「散歩に行きたがらなくなったな…」
「寝る時間が増えたな…」
「目が白くなってきたなぁ」
などと、愛犬の老化を感じる瞬間はありますよね。
先日以下のツイートをしました。▼
犬猫の平均寿命は、ここ30年で倍ほどになったようです。自分が子供のころは、犬は10歳まで生きれば長生き!って感じだったなぁと思い出します。
・ごはんの改良
・飼い主様の知識や意識の変化
・医療の進歩
のためだと思われます。良質な食事を与える、よく観察する、健康診断を受けることが大切😊 pic.twitter.com/intivU4xdW
— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) February 10, 2021
犬猫の平均寿命は、ここ30年で倍ほどになったようです。自分が子供のころは、犬は10歳まで生きれば長生き!って感じだったなぁと思い出します。
・ごはんの改良
・飼い主様の知識や意識の変化
・医療の進歩
のためだと思われます。良質な食事を与える、よく観察する、健康診断を受けることが大切
■本記事の内容
- 何歳からがシニア犬?
- 老犬になったときに出る症状とは?
- シニア食にするのはいつから?どんなものをあげるといい?
- シニア期を健康に過ごす方法
愛犬が高齢になってきて、これからの生活が不安だな…という飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
犬も高齢化が進んでいる~長生きになった!
最近では、ペットの高齢化もすすんでいます。
ペット保険会社アニコム損保の統計(2019)によると、犬の平均寿命は14歳と言われています。
ただ、犬は体格によって平均寿命が大きく異なり、
- チワワやトイプードルなど小型犬:16~18歳
- ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなど大型犬:11~13歳
- セントバーナードやバーニーズマウンテンドックなど超大型犬:8歳程度
となっています。
ここ10年で犬の平均寿命は0.7歳延びました。
これは人間に換算すると、3~4歳程度に値します。
人間における平均寿命の延びは2歳程度とのことで、犬の平均寿命がすごく延びたことが分かりますね。
何歳からがシニア犬?
シニアの言葉の定義はあいまいですが、人では60歳以上の人をさす傾向があります。
それを考えると、小型犬では10歳程度、大型犬では8歳程度からシニア期に入ることになります。
シニア期では、以下でお伝えする「老化にともなう様々な変化や体調不良」が出てくることが多いです。
震えや夜鳴き、徘徊など様々な症状が出る
シニア期に入ると、年齢を重ねるごとに様々な症状が出てきます。
- 足腰のふらつき
- 夜鳴き
- ウロウロ歩き回る(徘徊)
- 震える
- 息が荒い
- 咳をする
- 水をよく飲む
- 下痢や嘔吐
- 無気力
- けいれん
これらの症状にともない、元気がなくなったり、食欲不振になることも多いです。
いろいろ症状はありますが、「夜鳴き」は飼い主様にとっても大変なことが多いです。
夜鳴きについて詳しく書いた記事もあるので、ご参照ください。▼
また、上記の症状は、何かをうったえている可能性もあるので、注意をしましょう。
「高齢だから仕方ない」と思われ、夜鳴きや食欲不振など日々の症状をあきらめる飼い主様は多いですが、「病気で」という可能性もあります。
種類にもよりますが平均寿命は
・犬で約15歳
・室内飼い猫で約16歳
です。
それより若くて老化と決めるのは少し早いです。
治療で改善する事も大いにあります— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) May 20, 2021
シニア犬の食事管理~いつからあげるといいのか?
市場には、「シニア用」「○○歳からの食事」「腎臓に配慮した食事」…といった様々なドックフードがあり、何をあげればいいのか悩んでしまいますよね。
個人的には、年齢別でのドックフードの切り替えはせず、「健康で特に持病がなく、元気食欲がある場合には、今あげているフードの増減でいい」と思います。
シニア用フードに変えることで、食欲や体重が落ちたり、毛づやが悪くなったり…といったこともあり、あせって切り替える必要はないのでは…と感じます。
よく、シニア犬用のフードには「腎臓に配慮してタンパク質含量を減らすべき!」といったものもあります。
ただ、肝臓や腎臓に疾患がなければ、むしろタンパク質は多めにに摂取することが、近年の人の老齢期管理では重要視されています。▼
高齢者のフレイル予防の観点から、総エネルギー量に占めるべきたんぱく質由来エネルギー量の割合(%エネルギー)について、65歳以上の目標量の下限を13%エネルギーから15%エネルギーに引き上げ。
引用:厚生労働省 日本人の食事摂取基準
必ずしも動物に置き換えられるのかは分かりませんが、タンパク質は筋力を維持や体の構成成分としてとても重要な栄養成分です。
見た目や健康診断で異常がなければ、急いでフードを変える必要はないのかもしれませんね。
少なくとも小型犬は平均寿命が16~18歳というのを考慮すると、7歳でのフードの切り替えは少し早いかもしれません。
何かしらの病気で治療中の子は、動物病院の先生とご相談の上、専用の療法食をあげるようにしてくださいね。
老犬はごはんを食べないときが多い~食べさせ方とは?
シニアになってくると、食が細くなることで、あまり食べてくれないですよね…
そんなときには、
- 温める、ふやかす
- 手から与える
- ウエットフードなら焼いてみる
- 外であげてみる
- いつもと違う人があげてみる
- 遊びながら食べさせる
- エサを変える
- トッピングをする
- ささみや胸肉などを湯がいてあげる
- 床に直接置いてみる
- 器の種類を変えてみる
- 鼻に少しくっつけて(塗って)みる
- おもいっきり遊んだ後に与える
などをしてみるといいです。
おやつは食べるけどごはんは食べない!っていうときは、少量ならあげてもいいと思います。
また、関節や背骨が痛くて、うまく食事姿勢がとれずに食欲が落ちている老犬は多いです。
食器台を変更するだけで食欲が出ることもあるので、ぜひ試してみてください。▼
何日まで食べなくても大丈夫?
「何日まで食べなくても大丈夫ですか?」というのも、シニア期にはよくうかがいます。
これに関しては答えはないですが、うまく食べられていなくても水分をとることは重要です。
人間は、水と睡眠さえしっかりとっていれば、たとえ食べものがなかったとしても2~3週間は生きていられると言われています。しかし、水を一滴も取らなければ、せいぜい4~5日で命を落としてしまうことになります。
引用:SUNTORY
そのため、うまく食べられない場合は、水分たっぷりのウエットフードを口の中に入れてあげたり、皮下補液をしたりして、経過をみてあげることもあります。
水を飲ませる方法はこちらも参考にしてください。▼
シニア期を健康的に過ごすために
シニア期を健康的に過ごすためには、
- 定期的に健康診断を受ける
- 散歩や日光浴でメリハリをつける
- 飼い主さん自身も健康でいる
ことが重要です。
健康診断を受けよう!
犬は人の4倍程度の速さで年をとります。
それゆえ、人に置き換えた場合、1年に1回の健康診断では4年に1度ということになってしまいます。
そのため、シニア期の健康診断は最低でも半年に1回程度(可能なら毎月顔を見せに行くように!)は行うといいでしょう。
健康診断の内容は動物病院によって異なると思いますが、シニア期の場合には、
- 問診、視診
- 血液検査
- レントゲン検査
- エコー検査
- 血圧測定
- 尿検査
- 糞便検査
などフルコースでの検査がおすすめです。
CT検査やMRI検査は必要に応じて行うようになります。
散歩や日光浴でメリハリを!
お散歩は、家の中では得られないにおいや風、人や車の動きなどの刺激を得られます。
歩行が可能な場合には、ゆっくりとでもいいので散歩に出向くようにしましょう。
歩行が上手にできない場合には、歩行用のハーネスを利用することで、足腰への負担が軽減することもあります。
日光浴には、
- ビタミンDの活性化
- セロトニンの分泌
- 皮膚を健康に保つ
- 飼い主との信頼関係を保つ
といった作用があります。
人間も日光に当たらないと、うつ病になりやすいっていうのがありますよね。
日光に当たらないとビタミンDの活性化が起きず、それによってうつ病のリスクが上がるという調査結果があります。▼
ただ、ヘロヘロになるまで散歩や日光浴をする必要はなく、通常のお散歩で十分な日光浴はできます。
お散歩が嫌いな子やうまく歩けない子は、室内での日光浴でもOKです。
飼い主さん自身も健康で!
シニア期になると、いろいろお世話が大変になってきます。
そのため、飼い主さん自身が健康でいることも重要です。
また、人のストレスは、ペットにも伝染することが分かっています。
実験では、毛髪中のコルチゾール(ストレスに関連して上昇するホルモン)が飼い主と犬で連動していました。▼
老犬ホームに入れることも考える~頼ることも必要!
介護疲れという言葉はよくききますが、これは動物の介護にも当てはまります。
夜鳴きや排泄の失敗、寝返りをさせたり…と、愛犬の介護もとっても大変です。
そして「老々介護」という言葉はペットとの関係にも当てはまり、その数も増えてきている傾向にあります。
(※老々介護:高齢者が高齢者を介護している状態のこと。年をとった飼い主さんが、年をとった愛犬を世話するのも同じ状態です。)
そんな場合には、動物病院や老犬ホームに頼るのも方法の一つです。
金額がかかってしまうこともあるので、ペット保険に入っている方は適応条件を確認、入ってない方はある程度の貯蓄をするようにしましょう。
治療するorしないに関わらず、シニア期の選択肢を広げておくことは大切ですね。
【まとめ】楽しいシニア期を送る!食事管理や健康的に過ごす方法
犬の高齢化は進んでいます。
それにともない、「健康的に長生きする」ことも非常に大切となってきます。
食事管理や運動、健康診断などを行い、健康寿命を延ばすようにしましょう!