「最近、愛犬が水をよく飲むのだけど、大丈夫ですか?」
「水がいつも空っぽになっています!」
「犬の多飲多尿って病気だって聞くけど…」
多飲多尿(よく水を飲んで、よくおしっこをする)は、特に中高齢の犬ではよく見られる症状の一つです。
犬が水をよく飲むことについて、先日以下のツイートをしました。▼
✅多飲多尿の原因
1 食事の内容;ドライや尿石症の食事etcを食べてる
2 環境;暑い、乾燥、ストレス
3 腎臓の病気
4 糖尿病などホルモンの病気
5 子宮蓄膿症(犬)や電解質の異常etcがある犬で体重1kgあたり90cc、猫で50cc程飲んでいると飲みすぎな可能性。
2~3日連続で飲水量を測るといいです😊— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) July 27, 2021
多飲多尿の原因
1 食事の内容;ドライや尿石症の食事etcを食べてる
2 環境;暑い、乾燥、ストレス
3 腎臓の病気
4 糖尿病などホルモンの病気
5 子宮蓄膿症(犬)や電解質の異常etcがある犬で体重1kgあたり90cc、猫で50cc程飲んでいると飲みすぎな可能性。
2~3日連続で飲水量を測るといいです
この記事では、
- 犬が水を飲みすぎる(多飲多尿)になる5つの原因
- どれくらい水を飲むと飲みすぎなのか?
- 飲水量を測る必要性
について解説しています。
愛犬が水をよく飲む場合には、慌てず読んでみてください。
目次
1日、体重1kgあたり90ml以上飲むと飲みすぎ!
犬の場合、一般的には、体重1kgあたり90ml以上飲んでいると、病的に飲みすぎと言われています。
体重3kgの犬だと、1日270ml以上飲んでいると、飲みすぎという計算になりますね。
実際に測ってみると、「意外と飲んでなかった…」ということはよくあります。
ただし、個体差があるので、これ以下だったとしても、「最近、よく水を飲むようになったな…」と思う場合は注意が必要です。
犬が水をよく飲む(飲みすぎる)~多飲多尿の5つの原因は?
犬が多飲多尿になる原因としては、
- 食事の内容
- 環境
- 腎臓の病気がある
- 内分泌(ホルモン)の病気がある
- その他の病気がある
の5つが主に考えられます。
1つずつみていきましょう。
①食事の内容
食事の内容によって、水を飲む量は大きく変わります。
- ドライフード
- 尿石を溶かす食事
- 高ナトリウムの(塩分の多い)食事
- 低タンパク食
を与えている場合、水をよく飲む傾向にあります。
尿石症の療法食は、水分量を多く摂ることで、尿として結石(結晶)を出す食事です。
そのため、若干ですが塩分濃度が高い傾向にあります。
②環境
環境によっても水を飲む量は変わります。
- 気温が高い(夏場)
- 乾燥している
- 何かしらのストレスがかかっている
と水をよく飲む傾向にあります。
住環境に何かしらのストレスを感じていて、そのはけ口として水を飲んでいることもあります。
- 来客があった
- 工事の音や揺れ
- 雷や地震
- 動物病院やペットホテルに行く
- 家具の配置を変えたり、引っ越しをした
- 家族が増えた、減った
など思い当たることがあれば、それがストレスとなっている可能性もあります。
③腎臓の病気(腎不全)がある
腎臓は、老廃物をおしっことして外に出す器官です。
尿を濃くすることで、過剰に水分が体外に出ないように調整をしています。
腎臓の機能が落ちると、尿が薄くしか作れないので、結果としてたくさん出てしまいます。
- 慢性腎臓病の多尿期
- 腎盂腎炎
- 腎性尿糖
などの病気の可能性があります。
おしっこがたくさん出るので、結果としてよく水を飲むようになります。
④内分泌疾患(ホルモンの病気)
ホルモンの異常で、飲水量が増えることもあります。
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 甲状腺機能亢進症(犬ではあまりない)
- 糖尿病
- 尿崩症(バソプレシン;水を保持するホルモンが出なくなる病気)
- 末端肥大症(成長ホルモンが多く出る病気)
などが考えられます。
これらは、多飲多尿以外にも、それぞれ特徴的な臨床症状があり、ホルモンの値を測ることで診断ができます。
⑤その他の病気
その他の原因で最も多いのは、子宮蓄膿症です。
子宮に膿が貯まる病気で、避妊していない中高齢の犬の約4頭に1頭がなると言われています。
子宮蓄膿症では、エンドトキシンという細菌が出す毒素によって飲水量が増えます。
その他にも、
- 肝疾患
- 高カルシウム血症
- 低カリウム血症
- 心因性多尿症
- 多血症
- 閉塞後利尿
- レプトスピラ感染症
などによっても水をたくさん飲むようになります。
薬(ステロイド、利尿剤など)を飲んでいるときは、水を飲む量が増える
何かしらの病気で治療中の場合、投薬をしている場合などは、飲水量が増えることがあります。
よく処方され、水を飲むようになる薬としては、ステロイドと利尿剤があります。
これらは主治医の先生から説明があることと思いますが、服用することで飲水量が増える場合があり、それで正常です。
一般的には薬の服用に際して水をよく飲むようになった場合には、清潔な水を常に用意して、望む分だけ飲ませてあげて問題ありません。
ただし、利尿剤の使用時には、飲水制限(あまり水を飲まないで)がある場合もあります。
投薬に際して水を飲む量が増えた場合には、念のため、主治医の先生にご確認ください。
犬が水をよく飲む(飲みすぎの)場合はどうすればいいの?
まずは飲水量を測ってみましょう。
「意外とそんなに飲んでなかった!」という場合もあります。
元気や食欲がない、吐いたり下痢をするなど他の症状もある場合には、測るよりも前に受診をしましょう。
また、原因は何であれ、清潔な水を常に飲めるようにしておいてあげることも重要です。
【まとめ】犬が水をよく飲む!水を飲みすぎ(多飲多尿)5つの原因と対策についてお伝え!
犬が水をよく飲む原因には、食事や環境など生理的なことだけでなく、病気がある可能性もあります。
『1日当たりどれくらい水を飲んでいるのか』を測ってみて、主治医の先生にお伝えするといいです!
【参考資料】
- 猫の慢性腎臓病へのアプローチ,CAP No.378,2020,12月号