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【犬が水をよく飲む】水を飲みすぎ(多飲多尿)5つの原因と対策についてお伝え!

水をむせないようにする対策・対処法

「最近、愛犬が水をよく飲むのだけど、大丈夫ですか?」

「水がいつも空っぽになっています!」

「犬の多飲多尿って病気だって聞くけど…」

多飲多尿(よく水を飲んで、よくおしっこをする)は、特に中高齢の犬ではよく見られる症状の一つです。

トラまりも
トラまりも
今まであまり飲まなかったのに、飲むようになってきた場合は、病気の可能性もあるよ!

犬が水をよく飲むことについて、先日以下のツイートをしました。▼

多飲多尿の原因
1 食事の内容;ドライや尿石症の食事etcを食べてる
2 環境;暑い、乾燥、ストレス
3 腎臓の病気
4 糖尿病などホルモンの病気
5 子宮蓄膿症(犬)や電解質の異常etcがある

犬で体重1kgあたり90cc、猫で50cc程飲んでいると飲みすぎな可能性。
2~3日連続で飲水量を測るといいです

この記事では、

  • 犬が水を飲みすぎる(多飲多尿)になる5つの原因
  • どれくらい水を飲むと飲みすぎなのか?
  • 飲水量を測る必要性

について解説しています。

愛犬が水をよく飲む場合には、慌てず読んでみてください。

1日、体重1kgあたり90ml以上飲むと飲みすぎ!

どれくらい水を飲むと飲みすぎなの?

犬の場合、一般的には、体重1kgあたり90ml以上飲んでいると、病的に飲みすぎと言われています。

体重3kgの犬だと、1日270ml以上飲んでいると、飲みすぎという計算になりますね。

トラまりも
トラまりも
これって実際、すごい量なんだよ。

実際に測ってみると、「意外と飲んでなかった…」ということはよくあります。

ただし、個体差があるので、これ以下だったとしても、「最近、よく水を飲むようになったな…」と思う場合は注意が必要です。

犬が水をよく飲む(飲みすぎる)~多飲多尿の5つの原因は?

犬が多飲多尿になる5つの原因は?

犬が多飲多尿になる原因としては、

  1. 食事の内容
  2. 環境
  3. 腎臓の病気がある
  4. 内分泌(ホルモン)の病気がある
  5. その他の病気がある

の5つが主に考えられます。

1つずつみていきましょう。

①食事の内容

食事の内容によって、水を飲む量は大きく変わります。

  • ドライフード
  • 尿石を溶かす食事
  • 高ナトリウムの(塩分の多い)食事
  • 低タンパク食

を与えている場合、水をよく飲む傾向にあります。

トラまりも
トラまりも
カリカリは水分量10%以下、ウェットフードは水分量が70~80%程度です!そのため、ドライフードをあげると、水をよく飲むようになります。

尿石症の療法食は、水分量を多く摂ることで、尿として結石(結晶)を出す食事です。

そのため、若干ですが塩分濃度が高い傾向にあります。

②環境

環境によっても水を飲む量は変わります。

  • 気温が高い(夏場)
  • 乾燥している
  • 何かしらのストレスがかかっている

と水をよく飲む傾向にあります。

トラまりも
トラまりも
夏場と冬場では、水を飲む量はだいぶ変わるよ!冬は少なくなる傾向にあるよ。

住環境に何かしらのストレスを感じていて、そのはけ口として水を飲んでいることもあります。

  • 来客があった
  • 工事の音や揺れ
  • 雷や地震
  • 動物病院やペットホテルに行く
  • 家具の配置を変えたり、引っ越しをした
  • 家族が増えた、減った

など思い当たることがあれば、それがストレスとなっている可能性もあります。

③腎臓の病気(腎不全)がある

腎臓は、老廃物をおしっことして外に出す器官です。

尿を濃くすることで、過剰に水分が体外に出ないように調整をしています。

腎臓の機能が落ちると、尿が薄くしか作れないので、結果としてたくさん出てしまいます。

  • 慢性腎臓病の多尿期
  • 腎盂腎炎
  • 腎性尿糖

などの病気の可能性があります。

おしっこがたくさん出るので、結果としてよく水を飲むようになります。

④内分泌疾患(ホルモンの病気)

ホルモンの異常で、飲水量が増えることもあります。

などが考えられます。

これらは、多飲多尿以外にも、それぞれ特徴的な臨床症状があり、ホルモンの値を測ることで診断ができます。

⑤その他の病気

その他の原因で最も多いのは、子宮蓄膿症です。

子宮に膿が貯まる病気で、避妊していない中高齢の犬の約4頭に1頭がなると言われています。

トラまりも
トラまりも
中高齢のメス犬が水をたくさん飲むってなると、真っ先に子宮蓄膿症を疑うよ。

子宮蓄膿症では、エンドトキシンという細菌が出す毒素によって飲水量が増えます。

 

その他にも、

  • 肝疾患
  • 高カルシウム血症
  • 低カリウム血症
  • 心因性多尿症
  • 多血症
  • 閉塞後利尿
  • レプトスピラ感染症

などによっても水をたくさん飲むようになります。

トラまりも
トラまりも
発熱をしていても、飲水量は増える傾向にあります。

薬(ステロイド、利尿剤など)を飲んでいるときは、水を飲む量が増える

薬(ステロイド、利尿剤など)を飲んでいるときは、水を飲む量が増える

何かしらの病気で治療中の場合、投薬をしている場合などは、飲水量が増えることがあります。

よく処方され、水を飲むようになる薬としては、ステロイドと利尿剤があります。

これらは主治医の先生から説明があることと思いますが、服用することで飲水量が増える場合があり、それで正常です。

一般的には薬の服用に際して水をよく飲むようになった場合には、清潔な水を常に用意して、望む分だけ飲ませてあげて問題ありません。

ただし、利尿剤の使用時には、飲水制限(あまり水を飲まないで)がある場合もあります。

トラまりも
トラまりも
心臓病で利尿剤は処方されることが多いよ。からだを少し脱水させて、心臓の負荷をとってあげているんだ。

投薬に際して水を飲む量が増えた場合には、念のため、主治医の先生にご確認ください。

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犬が水をよく飲む(飲みすぎの)場合はどうすればいいの?

犬が水をよく飲む場合はどうすればいいの?

まずは飲水量を測ってみましょう。

「意外とそんなに飲んでなかった!」という場合もあります。

500ccのペットボトルにくんだ水が、1日でどれくらいなくなるのかを、3日間ほど連続で測ってみるといいです。

元気や食欲がない、吐いたり下痢をするなど他の症状もある場合には、測るよりも前に受診をしましょう。

また、原因は何であれ、清潔な水を常に飲めるようにしておいてあげることも重要です。

【まとめ】犬が水をよく飲む!水を飲みすぎ(多飲多尿)5つの原因と対策についてお伝え!

犬が水をよく飲む原因には、食事や環境など生理的なことだけでなく、病気がある可能性もあります。

『1日当たりどれくらい水を飲んでいるのか』を測ってみて、主治医の先生にお伝えするといいです!

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【参考資料】

  • 猫の慢性腎臓病へのアプローチ,CAP No.378,2020,12月号