「犬のトリミングに行ったら、毛が生えなくなってしまった!」
「サマーカットをしたら、まばらに毛が生えるようになってきた…」
「手術後におなかの毛が生えない…」
という経験をされた飼い主様は多くいらしゃいます。
この記事では、犬の毛が生えなくなったときに、
- なぜ毛が生えなくなってしまったの?
- 病気なの?
- きちんと毛が生えてくるの?
などを分かりやすく解説いたします。3分で読める記事となっています!
目次
犬の毛が生えない『毛刈り後脱毛症』
犬の毛刈り後脱毛症は、トリミングや手術などで毛をカットした際に、犬の毛が生えなくなる原因不明の脱毛症です。
バリカンでカットすることで、カットした部位の毛周期が停止し、毛が生えて来なくなってしまうのです。
ポメラニアンが好発品種
毛刈り後脱毛症は様々な犬種で見られますが、
- ポメラニアン(←圧倒的に多い)
- キースホンド
- サモエド
などの被毛が豊富な犬種に発生します。
犬の毛刈り後脱毛症の診断は『皮膚生検』
犬の毛刈り後脱毛症を診断するには、皮膚生検と言って皮膚の一部を切り取って病理検査に出す方法で行います。
でも実際は、見た目(脱毛部がバリカンなどの剃毛部に一致する)で判断することが多く、わざわざ麻酔をかけてまで皮膚生検をすることはありません。
犬の毛が生えないときの治療は『待つ』
原因が不明であるため、これといった治療法がないのが現状です。
ただ、犬の毛刈り後脱毛症の皮膚は全くの正常であるという報告もあります。
そのため、半年から2年くらいかけて自然に毛が生えそろうことがほとんどです。
発毛を促す薬を使うこともある
美容上の問題とは言え、毛が生えていないと皮膚のバリア機能が落ちてしまうことがあるので、
- レボチロキシンナトリウム水和物(甲状腺の薬)
- メラトニン
- ビタミンE
などを用いて発毛を促すこともあります。
犬の毛が生えない場合は病気のときもある
ホルモンの異常などで犬の毛が生えないときもあります。
具体的な病名として、
- クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
- 甲状腺機能低下症
- 性ホルモンに関連した脱毛(高プロジェステロン症など)
などのときは、病気が原因で毛が生えないこともあります。
また、
- 先天性疾患(淡色被毛脱毛症など)
- 原因不明脱毛(脱毛X、パターン脱毛、再発性膁部脱毛症など)
の場合も毛が生えないことがあります。
毛を剃った部位に一致して脱毛が見られ、これら他の皮膚疾患を除外できらたら「毛刈り後脱毛症」と診断できます。
【まとめ】犬の毛が生えない『毛刈り後脱毛症』
毛刈り後脱毛は、美容上の問題なので命にかかわることはありません。
ただ、美容目的でトリミングに行っているのに、毛が生えなくなってしまっては悲しいですよね。
毛刈り後脱毛症は、バリカンでカットするとなることが多いので、一度なってしまった場合は、次回からのトリミング時に「ハサミでカットしてください!」と頼むといいでしょう。