「犬が何度もトイレに行っているけど、おしっこが出ないんです…」
「おしっこの姿勢をしているけど、全然出ません。」
「最近、頻尿気味なんです…」
「陰部をしきりに舐めています」
など犬のおしっこが出ないときには、どうすればいいのか焦ってしまいますよね。
この記事では、犬が何度もトイレに行くときに、
- なぜ何度も行くのか
- 緊急性はないのか
- 自宅でできることはないのか
などを、東京で動物病院を運営している獣医師トラまりもが分かりやすく解説いたします。
目次
犬が何度もトイレに行く理由は「おしっこが出ないから」
犬が何度もトイレに行く理由は、ずばり「おしっこが出ない」からです。
うんちが出なくて何度もトイレに行くこともあります。
でも、その時はだいたい「下痢」をしています。
人も下痢でおなかが痛いとき、出ないのにトイレに何度も行っちゃいますよね。
下痢ではないのにトイレに何度も行っているときは、おしっこが出ないからです。
犬のおしっこが出ない理由は3つあるので解説していきます。
おしっこが出ない理由①尿道が詰まっている【緊急性あり】
ほとんどがオス犬で生じます。
尿道が詰まっているため、膀胱がパンパンになってしまい、おしっこが出せない状況です。
この場合は、緊急性があります。
トイレに何度も行くことに加え、
- 元気がない
- 食欲がない
- 変な声で鳴く
- イライラしている
- 吐く
- 陰部を舐めている
- ぐったりしている
などがみられることがあります。
この場合、自宅でできることはないです。
どこでもいいから緊急病院に行ってください!
動物病院で尿道の詰まりを治してもらえば、ひとまず一件落着です。
「深夜で動物病院がやってない!」という場合は、最後にたっぷりの排尿が確認されたのが数時間前だとしたら、翌朝朝一で診察に行けば間に合う場合もあります。
ただ、おしっこが出ない時間が長いと、尿毒症と言って毒素が体中に回ってしまい、最悪の場合命を落としてしまう事もあります。
めったにないですが、
女の子で尿道が詰まっていて出ないということもありました。
この子は、膀胱の腫瘍が原因でした。
ただ、症状は「数日前から、尿が出づらいです…」でした。
尿道閉塞が冬に多い理由
冬の寒い時期は、運動量が少なくなったり代謝が下がったりで、水を飲む量が少なくなります。
そのためおしっこの量は少なく、濃くなります。
濃いおしっこだと、結石が作られやすくなるので、尿道閉塞など泌尿器の病気が多くなります。
おしっこが出ない理由②膀胱が空っぽ【緊急性がない場合が多い】
当然膀胱が空っぽの時は、トイレに行ってもおしっこは出ません。
ではなぜ、空っぽなのにトイレに行くのでしょうか?
それは「膀胱炎」だからです。
膀胱炎の場合、残尿感があり、膀胱が空っぽなのに何度もトイレに行きたくなります。
これは頻尿という症状で、
「メス犬が何度もトイレに行っている場合」はこちらが多いです。
加えて、血尿が見られることもあります。
膀胱炎は、緊急性がないことが多いです。
そのため、
- 元気食欲があって
- 吐いたりしていない
場合は、しばらく様子を見て治りが悪かったら動物病院に伺うようにしましょう。
膀胱炎の原因は、細菌感染や結石などです。
抗生物質を飲んだり、ご飯を変えたりするとよくなることが多いので、主治医の先生に相談してみてくださいね。
おしっこが出ない理由③前立腺の病気【緊急性がない場合が多い】
オス犬には前立腺という生殖器があります。
中高齢になると、前立腺がホルモンの分泌異常で肥大化することはよくあります。
前立腺が大きくなると、腸や尿道を圧迫することで、便や尿が出にくくなってしまいます。
前立腺が肥大していて尿が出ない場合は、急にというより、
「ここ最近尿をするのに時間がかかるな…」
という稟告が多いです。
【まとめ】犬のおしっこが出ないときは緊急性がある場合も!
犬のおしっこが出ない場合は、
- 尿道が詰まっている
- 膀胱が空っぽ(膀胱炎)
- 前立腺の病気
の可能性があり、緊急性がある場合もあります。
元気や食欲、吐き気などを中心によく観察し、異常があれば動物病院にうかがってください。
急になってしまう病気なのでとても不安ですが、食事を変えることで予防をできる場合もあります。
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