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【犬のくしゃみの7つの原因】風邪?寒さやわざとする時も!【自宅でできる対処法】

【犬のくしゃみの7つの原因】風邪?寒さやわざとする時も!【自宅でできる対処法】

「最近愛犬のくしゃみの回数が増えたな…」

「くしゃみとともに鼻水も出るんです…」

「腫瘍とか怖い病気だったら嫌だな…」

など犬がくしゃみをすると、どんな病気なんだろう?いつまで様子を見ていいかな?など不安になってしまいますよね。

トラまりも
トラまりも
犬がくしゃみをすることはよくあるよ!

先日以下のツイートをしました。▼

 

【犬がくしゃみをするとき】

  • 子犬なら風邪
  • 食事後や季節性ならアレルギー
  • 散歩後なら異物
  • 高齢なら腫瘍や歯周病

などの可能性があります。

もちろん別の理由や生理的な場合もあります。くしゃみではなく咳だったと言うことも

最近くしゃみが増えたな…と感じる場合は動画を撮って動物病院へ。

 

■本記事の内容

  • 犬がくしゃみをする7つの原因
  • 治療法や自宅でできること【これが大事!】
  • 動物病院に行くべきタイミングとは?
トラまりも
トラまりも
この記事を書いている私(トラまりも)は、東京で動物病院を運営しております!獣医療には20年ほど携わっています。

愛犬がくしゃみをたくさんしていて、不安だな…という飼い主様は是非読んでみてください。

▼ペットの病気やしつけ、日常ケアなど最新情報を発信しています。▼

読んでみて興味があったら、トラまりも(@toramarimo_blog)をフォローしてくれると嬉しいです!

犬がくしゃみをする7つの原因と対処法

犬がくしゃみをする7つの原因と対処法

犬がくしゃみをする原因は、大きく分けて7つあります。

トラまりも
トラまりも
犬がくしゃみをしている場合の多くが生理的なものや、いわゆる風邪やアレルギーのことが多いよ!人間と同じ。
犬のくしゃみの7つの原因
  1. 生理的なもの(食事やにおいをかいだり、飲水に関連して起こる)
  2. 風邪をひいてる(感染症;細菌・ウイルス・真菌・寄生虫など)
  3. 異物が入った
  4. アレルギー性鼻炎(花粉症など)
  5. 歯が悪い
  6. 外傷(どこかにぶつかったなど)
  7. 腫瘍がある

それぞれ説明していきますね。

子犬がくしゃみをする場合は、こちらの記事も参考にしてください。▼

子犬のくしゃみ3つの原因【動物病院に行くべき時と自宅での対処法】
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①生理的なもの

犬がくしゃみをするときは、おおよその原因は生理的(正常の反応)なものです。

よくあるのが、

  • 水を飲んだ後
  • ごはんを食べた後
  • においをかいだ後

などがあります。

トラまりも
トラまりも
子犬や鼻ぺちゃなパグやフレンチブルドックなどは、よくくしゃみするよね。口と鼻が近いから、飲んたり食べたりするときに鼻にも入っちゃうことが原因なんだ。

対策として、

水を飲んだ後にくしゃみをする場合▼

水を飲んだあとにくしゃみをするときが多いな~と感じるときは、水のあげ方を変えてみましょう。

  • 吸うタイプ→置き型タイプに変える
  • 置き型タイプ→吸うタイプに変える
  • 水飲み台の高さを調整
  • 器の深さを変える
  • 少量ずつ与える

 

ごはん中やごはんを食べた後にくしゃみをする場合▼

ごはん中や食べ終わったあとにくしゃみをするな~と感じるときは、

  • ごはん台の高さを変える
  • 少量ずつ与える
  • ごはんの硬さ(ふやかし方)を変えてみる
  • ごはんの種類を変えてみる

などを行ってみて変化があるかを見てみましょう。

また犬は嗅覚が優れているために、

  • タバコのにおい
  • 塗装のにおい
  • 排気ガスのにおい
  • 香水やハーブなど

などの刺激的なにおいに関連してくしゃみをすることがあります。

家の中のものが原因かな…?と思う場合は、空気清浄機や換気などで対応してみましょう。

トラまりも
トラまりも
また、寝起きのくしゃみや逆くしゃみも生理的なくしゃみだよ!

逆くしゃみとは、ブウブウすごい音で息を吸い込むくしゃみ(息を吸い込むくしゃみなので、まさに逆!)で、数秒から数分でおさまることが多いです。

ずっと続く場合でなければ様子をみてあげるといいです。

②風邪をひいている

細菌やウイルス、真菌や寄生虫などの感染でくしゃみをすることがあります。

犬の風邪の原因として、

  • 犬パラインフルエンザウイルス
  • 犬アデノウイルス2型
  • ボルデテラ
  • 犬呼吸器コロナウイルス(新型コロナウイルス感染症とは関係ない)
  • 犬ヘルペスウイルス1型
  • 犬ニューモウイルス
  • 犬インフルエンザウイルス
  • マイコプラズマ
  • アスペルギルス
  • クリプトコックス
  • カンジタ

などのたくさんの微生物が複合的に感染して症状を示します。

子犬や老犬は特に風邪をひきやすく、また季節の変わり目や環境が変わった時(飼い主様の生活リズムが変わった、引っ越したなど)にもかかりやすいです。

鼻水が出ていたり、何となく元気がないな…と感じる場合は、風邪の可能性もあります。

トラまりも
トラまりも
ワクチンで予防できるものも多いよ!

様子を見ても変わらなければ、動物病院で薬を処方してもらいましょう。

③異物が入った

鼻に何かが入ってしまってくしゃみをすることもあります。

  • 吐いてしまった後や食事の最中~後(食べ物の一部)
  • 散歩の後(砂や植物の種など)
  • 狭い場所に頭を突っ込んだ後

などに急にくしゃみが始まった場合、鼻に異物が入ってしまった可能性もあります。

突然として、

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 顔を振る

などが生じることが多いです。

トラまりも
トラまりも
前足でしきりに顔をこすったりすることもあるよ!

くしゃみをしてうまく排出できる時もありますが、続く場合は動物病院で診てもらいましょう。

④アレルギー性鼻炎

アレルギー反応でくしゃみをすることも多いです。

トラまりも
トラまりも
花粉症やハウスダストアレルギーなどは犬にもあるよ! 人と同じように辛そうだよ…

くしゃみだけでなく、鼻水や涙、皮膚の痒みなどを伴うことも多いです。

アレルギー反応でくしゃみをする場合には、両側からのサラサラの鼻水を伴っていることが多いです。

アレルギーが疑われる場合は、原因物質を特定するためにアレルギー検査除去食試験(アレルギーが入っていない食事を与える)をすることもあります。

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などアレルギーを抑える薬で治療します。

⑤歯が悪い

中高齢の子でくしゃみをする!(特にミニチュアダックスフンド)ってなると、まずは「歯が悪いのでは?」と疑います。

主に上の歯の犬歯(尖った歯)が悪くなっていて、その炎症が鼻にも及んでくしゃみや鼻血、場合によっては顔が腫れると言った症状が生じます。

トラまりも
トラまりも
眼の下に穴が開いて膿が出てくる事もあるよ…

抗生剤の投与で一時的によくなることもありますが、進行した場合は麻酔をかけて歯をきれいにしたり、抜歯することで治療します。

トラまりも
トラまりも
こうならないためには、歯みがきなど日頃の予防が大事だよ!

犬の歯みがきのやり方は、こちらの記事を参考にしてください。▼

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⑥外傷

交通事故や噛まれた後、どこかに思いっきりぶつけた後などにくしゃみが出だすことがあります。

この場合、鼻血もともなっていることが多く、出血が続く場合には動物病院にすぐに伺ってください。

⑦腫瘍

中高齢以降の慢性的な(数週間~数か月に及ぶ)くしゃみは腫瘍の可能性もあります。

中大型犬の長頭種(マズルが長い犬種)に多い傾向があります。

腫瘍の場合には、

  • 鼻血や鼻汁を伴う
  • 鼻周囲が腫れてくる、顔の形が変わる
  • 涙や眼脂が出る
  • 瞬膜(犬猫特有の眼の膜)が出てくる

と言った症状や、食欲不振・呼吸困難などが生じる場合もあります。

抗生剤や消炎剤などの内服薬に反応しない場合や、見た目と経過から腫瘍が疑われる場合には、

  • 生検(病理組織学的検査;組織を切り取って検査)
  • レントゲンやCT検査(骨への腫瘍の広がりを確認)
  • 鼻腔の内視鏡検査
  • MRI検査(腫瘍の内部を確認)

などを行い診断していきます。

残念ながら、鼻に発生する腫瘍のほとんど(96%程度)が悪性腫瘍です。

腫瘍の大きさやできた部位によって治療法は異なります。

基本的には放射線で治療を行い、外科手術や化学療法を併用する場合もあります。

トラまりも
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放射線治療単独で、パッとよくなった子もいるよ!

寒いとくしゃみが出る!風邪ではない!

寒いとくしゃみが出る!風邪ではない!

我々人間も、寒いとくしゃみや鼻水が出てしまう事はありますよね。

冷たい空気は鼻粘膜の三叉神経という知覚神経を刺激し、その信号が延髄のくしゃみ中枢に伝わりくしゃみが生じます。

よく「寒いと風邪をひく」とは言いますが、基本的には風邪の原因菌やウイルスを持っている個体に接しなければかかりません。

トラまりも
トラまりも
もちろん寒いと体力が奪われて風邪をひきやすくなるかもしれないけど、寒いから風邪をひくってわけではないよ!

くしゃみを連発すると鼻血が出る事もある

人でもそうですが、くしゃみを何度もしたり、何度も鼻をかんだときなんかは、鼻血が出てしまう事もありますよね。

犬も一緒で、何度もくしゃみをしていると、血が混じってしまう事もあります。

少量なら様子を見るといいですが、びっくりするような大量の血の場合には動物病院に連絡しましょう。

トラまりも
トラまりも
少量ってどれくらいかっていう指標はないけど、点状に血が混じっていたり、ティッシュで拭くとちょっと付くくらいかな。

鼻水や咳が出る場合や止まらない場合は動物病院へ

鼻水や咳が出る場合や止まらない場合は動物病院へ

犬がくしゃみをしているとき動物病院に行くべきタイミングは、

  • くしゃみ以外にも鼻水・咳などが出る
  • 2.3日様子をみてもよくならない、慢性的(数か月続く)
  • 連発していて止まらない
  • 呼吸が早い
  • 顔が腫れたり、左右不対象になってきた
  • 元気食欲が落ちてきた

などの場合があります。

また、動物病院に行く際に、

  • 撮れるようなら動画を撮って行く
  • 出るタイミング(常々しているのか、食後・散歩後など決まったタイミングがあるのか)をメモする
  • いつから始まったのか(食事を変えてから、散歩に行ってからなど)

などがあると診断の手掛かりになることが多いです。

トラまりも
トラまりも
動画はかなり重要!くしゃみではなく咳だった!逆くしゃみ(正常反応)だった!なんてことはよくあるよ!

また、「くしゃみを連発して止まらないんです…」とおっしゃるのに、動物病院にくるとパタッと止まるってこともよくあります。

なので動画を是非とってきてください!(撮れなくてももちろん大丈夫!)

様子を見てもいいかな?というときは、

  • 数回のくしゃみで止まる
  • 元気食欲があるとき

などです。

診断のための検査

くしゃみが出るときの検査
  • 細胞診(綿棒で鼻水を取って観察)
  • 組織生検(特殊な道具で鼻の組織を取る)
  • 遺伝子検査(どんな細菌やウイルスがいるのか?)
  • 血液検査(感染や炎症の度合いを見る)
  • レントゲン検査(骨や歯の状態を把握)
  • CTやMRI検査

老犬・子犬は特に注意

老犬や子犬の場合は、数日で一気に悪くなってしまう事があります。

トラまりも
トラまりも
もとの体力があまりないからね…

「くしゃみだけでなく、ちょっと食欲が落ちてきたかも…」と感じる場合には、なるべく早めに動物病院に伺うようにしましょう。

犬がくしゃみをするとき自宅でできること

犬がくしゃみをするとき自宅でできること

ずばり安静と睡眠です!!!

なんだそんなことか…と思ったあなた!

休養に勝る治療はありません。

トラまりも
トラまりも
「1に睡眠、2にスト〇」っていうもんね!

食欲がある場合にはよく食べさせてあげ、早めに休まさせてあげましょう。

なかなか寝てくれないってときは、飼い主様も一緒に早く寝るようにしましょう。

犬がくしゃみをわざとする!?

犬はわざとくしゃみをするときもあります。

  • 嬉しいとき(散歩前や食事前など)
  • 興奮したとき(飼い主の帰宅時など)
  • ストレスを感じているとき(何か怖い・不安なことがあるときなど)

などにくしゃみをわざとします。

この場合のくしゃみは、気持ちをコントロールするためと言われています。

トラまりも
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一時的なもの、毎回同じタイミングでくしゃみをするときは、わざとの可能性もあるよ!

【まとめ】犬のくしゃみの7つの原因~自宅でできる対処法

犬のくしゃみの7つの原因は、

  1. 生理的なもの(食事やにおいをかいだり、飲水に関連して起こる)
  2. 風邪をひいてる(感染症;細菌・ウイルス・真菌・寄生虫など)
  3. 異物が入った
  4. アレルギー性鼻炎(花粉症など)
  5. 歯が悪い
  6. 外傷(どこかにぶつかったなど)
  7. 腫瘍がある

です。

年齢や症状に合わせて診断をしていきます。

続く場合や咳・鼻血など他の症状もともなう場合には、動物病院に行くようにしましょう。

また、安静にして治る場合もありますが、子犬や老犬の場合は特に注意して見てあげましょう。

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