「犬が下痢をしているけど、人用のビオフェルミンってあげていい?」
「どれくらいの量のビオフェルミンをあげればいいの?」
など犬が下痢をしたとき、自宅にあるビオフェルミンをあげてもいいのか悩まれている飼い主様は多いです。
この記事では、
- 犬に人用ビオフェルミンをあげていいのか
- ビオフェルミンをあげるときの注意点
などを解説していきます。
目次
犬が下痢をしているとき、ビオフェルミンをあげても大丈夫!
結論から言うと、犬に人用のビオフェルミンをあげても大丈夫です。
ビオフェルミンってそもそも何?
ビオフェルミンは、ビオフェルミン製薬が出している整腸剤です。
ビオフェルミンには、
- 新ビオフェルミンS
- ビオフェルミンチュアブル
- ビオフェルミン下痢止め
などたくさんの種類があります。
ビオフェルミンの成分は、
- ビフィズス菌
- 乳酸菌(フェーカリス菌、アシドフィルス菌)
の3種類の菌が入っています。
ビフィズス菌と乳酸菌の違いは以下の通りです。
ビフィズス菌
- 主に大腸で働く
- 乳酸と酢酸を作る(より強い殺菌作用)
- 主に動物の腸で生息
- 酸素があると発育できない(大腸のように酸素が少ないところで発育可)
乳酸菌
- 主に小腸で働く
- 乳酸を作る(殺菌作用)
- 動物の腸だけでなく、漬け物や乳製品など自然界にも生息
- 酸素があっても発育できる
といった違いがあります。
犬用と人用のビオフェルミンの違い
ビオフェルミンには、人用のビオフェルミンと動物用のビオフェルミン製剤があります。
動物用(ビオイムバスター)と人用のビオフェルミンは、
- 用量
- 配合されている菌
- 中身の成分
- 動物用には味が付いている
といった違いがあります。
ビオイムバスターには、
- ビフィズス菌
- 乳酸菌(フェーカリス菌、アシドフィルス菌)
- 有胞子性乳酸菌(胃酸に強い乳酸菌)
- パンクレアチン(消化酵素)
が含まれており、人より強い胃酸(犬pH1、人pH2)を持つ犬により対応できるようになっています。
下痢の犬にビオフェルミンを与えるときの5つの注意点
下痢の犬にビオフェルミンを与えるときは、注意点が5つあります。
①効果があるかどうかは分からない
ビオフェルミンは整腸剤なので、下痢にズバッと効く薬ではありません。
そのため、安全性は高い薬ですが、効果があるかどうかは分からない部分があります。
また、効きが悪いからといって増量しても、あまり意味がありません。
犬の下痢止め薬をまとめた記事もあるので、参考にしてください。▼
②用量を守る
ビオフェルミンの厳密な投与用量はありませんが、
- 小型犬→半錠から1錠
- 中型犬→1錠から1錠半
- 大型犬や超大型犬→2~3錠
程度がよいと思われます。
③他の病気の一症状として下痢をしているときもある
下痢は単純で一過性のものから、重篤な病気の一症状として出ている場合があります。
そのため、下痢以外にも症状(吐いたり元気がなかったり)がある場合や、治りづらい下痢の場合は早めに受診をするようにしましょう。
④アレルギー症状を示すこともある
ビオフェルミンにアレルギー反応を示すことは非常に少ないですが、絶対ないわけではないです。
薬を飲んだ後何かしらの症状、例えば、
- 体をかゆがる
- 吐いてしまう
- 元気がなくなる
などがあれば、すぐに主治医の先生に確認しましょう。
⑤ビオフェルミンSは抗生物質との併用不可
ビオフェルミンは生きた菌なので、抗生物質と一緒に使用すると効果がなくなってしまいます。
そのため、何かしらの病気で抗生物質を出されている場合は、ビオフェルミンSを使うことができません。
ビオフェルミンSとビオフェルミンR
ビオフェルミンには、新ビオフェルミンSのような「ビオフェルミンS」と抗生物質にも負けない「ビオフェルミンR」とがあります。
ビオフェルミンSは、
- 指定医薬部外品なので、誰でも市販で購入できる
- 抗生物質にやられてしまう乳酸菌が入っている
という特徴があり、ビオフェルミンRは、
- 医薬品なので、動物病院での処方となる
- 抗生物質にやられない乳酸菌(耐性乳酸菌)が入っている
ということがあります。
動物病院では、抗生物質と一緒に出すことが多いのでビオフェルミンRを使用することが多いです。
【まとめ】犬が下痢のときにはビオフェルミンを飲んでもOK
ビオフェルミンは副作用も少なく、比較的安全性の高い薬です。
人でもよく使われる薬なので、家に常備してある方も多いと思います。
使用する際には、5つの注意点に気をつけ、治りが悪い場合や不安なときには、速やかに主治医の先生に確認しましょう。