みなさま、香害(こうがい)ってご存じですか?
香害とは、香水や柔軟剤、芳香剤などに含まれる化学物質によって健康被害を生じることを言います。
この香害ですが、人だけでなく、犬や猫などの小動物でも報告されています。
犬は人の100万~1億倍、猫は20万~30万倍もにおいに敏感です。
そのため、ジメっとした空気や柔軟剤・芳香剤のにおいなどに不快を感じてる可能性もあります。
最近では香害(こうがい)という、化学物質による肝臓や腎臓への害も報告されています。
晴れた日はしっかり換気をしましょう😊
明日は晴れ☀️ pic.twitter.com/xisHPwW3Vh— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) May 7, 2021
犬は人の100万~1億倍、猫は20万~30万倍もにおいに敏感です。
そのため、ジメっとした空気や柔軟剤・芳香剤のにおいなどに不快を感じてる可能性もあります。
最近では香害(こうがい)という、化学物質による肝臓や腎臓への害も報告されています。
晴れた日はしっかり換気をしましょう。明日は晴れ
■本記事の内容
- 猫が香害を起こしやすい理由
- 香害の症状
- 香害を防ぐ3つの対策
香害について知って、愛猫の健康管理に気をつけたい飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね。
猫は香害が起きやすい
猫は化学物質に対して健康被害を起こしやすい動物です。
というのも、猫は肝臓のグルクロン酸抱合やグルタチオン抱合という化学物質を解毒するための機構が弱いといった特徴があるからです。
そのため、人では大丈夫な化学物質に対しても、過敏に反応してしまいます。
また、猫は人の20万~30万倍ほどにおいに敏感な動物です。
人が感じとれないわずかなにおい物質に対しても強く反応します。
猫と一緒に暮らす際には「アロマオイルが禁忌」なのは有名ですが、これは猫の嗅覚が優れているということと、解毒ができず体に成分が蓄積してしまうためです。
猫における香害の症状とは?
猫における香害の症状として、
- 元気や食欲の低下
- よだれ
- 嘔吐
- ぜんそく
- 呼吸困難
- 皮膚炎(目やにや涙なども)
…などが報告されています。
香料の中には、発がん性のあるものや肝臓や腎臓に重篤な障害を引き起こすものもあります。
実際に、においの強い柔軟剤を使用してから、元気食欲がなくなり、調べてみると肝臓や腎臓の数値がとても高くなっている…という報告もあります。
獣医さんの速やかな対応と治療のおかげで一命をとりとめたようですが、治療が遅れたら…と思うと、ゾッとしてしまいます。
3つの対策で香害を防ぐ!
香害を防ぐためには、以下の3つの対策を行うといいです。
①においのあるものを極力使用しない
当然ですがこれが一番重要です。
最近では、強い香りの柔軟剤や芳香剤が多くみられますが、猫を飼っている場合には控えるようにしましょう。
うちでは香料・着色料なしのヤシノミシリーズを愛用しております。▼
また、猫砂ににおいがついているタイプもありますが、不快に思っているネコちゃんもいると思われます。
猫砂やペットシーツは香りでごまかさず、定期的に掃除をしてあげることで対応しましょう。
②十分な換気
家のにおいを取り除くためには、換気はとても大切です。
密閉された室内で使用された柔軟剤や消臭スプレーは、空気中に高濃度で残留してしまいます。
また、完全室内飼いの猫では、どうしても外の刺激が不足してしまいます。
窓のある場所にキャットタワーやキャットウォークを設置するのもいいですが、ときどき窓も開けてあげましょう。
風のにおい、雨のにおい、植物のにおい…
様々なにおいいよって刺激を受けること間違いなしです。
ただし、脱走には注意してくださいね。
③周りの人に確認をする
においの感じ方には個体差がある+ずっと使っているとにおいに慣れて感じづらくなるため、香料の使用量が増える傾向にあります。
自分ではにおいがないように感じていても、実際は強いにおいのことも…
近年では、においが長く続くように、香料をマイクロカプセル化できる技術が開発されており、それによって香害がますます助長されています。
仲のよいお友達に確認してもらったり、おうちに遊びに来てもらうといいでしょう。
【まとめ】猫の香害の症状と対策を獣医師が解説!
ネコちゃんを含め動物は、頭痛や吐き気、何となく具合が悪い…と思っても、その不調を人に伝えることができません。
状態によっては手遅れになってしまうこともあります。
それならば、はじめから香害に対する対策をしておくのがベストです。
自分にとって快適な空間だとしても、ネコちゃんにとっては不快な可能性もあるということを認識し、あらためて生活空間を見直してみましょう!
【参考書籍】
- CLINIC NOTE,inter zoo,No164,2019,3,高残香性柔軟剤・消臭除菌スプレー・家庭用洗浄剤による伴侶動物の健康被害