「帰ってきたら、乾燥剤がバラバラになってました…」
「猫がシリカゲルを食べてしまったようです…」
「お菓子についてた乾燥剤を袋ごと食べました」
など、猫が乾燥剤を誤食してしまうことはよくあります。
この記事では、猫が乾燥剤を食べてしまったとき、
- 動物病院に行くべきか
- どんな症状が出るのか
- 食べてしまったどうすればよいのか
などを、獣医療に携わって20年の当サイト管理人の獣医師トラまりもが分かりやすく解決いたします!
一刻も早くどうすればいいか知りたい方は、【まとめ】へジャンプ!
猫が誤食した乾燥剤の種類により対応が異なる
乾燥剤の袋の残骸が残っていて、中身だけを食べてしまった場合、袋に成分名が書いてあるはずです。
乾燥剤の成分はおおよそ、
- シリカゲル(二酸化ケイ素)
- 生石灰(酸化カルシウム)
- 塩化カルシウム
です。
どれが入っているかによって、食べてしまったときの対処法が全く異なります!
シリカゲルの場合
ずばり、シリカゲルは無害です!
透明なビーズの粒みたいなやつが、シリカゲルです。
袋は透明だったり、紙だったりします。
クッキーやお菓子に良く入っています。
青い粒も少し入っていて、吸湿するとピンク色に変化し、吸湿剤としての効果が落ちていることを知らせてくれます。
シリカゲルは、高分子化合物(でっかい物質)のため、胃や腸からは吸収されません。
そのため基本的には無害です。
致死量は、体重1kgあたり15g程度とも言われていますが、少量(よくあるちっちゃい袋)を食べたくらいなら、ほとんど無害です。
ただし、たまに口の中がただれたり、嘔吐や下痢をするときもあります。
また、袋ごと食べてしまった場合は、腸閉塞の可能性があるので注意が必要です。
生石灰(酸化カルシウム)の場合
生石灰だと危険です!
白い不透明の紙の袋に入っている、ごつごつした粉です。
使われている数自体は減りましたが、吸湿力が強い+安価なので、しけってはいけない商品(例;おせんべいやのり)にはよく入っています。
間違って食べてしまうと、水と反応して強く発熱し(200度以上になることもある)、強アルカリ性の水酸化カルシウムになります。
なので間違って食べてしまうと、
- 口腔、喉、食道、胃が焼ける
- 胃潰瘍
- 嚥下障害
- 皮膚炎(赤くなったり、水泡ができたり)
- 角膜潰瘍
など、皮膚や粘膜に強い刺激となります。
自宅での対処法は、
- 牛乳や卵白、水を飲ませてください
- 皮膚や眼に入った場合は、ただちに水で洗浄してください(10分以上)
そのあとで、慌てず動物病院に連絡しましょう。
なめた程度だったら、牛乳や卵白、水を飲ませて様子をみるといいかもしれません。
異物を食べた場合は、基本的には動物病院で吐かせる処置をするのですが、生石灰の場合は吐かせる処置は禁忌です。
吐かせることで喉が焼けてしまうことがあるので、治療は粘膜保護や点滴を中心に行います。
塩化カルシウムの場合
湿気を吸着すると液化するので、押し入れ吸湿剤のような容器に入っているものや、食品の場合は紙と合わせたシート状のもので入っています。
吸水力がバツグンなのでよく使われます。
生石灰ほどの発熱作用はありませんが、同様の症状を引き起こすので注意が必要です。
なめた程度なら、牛乳や卵白、水を飲ませ様子を見ましょう。
猫が誤食した乾燥剤の成分が分からないときは?
猫がぐちゃぐちゃに噛んでしまったり、成分が書いていないときもあります。
そんなときは、
- 同商品が家にある場合はそれを確認
- 商品の製造元に確認
するといいでしょう。
ぐちゃぐちゃでよく分からない時や、なくなっているけど食べたか不明の時は、とりあえず動物病院に確認してみましょう。
【脱酸素剤(商品名;エージレス)】
おまんじゅうや生菓子によく使われていて、酸素と結合して食物を腐らさないようにする目的で入っています。
脱酸素剤の成分は鉄剤なので、間違って食べてしまっても無害です。
猫が乾燥剤を誤食したらこうする
シリカゲル(透明のつぶつぶ)の場合
- 少量だったら様子を見る
- 大量に食べた、袋ごと食べた場合は病院で吐かせる
それ以外の乾燥剤の場合は、牛乳や水を飲ませてから、動物病院に連絡してみましょう。
誤飲はペットの届かないところにモノを置くことで防ぐことができます。
今一度注意しましょう!
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