「猫の肛門腺って絞るの…?」
「肛門から臭いのが出た!」
「猫の肛門腺が破裂した!?」
など、猫の肛門腺についてのご相談はよくあります。
この記事では、
- 猫の肛門腺の絞り方
- 肛門腺を絞らないとどうなる?
- 肛門腺を絞る頻度は?
など、「猫の肛門腺のケア」についてすべてのお悩みを解決いたします!
目次
猫の肛門腺は何のためにある?
肛門腺はいわゆる「におい袋」です。
肛門の下、時計の4時と8時の位置の二か所にあります。
スカンクが敵に襲われたときに、「すごくくさいおならをする!」というのは有名かもしれませんが、その正体は肛門腺からの分泌液です。
犬猫の場合は、うんちに混ざって出たり、興奮や緊張したりするときにピュッと出たりします。
その分泌液はマーキングの意味があり、ネコちゃんがおしりをクンクンしあうのは、この肛門腺のにおいを確認しあっているのですね。
肛門腺は人にもあるの?
肛門腺は人にもあります。
ストレスやアルコールなどで下痢が続くと肛門腺が化膿してしまい、ひどい場合は瘻管という管を形成し、膿が排泄されます。
痔瘻(じろう)というもので、男性に多い痔の一つです。
肛門腺の臭いにおいは正常なの?
鉄臭いにおいは正常です。
肛門腺に炎症や感染が生じると、においの質が変わったり、量が増えたり、性状が変わったりすることがあります。
猫がおしりをすごく気にしているのだけど…大丈夫?
おしりを気にする原因として、
- 肛門まわりが痒い
- うんちに虫がいる
- 肛門腺が貯まっている
- 肛門腺に炎症が起きている
などがあります。
猫の肛門腺の絞り方
猫の肛門腺の絞りを、自宅で行うのはカナリ難しいです。
肛門腺は肛門の下、4時と8時の方向(写真の赤丸)にあるので、指を肛門下に(ある程度強めに)当てて、肛門に向けて押し上げるかんじでやると出ます。
猫の肛門腺は絞らないと破裂する!?
ある日突然おしりをすごく気にし出して、よく見ると濡れていてすごく臭い…という場合は肛門腺が破裂してしまった可能性があります。
肛門腺からの分泌物は、
- うんちの性状(硬さ)
- おしりの筋肉量
などに関連して絞り出されます。
そのため、小型犬や猫、年をとった子など筋力が弱かったり便が緩かったりする場合には、うまく出せず「貯まりに貯まって破裂」してしまう事があります。
破裂は突然にやってくるので(前兆として「そういえば最近よくおしりを気にしていたかも」という場合もあります)、定期的に肛門腺絞りをしておくといいでしょう。
猫の肛門腺は絞ったほうがいいの?頻度は?
過去に肛門腺が破裂した子は1~2か月に1回くらい、動物病院で絞った方がいいです。
ただ、猫の場合は肛門腺を絞るという習慣がないことがほとんどなので、臨床症状(おしりを気にする、おしり周りが汚れていないかなど)をよく見てあげて、異変があったらすぐに病院に伺うようにするといいでしょう。
肛門腺が破裂してしまった場合はどうすればいいの?
破裂してしまった場合は、すみやかに動物病院に伺いましょう。
洗浄と保護、抗生物質の投与でよくなることがほとんどです。
その後は定期的に肛門腺を絞り、再発を予防しましょう。
何度も再発してしまう子は、肛門腺を手術で摘出するということもできるので、動物病院で相談してみましょう。
猫の肛門腺絞りはするべきか
日頃から、
- 肛門を気にするしぐさがいつもより多くないか
- 肛門周りが濡れていないか
- おしりから変なにおいがしないか
などをよく見てあげましょう。
肛門腺は貯まりすぎると、炎症や感染が起きたり、場合によっては破裂してしまうこともあります。
早期発見、早期治療を!