「ワクチンの6種と10種のどちらを打とうか迷っています…」
「ワクチンって毎年打たなくてもいいの?」
「抗体価を測る方法があるって聞いたけど…」
など愛犬のワクチンについて疑問がある飼い主様は多くいらっしゃいます。
■本記事の内容
- 犬のワクチンは毎年打つべき?
- 何種のワクチンを打つといい?
- 抗体価って何?
ワクチンは必ず打つべきものとそうではないものがあります。
愛犬のワクチン接種について悩まれている飼い主様は、ぜひ読んでみてください。
▼ペットの病気やしつけ、日常ケアなど最新情報を発信しています。▼
読んでみて興味があったら、トラまりも(@toramarimo_blog)をフォローしてくれると嬉しいです!
目次
犬のワクチンは毎年打つべきか?抗体価についても解説
ワクチンとは、感染症や伝染病を引き起こす細菌やウイルスの毒性を弱めた(もしくは無くした)ものです。
子犬のうちはワクチンを連続して何回か打ったと思いますが、大人になってからは1年に1回の追加接種が基本となります。
生まれたての子犬は、初乳(出産後1~2日間だけ出るミルク)を飲むことで免疫を獲得します。
初乳による免疫は生後2か月ほど子犬の体を守ってくれますが、その後は効果が落ちてしまうため、ワクチン接種で免疫を強化する必要があります。
通常は、約2か月齢を1回目として、3か月齢と場合によっては4か月齢の1か月単位で追加接種をしていきます(ブースター効果、追加免疫効果ともいいます)。
「ワクチンを毎年打つのが不安だな…」という飼い主様には、「抗体価」を測ってから接種するかを決める方法もあります。
ただ、犬の場合、抗体価を測るとなると、
- 検査の費用がかかること
- 1か月に1回程度測ることで許容下限を下回らないようにする
といったことがあり、手間と費用がかかってしまう難点があります。
また、トリミング店やペットホテル利用時には、ワクチンの接種が条件となっているところが多いです。
そのため、何かしらの打てない事情がない限りは、1年に1回打っておくほうが結果的には安心で確実だと思います。
犬の混合ワクチンの種類
犬の混合ワクチンにはいくつかの種類があります。
※鼻に垂らす点鼻タイプのワクチンもありますが、この記事では注射のワクチンについて解説いたします。
ワクチンの中には「コアワクチン」といって、全世界で発生がみられ、致死率や伝播力が高いため、全ての動物に接種すべきワクチンというものがあります。
犬の場合には、
- ジステンパーウィルス
- 犬伝染性肝炎ウイルス
- パルボウイルス
- 狂犬病ウイルス(義務)
がコアワクチンとして重要です。
コアワクチンは、一度免疫を獲得すると長期間免疫力を維持できるのが特徴です。
では、以下で分けて解説していきます。
犬2種混合ワクチン
犬2種混合ワクチンは、
- ジステンパーウイルス感染症
- パルボウイルス感染症
が含まれています。
犬3種混合ワクチン
犬3種混合ワクチンには、
- ジステンパーウイルス感染症
- アデノウイルスⅠ型感染症(犬伝染性肝炎)
- アデノウイルスⅡ型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
が含まれています。
犬4種混合ワクチン
犬3種混合ワクチンに、
- パラインフルエンザ感染症
が加わったものが犬4種混合ワクチンです。
犬5種混合ワクチン
犬3種混合ワクチンに加えて、
- パラインフルエンザ感染症
- パルボウイルス感染症
が加わり、犬5種混合ワクチンとなります。
犬6種混合ワクチン
犬5種混合ワクチンに加えて、
- コロナウイルス感染症
が加わります。
コロナウイルスは、単独感染ではそれ程重症にはなりませんが、パルボウイルスと混合感染することにより重篤な腸炎をもたらし、死亡率がかなり高くなります。
ただ、パルボウイルスさえ予防できていれば特に問題にならないため、5種と6種のワクチンは病気の予防の点では大差はありません。
犬7種混合ワクチン
犬5種混合ワクチンに加えて、
- レプトスピラ感染症コペンハーゲニー型(イクテロヘモラジー/黄疸出血型)
- レプトスピラ感染症カニコーラ型
が加わったものです。
レプトスピラ感染症は人も感染する人畜共通感染症としても重要です。▼
血清型(表面抗原を元としたより細かい分類)は約200種類以上あると言われており、現在予防できる型は5つです。
レプトスピラが入っているものは副作用が出やすいこともあり、ワクチンのアレルギーを起こしやすい子や犬種(ミニチュアダックスフンドなど)では注意が必要です。
また、レプトスピラは「不活化ワクチン」という持続性の短いワクチンのため、定期的な追加接種(毎年)が必要です。
犬8種混合ワクチン
犬8種混合ワクチンは、犬6種混合ワクチンに
- レプトスピラ感染症コペンハーゲニー型(イクテロヘモラジー/黄疸出血型)
- レプトスピラ感染症カニコーラ型
が加わったものです。
犬9種、10種、11種混合ワクチン
犬8種混合ワクチンに、
- 9種:レプトスピラ感染症ヘブドマディス型
- 10種:レプトスピラ感染症オータムナリス型
- 11種:レプトスピラ感染症オーストラリス型
が追加されていったものです。
各製薬会社によって、レプトスピラのどの型が入っているかは異なります。
何種を打つべき?種類が多ければいい!ということでもない
ワクチンの種類は多ければ多いほどいい!というわけではなく、住んでいる環境や生活スタイルによって変えるといいです。
つまり、レプトスピラ感染症は、レプトスピラに感染した犬の尿やネズミ、川の水などから感染するため、よく散歩やレジャーに行く子は打った方がいいです。
また、トリミングやドックランなど犬同士が接触する場所に出向く場合には、パラインフルエンザが入ったワクチンをおすすめします。
高齢であまり外に出ない子などは、多すぎる種類のワクチンは必要ないかもしれません。
7種以上のワクチンは、どのワクチンを置いているかは動物病院によって異なるため、それぞれご確認ください。
副作用について
ワクチン接種には副作用が起こる可能性もあります。
顔が腫れたり、元気がなくなったり、触ると痛がったり…など様々ありますが、早急に対処すべき重篤な副作用(アナフィラキシーショック)が生じることもあります。
ワクチンの副作用についてはこちらの記事をご参照ください。▼
【まとめ】犬のワクチンは何種を毎年打つべきか?抗体価も解説
犬のワクチンには様々な種類がありますが、住んでいる環境や生活スタイルによって飼い主様が決める必要があります。
副作用がよく出る場合や、ワクチンの負担が心配な場合には、抗体価を測るという方法もあります。
愛犬にあったワクチンを接種して、快適な生活を送りましょう!