「愛犬がクッションの綿を食べちゃいました…」
「散歩中にくちゃくちゃしてると思ったら、小石を食べちゃいました…」
「プラスチック片が見当たりません。犬が食べたかも…」
など、犬が異物を食べてしまうことは非常によくあり、飼い主様もどうすればよいのか悩んでしまいますよね。
この記事では、
- どんな異物が犬にとって危険なのか?
- 異物を食べたときに、どうすればよいのか?
- 動物病院に行くタイミング
などをお伝えしています。
愛犬が異物を誤食してしまったときは、あわてず読んでみてください。
一刻も早くどうすればいいか知りたい方は、【まとめ】へジャンプ!
目次
犬が異物を食べた!何を食べてしまった?
ひとえに異物と言っても、
- 小石
- ビニール
- プラスチックの小片
- おもちゃの一部
- ペットシーツ
- ウェットティッシュ
- つまようじ
- ヘアピン
- カイロ
- くつした
- 焼き鳥のくし
- 果物の種
…などなどたくさんあります。
この記事では、ペットが食べてしまうことの多い日用品などを、『異物』として書います。
犬が異物を誤食したとき、どんな症状が出るの?
犬が異物を食べた場合に、何が問題なのかというと、
- のど
- 食道
- 腸
- 気道
につまってしまうことです。
では、異物を食べてしまった場合、どんな異物が危険で、どんな症状が出るのかを具体的に見ていきましょう。
のどや食道につまってしまう
慌てて食べたり、ある程度大きいものを食べた場合に、のどや食道につまったり、刺さったりしてしまうことがあります。
よくあるのが、
- 米、ご飯
- リンゴなどの角切り
- 果物の種
- 手羽先や手羽元、魚の骨
- おもちゃ
- 焼き鳥のくし
などが多いです。
これらがつまったり刺さったときによく出る症状として、
- 呼吸が苦しそう
- せき込む
- 吐きそうなのに吐けない
- 変な呼吸の音や声が出る
などがあります。
また、これらが気道に入ってしまい、呼吸困難となることもあります。
腸につまってしまう
「さきほど異物を食べてしまったけど、今は普通でケロッとしています!」
とおっしゃる飼い主様は多いです。
基本的に、胃に入って直後は、どんな異物であろうと症状は出ません(刺さっているのは別)。
時間の経過とともに食欲不振や嘔吐などの症状がみられることがあり、腸につまっている可能性もあります。
犬の腸につまって手術になることが多いのは、
- 果物の種
- 綿や糸、ヒモ
- おもちゃ
- ビニール
などがあります。
また、トウモロコシの芯の誤食による腸閉塞は本当によくあり、注意が必要です。▼
犬が異物を誤食したとき、動物病院に行くタイミング
基本的には、小さい異物や消化されるものでなければ、動物病院にすぐ行くべきです。
その理由は、異物が胃の中にあるうちならば、薬を使って吐き出させたり、内視鏡で取り出すことができるからです。
腸の方に流れてしまった場合は、最悪開腹手術になることもあります。
留守中に食べてたなど、異物を食べてから時間が経っている(4,5時間以上)場合、すでに腸に流れている可能性が高いです。
家で経過を見ていくようになる場合もありますが、あまりにも大量だったり中毒物質の場合はすみやかに動物病院にうかがってください。
【小さい異物や消化されるもの?】
小さい異物というのは、犬の体格によって全く異なるので難しいです…例えば「ワイシャツのボタン」の場合、チワワはNG、ゴールデンレトリバーなら便として出ると思われます。
消化されるものは、例えば鳥の骨や犬用ガム、流せるタイプのティッシュなどで少量なら様子を見てもいいかもしれません。
歯みがきシートを誤食してしまう事故も多いですが、溶けないので動物病院で吐かせた方がいいです。
動物病院での処置
※下方に手術の写真が出ます。画像は不鮮明に加工していますが、苦手な方はお戻りください。
異物を食べてしまったときの基本的な処置は吐かせることです。
うまく吐いてくれれば終わりですが、吐かない場合には内視鏡や開腹手術で取るようになります。
犬が異物を食べたら、動物病院ではどんな処置をするのかを書いた記事はこちらをご参照ください。▼
「おもちゃを食べてしまった!」という犬に対して内視鏡をすると、胃の中にひもなどと絡まって存在してました。
この症例は、無事に内視鏡で異物の除去ができました。
また、異物を食べてから時間が経っていて、何かしらの症状(食欲不振、嘔吐など)を示している場合は、画像検査のち開腹手術を行います。
写真はひもを食べてしまって、腸がねじねじに絞扼して(しめつけられて)、血流障害が生じてしまっています。
この症例では、腸の壊死してしまった(死んでしまった)部分を取り除く手術を行い、無事に終わりました。
動物病院での費用
これは、動物病院や処置の内容、動物の大きさにより大きく変わります。
吐かせる処置の場合、5,000~10,000円くらいの動物病院が多いかもしれません。
犬が異物を食べたときの自宅での対処法
異物を食べてしまった場合は、残念ながら自宅でできる処置はありません。
ネット上には自宅で吐かせる方法ものっていますが、のどがただれてしまったり、うまく吐けなくて状態が悪くなってしまうこともあります。
異物を食べてすぐなら動物病院に伺うべきですし、経過を見る場合は変調があったらすぐに動物病院に行くようにしましょう。
そして今後、異物の誤飲が起こらないように、より一層注意をしましょう。
【まとめ】犬が異物を食べたらこうする
異物を食べた場合は、吐かせる処置をするために、すぐに動物病院に行ってください。
あまりにも小さいものや消化できるものならば、自宅で便として出るか経過をみるのも方法の一つです。
また、留守中に異物を食べてしまっていた場合など、時間が経っているとき(4,5時間以上)で無症状の場合は、すでに腸に流れていることが多いので、経過を見ることもあります。
ただ、大きいものやあまりにも大量に食べたことが想像される場合には、すみやかな処置が必要なことがあります。
まずは動物病院に連絡を入れ、指示を仰ぎましょう。
異物を食べてしまったとき、経過を自宅で見る場合には、
- 元気、食欲の有無
- 吐いたり、下痢したりがないか
をよく観察し、異常があった場合は速やかに動物病院にうかがいましょう。
誤飲はペットの届かないところにモノを置くことで防ぐことができます。
いま一度、確認しましょう!