「愛猫の片目から涙が出ています…」
「しょぼついていて、目やにも出ています…」
「ずっと涙が止まりません…」
など、猫の目から涙が出るときはよくあります。
この記事では、猫の目から涙が出るときについて、
- 原因は?
- 対処法・治療法とは?
- 動物病院に行くタイミング
などを解説しています。
愛猫の目から涙が出ているときは、あせらず読んでみてください。
目次
猫の目から涙が出る理由~片目から?両目から?
愛猫の目から涙が出ている…そんなタイミングはよくあります。
猫の目から涙が出る理由は、
- 涙が多い
- 涙の排出がうまくできない
- 目の表面に涙を保持できない
といったことが考えられます。
そもそも涙は涙腺で作られ、眼の表面を潤したのち涙点から鼻涙管を通って鼻に抜け、喉に流れていきます。
このどこかに異常があると、涙があふれてしまいます。
①涙が多い
涙が多くなる理由としては、
- ゴミやまつ毛(逆さまつ毛)が目の中に入っている
- ぶつけた、傷がついたなど外傷
- 眼瞼が内反している
- なにかしらのアレルギーがある
- 感染や炎症がある
- 風が当たったり、なにか環境的な要因がある
などが考えられます。
人でも、目にゴミが入ったり、コンタクトがあわなかったりすると、涙がボロボロ出てしまいますよね。
痛みがあったり、傷がついていると涙が多くなってしまいます。
猫では特に、以下のような感染症や何かしらの炎症によって涙が出てしまうことがよくあります。
- 細菌感染
- ヘルペスウイルス-1(FHV-1)
- カリシウイルス(FCV)
- クラミジア
- マイコプラズマ
- 寄生虫
また、花粉症や食物アレルギーなどがある場合にも、目がしょぼしょぼとなり、涙が出てしまいます。
人ではあまりないですが、動物では歯が悪くて涙が出てしまうこともよくあります。
これは、上顎の歯根の炎症が骨や頬部まで及んでいることを示しており、早急な歯科処置が必要となります。
この場合は、片側からの涙であることが多いです。
②涙の排出がうまくできない
涙は鼻から喉に抜け、排出されます。
このどこかが詰まってしまうことにより、涙があふれてしまいます。
涙の排出がうまくできない理由として、
- 涙点という涙を引き込む部分が詰まっている
- 涙が鼻に抜けるための管が詰まっている
ということが考えられます。
エキゾチックショートヘアやペルシャなどの鼻ぺちゃ猫種では、この経路が細いことが多く、涙があふれ出てしまう場合があります。
③目の表面に涙を保持できない
目の表面に涙を保持できない理由として、
- マイボーム腺の機能不全
- 毛が目の表面に接触していて、毛を伝って涙が眼の外に流れてしまっている
などがあります。
マイボーム腺は涙のうち油分を出す分泌腺で、ここに異常があると涙が目の表面にとどまることができなくなります。
涙が出る以外に他の症状がみられることも
涙が出ている以外にも、
- しょぼつく
- 目が開かない
- 目やにが出る
- 前足でいじっている
などの症状が出ることもあります。
また、くしゃみや咳をしていたりなど、風邪のような症状がみられる場合もあります。
動物病院に行くタイミングとは?
愛猫が涙を流しているときには、速やかに動物病院に行くようにしましょう。
目の疾患を放置すると視力を失ってしまうこともあるので、なるべく早めにうかがうようにしたほうがいいですね。
動物病院では、傷がついていないか?炎症や感染が起きていないか?などをチェックし、必要に応じて目薬(点眼液や眼軟膏)を出すようになります。
また、引っかいてしまわないように、エリザベスカラーを付けることもあります。
ただ、どうしても今日は受診できない…という場合には、生理食塩水やヒアレインの点眼をこまめにして、あればエリザベスカラーをして翌日の受診を待つことも方法の一つです。
また、早めに寝かせる(目をつむらせる)ことも、目の保護に役立ちますのであわせて行うといいでしょう。
猫って目のごみに無頓着じゃない?
目の中にゴミや毛が入っていても、特に気にしない様子の猫は多いですよね。
また、角膜に傷がついていても、あまり気にしない場合もよくみかけます。
これは不思議ですが、理由は分かってはいません。
ゴミを無理に取ろうとする飼い主様もいらっしゃいますが、本人が気にしていない場合には経過をみるのも方法の一つです。
ティッシュや綿棒で取るくらいなら、生理食塩水やヒアレインなどの目薬で洗い流してあげるといいですね。
【まとめ】猫の目から涙が!流涙症について原因や治療法を獣医師が解説!
猫の目から涙が出ているときは、炎症や感染が起きていたり、傷がついている可能性があります。
痛みや違和感からこすってしまい、さらに悪くなってしまうこともあります。
愛猫の目の異常を見つけた場合には、速やかに動物病院に伺うようにしましょう!
【参考資料】
- 辻本元,小山秀一,大草潔,中村篤史,猫の治療ガイド2020,EDUWARD Press,p512-p515