緊急疾患

【犬の低血糖症】震えの症状あり!原因と予防、手術例を獣医師が解説!

【犬の低血糖症】震えの症状あり!原因と予防、手術例を獣医師が解説!

「犬が何度も吐いているけど、脱水や低血糖が心配…」

「ずっと震えています…」

「低血糖と言われたけど、どんな原因があるの?」

など犬の低血糖について、どんな原因や症状が出るのか不安な飼い主様は多いです。

先日以下のツイートをしました。▼

■低血糖の鑑別
・栄養が足りていない:子犬子猫で多い
・すい臓の腫瘍:インスリノーマ
・すい臓以外の腫瘍
・アジソン病などホルモンの病気
・肝機能が落ちてる
・医原性:糖尿病の治療中など
・敗血症
・検査のミス
低血糖のめずらしい手術があったので、今度ブログで解説します。

■本記事の内容

  • 犬の低血糖症の原因と症状
  • 低血糖のめずらしい手術症例
  • 低血糖を予防するには?

犬の低血糖症はまれな病気ではありますが、命に関わることもある怖い病気です。

愛犬の万が一に備えたい方は、ぜひ読んでみてください。

犬の低血糖症の原因

犬の低血糖症の原因

犬の低血糖の原因はたくさんあります。

犬の低血糖の原因
  • 栄養が足りていない
  • 膵臓の腫瘍(インスリノーマなど)
  • 膵臓以外の腫瘍(肝細胞がん、平滑筋腫・肉腫、乳腺がんなど)
  • アジソン病などホルモンの病気
  • キシリトール中毒
  • 肝機能の低下(門脈シャント、肝腫瘍など)
  • 医原性(糖尿病でのインスリン注射が効きすぎている)
  • 敗血症(全身の感染症:糖の消費亢進で低血糖)
  • 検査の手技によるミス

膵臓はインスリンという血糖値を下げるホルモンを出しています。

インスリノーマとは膵臓にできる腫瘍で、インスリンをバンバン出すことによって血糖値が下がりすぎてしまう病気です。

膵臓以外の腫瘍でも、なぜか血糖値を下げる物質を出す腫瘍が多くあります。

また、特に子犬の場合は、吐いてしまったり下痢してしまうことが続くと、すぐに脱水や低血糖になってしまいます。

子犬の場合はこちらの記事を参考にしてください。▼

【子犬の低血糖】症状や自宅での対処法、予防する方法を獣医師が解説!
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血糖値60mg/dl以下が低血糖

犬の正常の血糖値は、100mg/dLほど(60~120mg/dL)です。

一般的に、血糖値が60mg/dL以下となった状態が低血糖とされ、40~50mg/dLを下回ると症状が出ることが多いです。

ただ、日頃から血糖値が低いの子の場合は低血糖に鈍感になっていたり、逆に常に高血糖の場合には、60mg/dL以上の血糖値でもふらつくなどの症状がみられることもあります。

低血糖症の症状

犬の低血糖の症状は様々あります。

犬が低血糖のときの症状
  • 震える
  • けいれんなどの発作
  • フラフラする
  • よだれが垂れている
  • 下痢や嘔吐
  • 意識が弱い、なくなる
  • ぐったりしている

「おやつは食べるけど、何となく元気がない…」ということで血液検査をすると、実はアジソン病による低血糖だったということもありました。

犬の低血糖の治療法【緊急時はすぐに血管確保!】

犬の低血糖の治療法【緊急時はすぐに血管確保!】

犬の低血糖の治療は、緊急時とそうでない場合、低血糖を起こしている原因が何なのかによって変わります。

ぐったりしているような緊急時には、すぐに血管確保を行います。

また、低血糖の原因に対する治療も同時に行います。

ブドウ糖の投与

低血糖の犬に対して最も基本的な治療が、ブドウ糖の投与です。

意識がしっかりしている犬については、食事を与えたり、

  • 50%ブドウ糖
  • コーンシロップ
  • ガムシロップ
  • ハチミツ

などを舐めさせて経過を見ていきます。

意識がなくぐったりしている場合には、血管から糖分を補給していきます。

場合によっては手術も行う

以下で、手術の写真が出ます。

加工はしていますが、苦手な方はお戻りください。

トラまりも
トラまりも
低血糖という症状で、手術を行うこともあるんだよ!

 

「食欲はあるけど、何となく元気がなくて震える」という稟告で来院されました。

血液検査で低血糖が見られました。(インスリンの値は0.02ng/mL未満)

エコー検査を行うと、大きな腫瘍が確認されたため、開腹手術を行いました。▼

犬の低血糖の治療法

こんな大きな腫瘍が胃にくっついていました。▼

犬の低血糖の治療法

病理検査の結果、胃の平滑筋腫という良性の腫瘍でした。

平滑筋腫瘍はインスリン様物質を産生することで、低血糖になることがあります。

この子は術後2日で退院し、現在は症状もなく元気に過ごしています。

犬の低血糖症を予防するためには?

犬の低血糖症を予防するためには?

子犬の場合は、食事の間隔があいてしまうと低血糖になりやすいです。

そのため、1回あたりの食事量を減らして食事回数を増やすなど、食事の時間と回数に注意するようにしましょう。

トラまりも
トラまりも
いざという時のために、液体状のおやつやブドウ糖などをもっておくといいね!

成犬の場合は、他の病気がもとで低血糖になってしまうことが多いです。

なので、定期的な健康診断を受けたり、何かいつもと違うことがあったらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

【まとめ】犬の低血糖症の原因や症状、予防をしっかり

低血糖症の原因は、子犬だと食欲がなかったり下痢や嘔吐によるものが多いです。

また、成犬の場合は、何かしらの基礎疾患があったり、糖尿病治療中のインスリンの効きすぎなどがよくあります。

症状は、震えたり、なんとなく元気がないかな…といったものからぐったりまで様々あります。

愛犬の変調を発見した場合は、速やかに動物病院を受診するようにしましょう。

あわせて、定期的な健康診断で病気の早期発見・早期治療を行いましょう!

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