脳神経

【犬のけいれん発作の6つの原因】症状や自宅での対処法を獣医師が解説

ステロイドとは?

「愛犬がいつもと違ってフラフラしています…」

「今日はよだれが多いです…」

「さっきまで遊んでいたのに、突然倒れました…」

といった症状はけいれん発作が起きている可能性があります。

トラまりも
トラまりも
発作は急に出るものだから、どうすればいいのか不安になっちゃうよね…

先日、以下のツイートをしました。▼

くるくる回ったり、よだれが多い、目がうつろ、体がぴくぴく…などは発作が出ている可能性もあります。
5分以上続く場合、意識が戻る前に次の発作が出た場合、1日に2回以上出るときなどは早急の治療が必要。
発作中は顔周りに触らず、ぶつからないよう物をどかす、状態を動画に撮っておくことが重要。

■本記事の内容

  • 犬のけいれん発作の原因と症状
  • すぐに動物病院に行くべき状態
  • 自宅できる対処法

「これってけいれん発作なのかな…」「家でできることはないかな…」と不安な飼い主様は、あわてず読んでみてください。

トラまりも
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この記事を書いている私(トラまりも)は、東京で動物病院を運営しております!獣医療には20年ほど携わっています。

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犬のけいれん発作の症状はたくさんある

犬のけいれん発作の症状はたくさんある「愛犬の様子がいつも違っておかしい…」

その症状、実はけいれん発作だった!ということはよくあります。

けいれん発作とは、犬の意思とは関係なく筋肉が勝手に動いてしまう症状のことです。
  • よだれが出ている
  • 目がうつろ、焦点が合わない
  • ふらふらしている
  • ベロが出ている、ぺろぺろしている
  • くるくる回転している
  • 手足がぴくぴくしている
  • 体が硬直している
  • 頭や体全体が震えている
  • 呼吸が荒い
  • いろんなところで、うんちおしっこをしてしまう
  • 吐く
  • 水をすごく飲む

などは、発作症状の一つの可能性があります。

「なんとなくいつもと違う…」というときは、発作の可能性も考えましょう。

犬のけいれん発作の原因は6つある

犬のけいれん発作の原因は、

  1. てんかん
  2. 代謝性疾患
  3. 脳神経、筋肉の疾患
  4. 中毒
  5. 失神
  6. 行動(発作のようにみえる行動)

の6つあります。

一つずつ分かりやすく解説していきます。

①てんかん発作

発作といえば「てんかん発作」は有名かもしれません。

トラまりも
トラまりも
人でも、運転中に突然てんかん発作を起こし、事故になってしまったニュースなどを見るよね。

てんかんには、

  • 脳に異常があって起こる「症候性(構造的)てんかん」
  • 原因不明の「特発性てんかん」

があります。

症候性てんかんには、脳炎・脳腫瘍・脳梗塞などがあります。

特発性てんかんは、

  • 1歳から5歳くらいの比較的若齢で発生することが多い
  • あらゆる検査に異常がない
  • 唯一、「発作が出ているときの脳波」で異常が認められることがある

といった特徴があります。

てんかん発作は、

  1. 発作前期(前兆)
  2. 発作(発作そのもの)
  3. 発作後期(発作後のもうろう状態)

という3段階に分かれていて、

発作前期:発作が起こる前に、ある決まった行動がみられ、

(例えば「すごくお水を飲む」「よだれが出ている」など)

発作:発作が起き

発作後期:その後ふらふらしたり、徘徊したり、ぼーっとしている

といった段階をたどることが多いです。

【てんかん発作の分類】

  • 焦点発作→手がぴくぴくしたりという「意識がある発作」
  • 全般発作→ばーっと体が硬直してしまい「意識がなくなる発作」

という分類法もあります。

②代謝性疾患

代謝性疾患とは、

など、体の代謝が正常に行われなくなり生じる疾患のことです。

これら代謝性疾患によって発作がみられることもあります。

末期の腎不全や、糖尿病の治療中の子などで多くみられます。
トラまりも
トラまりも
熱中症で脱水がすごいときにも、発作がみられるよ。

熱中症については、こちらの記事も参考にしてください▼

【犬と猫の熱中症】症状や治療、対策法を獣医師が全部教えます!
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③脳神経、筋肉の疾患

脳神経や筋肉の異常でも発作がみられることがあります。

  • 環軸椎亜脱臼
  • 前庭疾患
  • 重症筋無力症

といった病気があります。

個々の病気については、また後日しっかり解説いたしますね。

④中毒

何か変なものを食べてしまったときにも、発作が出ることがあります。

といったものの誤食事故が多いです。

いつもと違うものを食べてないか、確認してみてください。

⑤失神

心臓疾患が原因で、発作が起きることもあります。

脳への酸素供給が、一時的に途絶えたために生じます。

てんかん発作に症状が似ていますが、てんかん発作との違いは、「発作後にもうろう状態が認められない」ことです。

トラまりも
トラまりも
緊張してぱったっと倒れちゃったり、遊んだ後に倒れたりなどがよくあって、すっと回復することが多いよ。

⑥行動

これは難しいですが、発作のように見える行動があります。

恐怖のときや、人の気を引くための行動など、心因的なものから生じることが多いです。

呼びかけや大きな音などに反応するので、いわゆる発作とは鑑別できます。

犬にけいれん発作が出たら慌てず対応する

犬にけいれん発作が出たら慌てず対応する
発作は何の予兆もなく突然出ることが多いです。

もちろん、発作の治療中に出る子も多くいます。

  • はじめての発作で、
  • 基礎疾患(持病)がなく、
  • 中毒など思い当たることがなければ、

まずはその発作が、

  • どれくらいの時間続いて、
  • どんな様子で(症状や前後の様子)
  • どれくらいの頻度で起きているか

を確認しましょう。

けいれん発作自体は2~3分、長くても5分以内に自然に止まることが多いです。

発作を起こしてもすぐに回復して、その後全く症状が出なければ、その日は家で様子をみてもいい場合が多いです。

すぐに動物病院に連れて行くべき発作

すぐに動物病院に連れて行くべき発作もあります。

  • 1回の痙攣が5分以上続く場合(発作重積)
  • 意識が戻る前に2回目の発作が起きた場合(発作重積)
  • 24時間以内に2回以上の発作が出た場合(群発発作)

これらの場合は、命に関わることもあるので速やかに動物病院に連れて行ってください。

トラまりも
トラまりも
分からなかったら、迷わず主治医の先生に確認してね!

犬にけいれん発作が出た時に行う検査

犬にけいれん発作が出た時に行う検査は、

  • 血液検査などスクリーニング検査
  • CDV抗原(犬ジステンパーウイルス)
  • 神経学的検査
  • ECG(心電図)
  • CT検査
  • MRI検査
  • 脳波検査

などがあります。

ただ、発作が出ているその瞬間でないと検査に異常値が出ないこともあるので、注意が必要です。

神経学的検査とは、歩き方や診察台での様子(感覚や反射があるか)などをみていきます。

CTやMRI、脳波検査は、二次病院や検査センターで撮ることができます。

けいれん発作が出たとき、自宅でできることはほとんどない

発作はなぜか、夜間や動物病院が休みのときに起こることが多い気がします。

でも、自宅でできることは残念ながらほとんどないです。

ただ可能であれば、

  • 顔周りは触らない(発作中は意識がなく、思い切り噛んでくることがあり危険)
  • 抱っこをしない(いつもと違う激しい動きをするので落下する危険がある)
  • 発作によってぶつかって怪我をしないように、ものをどかす
  • 短い発作が1回でその後症状が出なければ、早めに寝かせる
  • 発作後にアイスノンで首元を冷やす(過度な呼吸により体温が上がることがあるため)
  • 発作の様子を動画で撮り、前後の様子も記録する
  • 泡を吹く場合は、下を向かせる
  • 座薬や点鼻薬など常備薬がある場合は、それを使う

などをしてあげるといいです。

数分で終わるような発作が1回あって、今が元通りになっているのなら、早めに寝かせてあげ、翌日病院に伺うのも方法の一つです。

発作中に泡を吹く子は、無意識に上を向いている場合が多いです。

泡を誤飲してしまう可能性があるので、頭を下に向けましょう。

タオルで口や口周りの泡を拭くときは、噛まれなように十分に注意が必要です。

トラまりも
トラまりも
発作が起きているときは、歯を思いっきり食いしばって、間違って飼い主様を噛んでしまうことがあるんだ。口周りに手を出すときは、タオルとかを厚め巻いて触るようにね。

【まとめ】犬のけいれん発作の6つの原因や症状・自宅での対処法

犬のけいれん発作の6つの原因は、

  1. てんかん
  2. 代謝性疾患
  3. 脳神経・筋肉の疾患
  4. 中毒
  5. 失神
  6. 行動

です。

「いつもと何か違うかも…」という症状もけいれん発作の可能性があります。

自宅での対処法は基本的にないですが、1回の発作が短く、発作後に回復しているのなら、早めに寝かせて様子をみてあげるのも方法の一つです。

愛犬が発作を起こしたときは、誰しもが慌ててしまいます。

平常心を保ち、しっかり様子を観察+動画で撮影し、おさまらない場合は動物病院に連絡しましょう。

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