「犬が何かしてるな…と思ったら、保冷剤を食べてしまいました…」
「アイスについてた保冷剤を食べました…」
「固まらないタイプの保冷剤を食べてしまいました…」
など、「犬が保冷剤を食べたけど大丈夫かな…?」ということはよくお尋ねされます。
夏場は特に多いので、先日以下のツイートをしました。
暑くなってくると犬猫の「保冷剤」の誤食事故が増えます。
そのため、最近の保冷剤は、水など食べても危険がないもので作られてます。
ただ、昔に製造された「固まらないタイプ」の保冷剤は、エチレングリコールという中毒成分の可能性もあり危険。
固まらないタイプや袋ごと誤食したらなら病院へ🚑— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) May 14, 2021
暑くなってくると犬猫の「保冷剤」の誤食事故が増えます。
そのため、最近の保冷剤は、水など食べても危険がないもので作られてます。
ただ、昔に製造された「固まらないタイプ」の保冷剤は、エチレングリコールという中毒成分の可能性もあり危険。
固まらないタイプや袋ごと誤食したらなら病院へ。
最近の保冷剤は、間違って食べてしまっても大丈夫なように作られていることが多いですが、果たしてすべての保冷剤が大丈夫なのでしょうか?
この記事では、
- 保冷剤は食べても大丈夫なのか?
- 食べてはいけない保冷剤もある?
- 犬が保冷剤を食べたときにはどうすればいいのか?
などを、当サイト管理人の獣医師トラまりもが分かりやすく解説いたします。
一刻も早くどうすればいいか知りたい方は、【まとめ】へジャンプ!
目次
犬が食べた保冷剤は固まるタイプ?固まらないタイプ?
まず、食べてしまった保冷剤が「固まるタイプ」か「固まらないタイプ」かを確認しましょう。
どんな成分が入っているか分からない場合は、保冷剤に書いてある製造元に確認をしましょう。
固まるタイプなら大丈夫
固まるタイプの場合、水や吸水性ポリマー、防腐剤が主成分として入っています。
成分のほとんどが水なので、中毒症状が起こる可能性は極めて少ないです。
ただ、大量に食べたり袋ごと食べた場合は、腸管に詰まる可能性もあるので動物病院での処置が必要です。
固まらないタイプは注意
固まらないタイプの場合、エチレングリコールという中毒物質を含んでいることがあり、食べてしまうと中毒症状が起きる可能性があります。
エチレングリコールの致死量は、希釈していない不凍液で、体重1kgあたり、
- 犬で4.4~6.6ml程度
- 猫で1.4ml程度
と言われています。
ただ、中毒には個体差があるので、これよりも少量だった場合にも注意が必要です。
現在日本で作られている保冷剤は、エチレングリコールは使用していないと言われています。
ただ、家にある保冷剤が最近作られたものであるという保証もないですし、海外製のものの可能性もあるので、引き続き注意は必要です。
最近ではプロピレングリコールという成分を不凍液として使用しており、毒性は低いと言われています。
犬がエチレングリコールの保冷剤を食べたらどんな症状が出るの?
食べてしまって30分後くらいから、
- 元気や食欲がなくなる
- 吐く
- ふらつく
- 多飲多尿
- 頻脈
- 呼吸が荒くなる
- 痙攣
- おしっこが出なくなる
など様々な症状がみられます。
食べた量が多い場合には命を落とすこともあります。
犬が保冷剤を食べたらどうすればよいの?
成分がエチレングリコールだった場合、もしくは成分が分からず固まらないタイプだった場合は、すぐに動物病院か製造元に連絡をしましょう。
もちろん固まるタイプだったとしても、食べすぎると下痢や嘔吐をすることもあるので注意が必要です。
また、高吸収ポリマーをは水を吸収するので、腸の中で膨らんでしまい、閉塞してしまうこともあります。
固まるタイプでも、大量に食べた場合は、様子を見ず動物病院に行くといいでしょう。
【まとめ】犬が保冷剤を食べた場合はこうする
固まるタイプなら中毒は起こらないと思われるので、少量ならば様子を見るといいです。
固まらないタイプなら、中身がエチレングリコールではないかを確認し、エチレングリコールだったらすぐに動物病院で吐かせてください。
また、袋を食べてしまった場合も、閉塞の可能性があるので動物病院に連絡しましょう。
誤飲はペットの届かないところにモノを置くことで防ぐことができます。
今一度、注意しましょう!