「おすすめの犬の結石のフードって何かあるかな?」
「今あげてる結石のフード、食いつきがよくないから変えたいな…」
「ずっと食べていくなら、より体によくて安全なものがいいな…」
など、犬の尿路結石のフードはたくさん種類があるので、どれがいいのか悩んでしまいますよね。
この記事では、
- 獣医師がおすすめする安全な犬の結石のフード5種類
- そもそも犬はなぜ尿路結石になるのか
- 尿路結石のおすすめおやつ
- 療法食を食べないときの食べさせ方
などを解説いたします。
▼ペットの病気やしつけ、日常ケアなど最新情報を発信しています。▼
読んでみて興味があったら、トラまりも(@toramarimo_blog)をフォローしてくれると嬉しいです!
目次
そもそもなぜ犬は尿路結石になるのか
そもそもなぜ犬が尿路結石になるのかをきちんと理解していないと、
「なぜフードを変えるのか?」
「手作り食ではだめなのか?」
「おやつはあげていいのか?」
などの疑問が生じてしまします。
なのでまず、きっちり犬の尿路結石について解説いたします。
そんなもんはいいから早くおすすめフードを教えて!って方はコチラをクリックしてください。
そもそも犬の尿路結石は、
- 体質
- あまり水を飲まない
- 尿を我慢する
- 感染症
- 食事
- 肥満
- 他の病気に続発
などいろいろな原因が複雑に絡み合って生じます。
なので、犬の尿路結石を治していくのには、
- 食事を変えたり
- 水をたくさん飲ませたり
- トイレに何度も連れて行ってあげたり
- 抗生剤などの薬を飲ませたり
- 痩せさせたり
などいろいろなことをしなくてはいけません。
そのなかでも手っ取り早く行えて、効果が絶大なのが「フードを変える」なのです。
フードを尿路結石用のものに変えると、
- 塩分含量がやや多いので水を飲むようになる
- 尿のpHを変えることで結石を溶かす(シュウ酸カルシウムは溶けない)
- ミネラルが制限されているので、新たに結石ができづらくなる
- 低カロリーで痩せられるものもある
ということがあり、尿石症の治療ができます。
犬の結石には、「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」があります。
2つの割合はほぼ同じくらいで、若齢ではストルバイト尿石症、高齢ではシュウ酸カルシウム尿石症が多くなる傾向にあります。
ストルバイトは食事で治せる(溶かせる)結石で、シュウ酸カルシウムは食事では治せない(溶かせない)結石です。
なのでシュウ酸カルシウムの場合は、予防が非常に大切です。←予防もやっぱりフードで行います。
尿路結石を治療するためには「フード」が簡単で重要なので、今回はそのなかでもより安全でより食いつきがいいおすすめなフードを紹介いたします!
尿路結石が原因で、おしっこが急に出なくなる緊急事態となることもあります。
犬のおしっこが急に出なくなる病気「尿道閉塞」についての記事はコチラ▼
犬の結石のおすすめフード5選
犬の尿石症フードについては、ペットフード各社から様々なフードが出ています。
なので、
「どのメーカーがいいんだろう?」
「いろいろあって全然分からない」
ってのはよくあります。
おすすめフード①ロイヤルカナン ユリナリーS/O ドライ
ドックフードといったらロイヤルカナンというくらい有名ですよね。
このユリナリーS/Oは、以前はpHコントロールという商品名でした。
犬用ユリナリーS/Oは、下部尿路疾患(ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の犬に与えることを目的として作られた療法食です。
犬用ユリナリーS/Oは、ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)の構成成分であるマグネシウム含量を抑えています。(10mg/100kcal)
- 尿を弱酸性にすることで、ストルバイトができづらくなる
- 尿量を増やす(塩分含量がやや多い)
- マグネシウム含量を制限
このユリナリーS/Oには、他にもたくさんのシリーズがあって、
- ユリナリーS/O ライト(体重を減らしたい子)
- ユリナリーS/O 小型犬用S
- ユリナリーS/O+満腹感サポート
- ユリナリーS/O+低分子プロテイン
- ユリナリーS/O エイジング7+(塩分含量を抑えている)
があります。
また、ウエットフードは水分含量が多いので、尿石症の子には非常におすすめです。
ユリナリーS/Oパウチ▼
ユリナリーS/O缶▼
おすすめフード②ヒルズプリスクリプションダイエット 犬用
ヒルズもまたペットフード業界では超有名ですよね!
ロイヤルカナンの場合は、ストルバイト尿石症とシュウ酸カルシウム尿石用でフードを分けていないですが、ヒルズの場合は2つを分けた専用のフードがあります。
ストルバイト尿石症の場合①s/d
マグネシウムとリンを制限し、尿を酸性(想定pH 5.9-6.1)にすることで、ストルバイトを短期間で溶かすフードです。
s/dは、struvite(ストルバイト)diet(食事)の頭文字です。
s/dはストルバイト結石を溶かすのに、最短6日間(平均13日間)ということが証明されています。
ただし、短期間で溶かすために大量に尿を出させることが目的の療法食なので、c/dやu/dの約5倍の塩分を含んでいるので注意が必要です。
でも、手術しないでも結石が溶けるというのはすごい嬉しい事なので、s/dはここぞという時にはめちゃくちゃ役立つご飯です。
犬用は缶詰タイプのみとなっています。(カリカリはないです)
※2021年3月現在、s/dは大幅に欠品中です。
ストルバイト尿石症の場合②c/d
マグネシウムとリン、カルシウムの含量を調整し、ストルバイト尿石症とシュウ酸カルシウム尿石症に配慮しています。
s/dほどではないですが、ストルバイトを溶かす能力もあります。
また、シュウ酸カルシウムができにくくなるように、クエン酸カリウムが配合されています。
缶詰やシチュー缶は嗜好性もよく、尿量も増えるのでおすすめです。
c/dマルチケア缶詰▼
c/dマルチケア チキン&野菜入りシチュー缶もあります。
シュウ酸カルシウム尿症の場合 u/d
シュウ酸カルシウムに対する完全な療法食はありません。
なので、よりシュウ酸の含量が少ないフードが少ないフードがいいですので、
- u/d
- 腎臓病用療法食
を与えるといいです。
u/dのカリカリはコチラ▼
u/d缶詰はコチラ▼
おすすめフード③ベッツワンベテリナリー 犬用 pHケアライト
ペットヘルスケア事業を行っているペットゴー株式会社から出ている療法食です。
- マグネシウム含量を制限(ストルバイト尿石に配慮)
- カルシウムを制限(シュウ酸カルシウムに配慮)
- タンパク含量を制限
- 低カロリー
- EPA、DHA、ω6脂肪酸配合
ベッツワンベテリナリーの特徴は、メーカーや卸売業を介さず工場直取引のため価格が抑えられているということがあります。
おすすめフード④日清 JPスタイルダイエティクス ストルバイトブロック
日清ペットフード株式会社が製造する国産の療法食です。
弱酸性尿となるように、尿のpHを6.0~6.5を目標にミネラルバランスを調整しています。
また、マグネシウム含量を抑えるだけでなく、嗜好性を維持したまま低脂肪にして、体重管理にも配慮しています。
日清のダイエティクスシリーズは、インターネットでの販売はありません(動物病院のみで販売しています)。
国産がいいな!と思われる方は、主治医の先生に相談してみてくださいね。
参考:日清ペットフード株式会社
おすすめフード⑤ビルバック 犬用 ストルバイト&シュウ酸塩結石
製薬会社が出しているフードです。
- 低リン、低マグネシウムでストルバイト結石に配慮
- ミネラル成分の調整により尿pHを管理(pH6.0~6.5)
- EPAとDHAを配合し、尿路の健康に配慮
- シュウ酸カルシウムにも配慮
- 低RSS(ストルバイト:<1、シュウ酸:<10)
RSS(相対的過飽和度)
尿石のリスクを評価するための指標で、RSSの値が高いほど結晶形成リスクは高く、低いほど結晶形成のリスクは低下します。
RSSは、ストルバイトは2.5、シュウ酸カルシウムは12なので、この値を下回ればそれ以上結晶形成がされないことになります。
またRSSが1未満であればストルバイト結晶は溶解し、シュウ酸カルシウム結晶はそれ以上形成も成長もしません。
こちらのフードは、ホームページから1種類のみですが、無料サンプルをもらうことができます。▼
ビルバックの療法食も、基本的に動物病院かメーカー公式サイトからの購入となります。
犬の尿路結石は水を飲ますのも効果あり
犬の尿路結石は、水をあまり飲まないことも原因の一つなので、水を飲ませるというのも治療として有効です。
ただ、犬は人と違って「水を飲んでください!」と言っても飲んではくれません。
なので、頑張って飲ませる必要があります。
犬に水を飲ませる方法をたくさん解説している記事も参考にしてください。▼
犬が療法食を食べないときはどうすればいい?
療法食を試してみたけど、食いつきが悪いってことはよくあります。
獣医さんから「これ食べてください!」って言われたのに食べてくれない…ってことはよくあります。
どうすれば食べてくれるようになるのか解説した記事があるので、参考にしてみて下さい。▼
【おまけ】犬の結石のおすすめおやつ
ロイヤルカナンから、特定の疾患に適した栄養バランスを崩すことなく与えられる、獣医師推奨のおやつ「トリーツ」が出ています。
尿路結石の場合は「ユリナリーS/O トリーツ犬用」が愛犬に与えられます。
この商品も、動物病院での直接購入になるので、主治医の先生に確認してみてくださいね!
【おまけ2】療法食やドックフードについての面白い本
痛快と言えばいいのか、ここまで商品名を出して批評している本っていうのあまりないです。
各種メーカーとの関係は大丈夫なのかな…と思いつつ、おもしろいなと感じたのでご紹介します。
この「犬いいものわるいもの 新装版」では、
- 療法食を含めたペットフード
- おやつ
- 日用品
などについて、商品名を挙げて○×で解説解説しています。
例えば、
「ペディグリー成犬用ビーフ&緑黄色野菜入りは×の評価で、原材料は肉よりも穀類の方が多く含まれ、肝心のビーフは牛肉以外に鶏肉も混ざっています。」
「ビタワンは人間用食材の残りカスで作られているので×」
「グラン・デリは×の評価で、飼い主の目を楽しませるために作られているフードで、上級のフードではこのような手法は用いられていません。」
など、具体的に商品名を上げて、〇×やその理由を具体的に綴っています。
【まとめ】犬の尿路結石のおすすめフード5選
犬の尿石症のおすすめフードは、
- ロイヤルカナン ユリナリーS/O ドライ
- ヒルズプリスクリプションダイエット s/d,c/d,u/d
- ベッツワンベテリナリー pHケアライト
- 日清 JPスタイル ダイエティクス ストルバイトブロック
- ビルバック ストルバイト&シュウ酸塩結石
の5つです。
どれも有名な会社が作っており、安全性が証明されているのでおすすめです。
動物病院でしか購入できないフードもあるので、主治医の先生に相談してみてくださいね!
本来、療法食は獣医師が動物に合わせて診断し処方するものです。
なので、自己判断で「これあげてみよっ!」と勝手に選ぶべきではありません。