「ダイエットした方がいいですと言われました…」
「食事を減らしていますが、なかなか痩せてくれません…」
「うちの子、あまり動かないんです…」
ネコちゃんがポテッと太っているとかわいらしいですが、肥満は様々な病気を引き起こすリスクがあり、改善すべき状態です。
あるデータによると、猫の約30~40%が太りすぎ、もしくは肥満体型と報告されています。
ダイエットに関して、先日以下のツイートをしました。▼
春の健診でダイエットを薦められたワンちゃんネコさん😊
ドライフードなら70%程度に減らし、
他の食事を混ぜてるならドライフードのみにして70~80%量に。
回数は3,4回にして空腹感をやわらげる🍚
1週間に体重の2%程の減量まで。
猫は急なダイエットで命に関わる肝リピドーシスという病気になり危険— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) April 30, 2021
春の健診でダイエットを薦められたワンちゃんネコさん
ドライフードなら70%程度に減らし、
他の食事を混ぜてるならドライフードのみにして70~80%量に。
回数は3,4回にして空腹感をやわらげる
1週間に体重の2%程の減量まで。
猫は急なダイエットで命に関わる肝リピドーシスという病気になり危険
この記事では、
- 猫の肥満の原因
- 愛猫の肥満度チェック方法
- 効果的なダイエット5選+予防法
などを解説しています。
愛猫に健康的に長生きしてほしい!という飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
猫の肥満の原因は食べすぎ!
ネコちゃんが太っている場合には、必要カロリー以上を食べていることがほとんどです。
それに加えて、運動不足や活動的ではない性格、体質なども影響します。
太ってしまうことで、以下の様ないろいろなトラブルを生じてしまいます。
こういった病気になりやすいだけでなく、麻酔のリスクが上がったり、寿命すら短くなってしまう可能性もあります。
特に、避妊・去勢手術をきっかけにして太ってしまうことは多く、注意が必要です。
病気で太っている場合もある
ホルモン異常など病気があることで太っている場合もあります。
例えば、糖尿病の初期は、今までと食事量が変わらなくても太っている場合があります。
ただ、基本的には食べすぎていることが多く、
- 食事量が多い
- おやつのあげすぎ
- 人が食べるものをあげている
といったことが考えられます。
愛猫の肥満度チェック!
見るからにボテっとしていたり、おなかがタプタプしていると、ちょっと太っているな…と判断しやすいと思います。
ただ、毎日一緒に居ると、愛猫の姿に慣れてしまっており、気づかないことも多いですよね。
「うちの猫は何キロだと正常なのですか?」ということもよくうかがいますが、猫の体重は体格によって決まるので、一概に何キロですとは言えません。
一般的には、成長がおわった1歳前後のときの体重が適正体重と言われており、その体重を維持してあげることが大切です。
そんなときにはBCS(Body Condition Score:ボディコンディションスコア)という指標で適正体重なのかを判断をします。
具体的には、
- 肋骨の脂肪の付き具合
- 腰のくびれ具合
で5段階に分けて判断をしていきます。
BCSの4と5の場合が減量の対象となります。
肋骨を触って骨が触れられない場合や、上から猫を見たときにウエスト部分にくびれがない状態のときは、少し太っている可能性があります。
分からなければ動物病院で確認してもらうようにしましょう。
猫の肥満~効果的な5つのダイエット法
愛猫の肥満を解消するためには、以下の5つの対策を行うようにしましょう。
ただし、猫の急激なダイエットは肝臓に負担がかかってしまう(肝リピドーシスという肝臓に脂肪が蓄積する別の病気を発症してしまう)ためおすすめしません。
減量のペースは1週間に体重の1~2%程度にとどめるようにしましょう。
①食事量を減らす
基本的に食べすぎているために太っています。
そのため、食事量を減らして対応することが一番簡単で確実な方法です。
ただし、単純に減らしただけだと、タンパク質やビタミン・ミネラルなどの栄養素も不足してしまう可能性があります。
また、空腹でイラ立ったりおねだりしてくる子もいるので、
- 1回量を減らし、あげる回数を増やす(4~6回程度に分けて与える)
- フードをふやかして、カサ増しする
などしてあげるといいですね。
空腹感が強かったり、おねだりが止まらない場合には、以下の減量食にして対応しましょう。
②減量用の食事に変更する
減量食は食物繊維が多く含まれていることで、グラム当たりのカロリーが少なくなり、腹持ちがよくなる食事です。
そのため、普通のフードよりもたくさんの量を食べられることが特徴です。
ただ、あまりおいしくない…と言うことも多いのがデメリット。
食いつきが悪い場合には、別メーカーのダイエット食を試すなどするといいですね。
③ウェットフードにするor加える
ウェットフードはそのほとんどが水分です。
そのため、たくさん食べても太りづらい傾向にあります。
またドライフードに比べると嗜好性もよく、食感も好きな猫が多いです。
ウェットフードのデメリットは、開封後の保存がきかないことと高価なことです。
そのため、ウェットフードとドライフードを混ぜて与えるスタイルである「ミックスフィーディング」がおすすめです。
減量用のウェットフードもあるので、ドライフードとあわせてあげるといいですね。
④おもちゃやキャットタワー・キャットウォークなどで運動
太っている猫ほど運動を嫌う傾向にあります。
また、完全室内飼いの猫は、日常生活における上下運動がどうしても減ってしまいます。
そのため、キャットタワーやキャットウォークなどの自由に飛び回れる空間を作ってあげることが重要です。
また、もともと木や岩の上で生活していた猫にとって、高い位置から部屋全体を見下ろすことは、安心して過ごせることにもつながります。
あわせて、一緒に遊んであげることも大切です。
猫は狩りを模した遊びが大好きなので、猫じゃらしをメリハリつけて動かしたり、おもちゃを見え隠れしながら出したり…といったような刺激的な遊びをしましょう。
ドライフードをペットボトルや知育玩具などに入れて、狩猟本能を思い出させるのもいいですね。
ただし、運動だけでダイエットをすることはできないので、無理はさせないようにしましょう。
特に、骨関節症や何かしらの病気がある子の場合には、気をつけてあげましょう。
⑤サプリメントの使用
最近では猫においてもダイエット用サプリメントが販売されています。
5-ALA(5-アミノレブリン酸)は、細胞内のミトコンドリアを活性することで、
- 脂質代謝の管理
- 抗酸化作用
- 運動量の向上
といったことが期待できます。
食事や運動とあわせて、サプリメントで体重を管理することもいいですね。
猫が肥満にならないようにすることが重要
ネコちゃんの減量は思っているよりもカナリ難しいです。
太った子を痩せさせるよりも、太らないようにすることのほうが簡単で重要です。
日頃から愛猫の体重を測り知っておくとともに、増えたかもしれないと思ったら、その時点で対応してあげるようにしましょう。
避妊・去勢手術後などは特に太りやすいので、こまめなチェックが必要です。
【まとめ】猫の肥満の原因や5つの対策~ダイエットで体重管理
愛猫が太っている原因は、おおよそ「食べすぎ」です。
肥満は万病のもとなので、今日からダイエットする必要があります。
食事量を減らす、減量食にする、適度な運動をする…などして対応しましょう。
ただし、急激なダイエットは肝リピドーシスという別の病気を発症させるので、注意が必要です。
ダイエットは1週間に体重の1~2%程度の減量にとどめましょう。
【参考資料】
- Chandler ML.,Impact of Obesity on Cardiopulmonary Disease.,Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2016 Sep;46(5):817-30. doi: 10.1016/j.cvsm.2016.04.005. Epub 2016 Jun 2.
- 辻本元,犬の治療ガイド2020,interzoo,2020
- Meredith Wall,Nick John Cave,Emilie Vallee,Owner and Cat-Related Risk Factors for Feline Overweight or Obesity,Front Vet Sci. 2019 Aug19;6:266.doi:10.3389/fvets.2019.00266. eCollection 2019.