「散歩中に、突然犬が後ろ足をびっこするようになりました…」
「いつなったかは分からないけど、後ろ足をびっこしている」
「犬が後ろ足を浮かせています!大丈夫?」
など「犬が突然後ろ足をびっこする」ことはよくあります。
先日以下のツイートをしました。▼
犬や猫が足を痛がる(挙げている)場合には、
・足の裏や足全体に何か付いていない?
・足先は冷たくないか?感覚はある?
・ちょっとでも着くことができる?
などを確認しましょう。
完全に挙げてしまっていたり、冷たくだらーんとしている場合には、すぐに受診するようにしましょう😊🚑#動物病院— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) February 25, 2021
犬や猫が足を痛がる(挙げている)場合には、
・足の裏や足全体に何か付いていない?
・足先は冷たくないか?感覚はある?
・ちょっとでも着くことができる?
などを確認しましょう。完全に挙げてしまっていたり、冷たくだらーんとしている場合には、すぐに受診するようにしましょう。
■本記事の内容
- 犬が後ろ足をびっこする原因
- 動物病院に行くべきタイミングは?
- 自宅でできる対処法
愛犬が突然、後ろ足をかばう仕草をみせたときには、慌てずに読んでみてくださいね。
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目次
犬が突然後ろ足をびっこする5つの原因
びっこは医学的には「跛行」といい、足で体重を支えることができず、普通とは違う歩き方になってしまうことをいいます。
びっこは「痛み」で生じていることが多いです。
犬が突然後ろ足をびっこするタイミングで、
- 散歩中
- ソファーの上り下り
- 急旋回
- 遊んだ後
など思い当たることがあったら、それが関係しているかもしれません。
では、犬が突然後ろ足をびっこするとき、考えられる5つの原因を解説していきますね。
①脱臼
犬の後ろ足の脱臼と言えば、「膝蓋骨脱臼」と「股関節脱臼」が多いです。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、特にトイプードルやチワワなどの小型犬に非常に多く、飼い主様は一度は聞いたことがある病名だと思います。
膝のお皿である膝蓋骨が、通常の位置から外れてしまう病気で、症状として、
- びっこする、地面に付けない(浮かす)
- 足がピーンと伸びる、曲がらない
- 触ると嫌がる、噛んでくる
- 歩き方がゆっくり、ぎこちない
- スキップ、けんけんする
- ふらつく、よろける
- 震えている
なども生じることがあります。
もちろん長期的に外れていたり、何かしらの症状がある場合には、手術で治すこともあります。
膝蓋骨脱臼について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。▼
股関節脱臼
股関節が脱臼してしまい、後ろ足をびっこしているときもあります。
ただ、股関節脱臼は、
- 高いところから落ちる
- よっぽどの急旋回
- 高齢なで筋力が落ちている
- 以前も股関節脱臼したことある
などリスク要因があるので、通常の散歩や生活レベルで発生することは少ないです。
②靭帯や腱、筋を痛めた
何だか分からないけど突然後ろ足をびっこしだしたときは、おおよそこれが原因の時が多いです。
③足の裏の異変
足の裏にガムが付いていたり、何かが刺さったり、痒みや痛みがある場合に足をあげることがあります。
まずは目視でよく見て、異常がないかを確認しましょう。
④骨折
「突然後ろ足をびっこし出したけど、骨折ですか?」というご相談はよくあります。
骨折は、滅多なことでは起こりません。
- 高いところからの落下
- 交通事故
など、ある程度の強い衝撃が加わることで生じます。
⑤仮病
犬でも仮病を使うときはあるんですよ!
仮病を使っているという認識はないと思いますが、
「足を痛がっていたら飼い主さんが優しくしてくれた!」
「歩けないと飼い主さんがおやつくれた!」
などの記憶があると、痛みがないのに痛いフリをすることもあります。
後ろ足をびっこしているとき見るべき4つのポイント
犬が後ろ足を上げているときに、見てほしいポイントは4つあります。
①後ろ足は完全に上げていますか?
急いだり、走ったり、ふとした瞬間に足を地面に付くのなら、重篤なことが起きている可能性は低いです。
時間の経過とともに、だんだん足を着けるようになってくることは多いです。
時間が経っても完全に上げている場合は、骨折や股関節脱臼の可能性もあります。
②足の裏は感覚があって冷たくないですか?
「びっこ(痛いという感覚があることが多い)≠麻痺(力がなく、だらーんとしていて、感覚がない)」とは違います。
麻痺をしているときには、感覚がなかったり冷たくなっている場合もありますが、その場合は血栓やヘルニアなどが原因のこともあります。
③腫れたり、触ると痛がる場所はないですか?
足をびっこしていて、すぐにどこかが腫れているということはあまりないですが、確認してみましょう。
指先から股関節にかけてゆっくり触っていくと、犬がぎゅっと体に力を入れるときがあるので、そこが痛い可能性があります。
ただ、痛いときはどこを触っても「キャイン」と言ったり、噛んでくることが多いです。
そういった場合は、あまり触らず経過をみてあげるといいです。
④何かが刺さっていたり、怪我はないですか?
よくあるのが、足の指と指の間に小石が挟まっていたり、ガムが付いていたりなどがあります。
また、「しかん炎」という指と指の間に炎症が起きてしまう病気によって足を挙げていることも多いです。
見た目で分かる大きな怪我があるときは気づきやすいですが、異常がないかよく確認してあげましょう。
自宅でできるのは安静
犬が突然後ろ足を上げていたときには、まずはサークルやケージに入れて安静にしましょう。
サークルなどに入れるとかえって暴れてしまう子は、いつも通りにして様子をみてあげましょう。
また、触ると嫌がったり噛んでくる子は多いです。
安静にしたのち、
- 時々足を着けてるとき
- 急いだり、走ったりするときには足を着けてるとき
- 時間経過に伴って、ちょっとずつ足を着けるようになってきたとき
などの場合は、様子を見てもいいかもしれません。
安静にしていて治る場合は軽度の痛みや違和感だったと思われますが、再発防止のために長期的な対策が必要です。
滑らないマットを敷く
滑らないマットを敷くことは、極めて重要なことです。
特にトイプードルやチワワなど膝蓋骨脱臼をしやすい犬種の場合、足を痛める機会は非常に多いです。
フローリングで飼っている方は、日頃から床の滑り具合には注意してあげましょう。
ちなみに、うちでも使用してます。▼
補助器具やスロープを付ける
ソファーやベッドなどに上ったり下りたりして、足腰を痛める子は多いです。
間違って落ちてしまう事故もよくあるので、補助器具やスロープを常設して愛犬に使用してもらいましょう。
すぐに動物病院に行くときは、完全に後ろ足を上げているとき
犬が後ろ足をびっこしたり上げているとき、すぐに動物病院に行ったほうがいい場合は「完全に後ろ足をあげているとき」です。
完全に後ろ足を上げていて3本足で歩いている場合は、股関節脱臼や骨折などの可能性もあります。
この場合は、日中ならば動物病院に行くといいですし、夜間なら早めに寝かせ、翌日病院に行くといいでしょう。
脱臼や骨折をしているときやヘルニアのときでも、「今すぐ緊急手術です!」という場合は少ないです。
検査をしたり、手術の道具をそろえたり、内科療法(飲み薬や注射など)で治るのかをみるのも方法の一つだからです。
なので、整形外科疾患の場合、「すぐに行かないと治らない!死んじゃう!」っていうのは、ほとんどないです。
ただし、足の異常以外にも症状がある場合や、落下や事故により頭や体を打ってしまったときは、すぐに動物病院に伺いましょう。
【まとめ】犬が急に後ろ足をびっこする時の対処法
まずは、サークルやケージに入れて安静にしましょう。
びっこの頻度が減ってきたり、時々着く場合は、そのまま様子をみるといいでしょう。
しばらく様子を見ていても完全に足を上げている場合は、近いうちに動物病院に行きましょう。