて説明していきますね。

①生理的な吐きの場合は自宅で対策

犬がよく吐く理由は、

  • 急に飲み込む(早食いである)
  • 毛玉を吐く
  • 空腹で吐く

といったことがあります。

これらの吐きは生理的(正常)なもので、

  • 小分けにしてフードを与える
  • ゆっくり食べさせる
  • 毛玉ケア用のフードにする
  • 空腹時間をなるべく減らす

などと対応してあげればよくなることが多いです。

犬が空腹で吐くときは「胆汁嘔吐症候群(たんじゅうおうとしょうこうぐん)」というものが考えられます。

早朝や空腹時に、白い泡や黄色い液体を吐くことが多いです。

これは空腹によって、胆汁(肝臓で作られた消化液)が胃に逆流することによって生じます。

嘔吐以外に症状がないのが特徴で、

  • 夜ごはんを遅めにあげる
  • 朝ごはんを早めにあげる
  • 一日、2,3回に分けて食事を与える

といったように対応するといいでしょう。

トラまりも
トラまりも
人間もおなかがすきすぎると、気持ち悪くなったりするよね。 犬は、そのタイミングで吐いちゃうんだ!

『空腹時の嘔吐』について、詳しくはこちらをご参照ください。▼

犬が水を飲まないときの12つの飲ませ方
【犬や猫の空腹性嘔吐】元気なのに吐く場合には胆汁嘔吐症候群の可能性!朝方に黄色い泡を吐きます…、おなかがすくと吐いてしまうんです…この記事では、犬や猫が空腹で吐いてしまう理由や対処法、動物病院に行くタイミングなどを解説しています。愛犬・愛猫が元気だけど吐いてしまう…というときは、是非読んでみてください。...

生理的な吐きの場合でも、毎日吐くなど頻度があまりにも多い場合には、受診をするようにしましょう。

②軽症の吐きの場合は自宅で様子を見るのもあり

軽症の吐きは、

などのときに、一過性の胃腸炎として生じます。

これらの場合は、吐いた後はけろっとしていて元気があることが多いです。

トラまりも
トラまりも
フードを変えてから吐くようになったと思うときは、まずは元のフードに戻してみるといいよ!

何かしらの薬を飲み出してから吐き気が増えた場合には、薬の中止をした方がいいときもあります。

主治医の先生にご確認ください。(←抗生剤や痛み止めを飲むと吐いてしまうことは多いです。)

【吐いているときは絶食で!】

基本的には、吐いている場合は絶食にするといいです。

食べてもまた吐いてしまうことが多いからです。

「どれくらい絶食にするといいか」とよく聞かれますが、少なくとも吐いてから4,5時間の絶食、もしくは1食抜くといいでしょう。

③動物病院へ行くべき嘔吐

基本的には、心配だったらどんな場合でも動物病院に行くべきです。

トラまりも
トラまりも
以下はあくまでも一例です。

動物病院に行くべき吐きは、

  • 何度も何度も(5回も6回も)吐く
  • 元気食欲がない
  • ぐったりしている
  • 吐いたものに血がたくさん混じっている
  • 異物を食べた可能性がある
  • 下痢や腹痛など他の症状も伴う
  • 体重が減ってきた

などがあります。

【ぐったりの基準が分からない…】

吐いている場合は、いつもより元気がないのは当然です。

ぐったりの基準というのは難しいですが、

  • 呼びかけに反応しない
  • 立てない
  • 目がうつろ
  • いつもと明らかに様子が違う

などがあります。

考えられる病気【急性の嘔吐の場合】
  • 急性膵炎
  • 急性胃腸炎
  • 何かしらの中毒
  • 何かしらの感染症(パルボウイルス感染症など)
  • 出血性腸炎
  • 消化管内の異物や閉塞
  • 消化管のねじれ・重積・穴が開く・イレウス(痙攣)
  • 子宮蓄膿症
  • 尿道閉塞、膀胱破裂
トラまりも
トラまりも
他にももっとたくさん!あげればきりがない!

また慢性(数週間以上続く)の嘔吐では、

  • 消化器の機能不全(蛋白漏出性腸炎、腫瘍、便秘など)
  • 肝・腎・心疾患
  • アジソン病、甲状腺疾患などホルモンの病気
  • 消化器以外の腫瘍

なども考えられます。

犬の嘔吐の診断と検査【飼い主様の情報とエコーが重要!】

犬の嘔吐の診断と検査

犬の嘔吐を診断するには、飼い主様の情報が超重要です!

教えてほしいこと一例
  • 吐くタイミングは?(食前?食後?食後何時間?)
  • 吐いたものの内容(未消化?消化されている?泡だけ?)
  • 何か薬やサプリメントを飲んでいる?
  • 下痢など他の症状はない?

 

犬が吐いてしまったときに行う検査には様々ありますが、エコー検査によって得られる情報は多いです。

トラまりも
トラまりも
胃腸の動きや状態がリアルタイムに分かるからね!
犬が吐いているときに行う検査
  • エコー検査←重要!
  • 血液検査(腎臓や肝臓、炎症やホルモンの数値など)
  • レントゲン検査(食道の状態は?異物はない?)
  • 造影検査(バリウム検査みたいなもの;通過障害はない?)
  • 内視鏡や生検(麻酔をかけて行います;肉眼的に見える)
  • CT検査(麻酔をかけて行います+腫瘍が絡む場合など)

これらの検査を必要に応じて行っていきます。

【まとめ】犬が嘔吐・吐く3つの原因と動物病院に行くタイミング

犬は正常でも吐く動物です。

お腹が減って吐いたり、食べすぎて吐いている場合は経過をみていいことも多いです。

トラまりも
トラまりも
様子を見ていい吐きは、元気があってケロッとしてるよ!

吐き気が続いたり、元気食欲がない場合は、動物病院を受診しましょう。

どうすればよいか不安な場合には、主治医の先生に確認してみましょう!

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トラまりも
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