「子犬がごはんを食べません…」
「ふらふらしています…」
「何度も吐いています…」
子犬がこのような症状を示しているときは「低血糖」の可能性があります。
この記事では、子犬の低血糖が疑われるときに、
- どんな症状が出るのか?
- 自宅でできることは?
- 動物病院に行くタイミングは?
など、自宅で慌てず対応するための方法を解説いたします。
3分で読み終わるから、慌てずに読んでみてください!
目次
4か月齢までの子犬は低血糖になりやすい
低血糖とは、血糖値(ブドウ糖の値)が正常範囲より下がった状態のことをいいます。
ブドウ糖は体のエネルギー源となるので、それが極端に減ってしまうと体が正常に活することができなくなってしまいます。
子犬の低血糖症は生後3〜4ヶ月ぐらいまでに起こることが多く、
- 長時間、十分量の食事が摂れなかった
- 下痢や嘔吐など消化器の病気がある
- 先天的な肝疾患(門脈体循環シャントなど)
などが原因で起こります。
また、コクシジウム症という下痢や血便を起こす感染症の場合にも、低血糖になっていることが多いです。
子犬が低血糖になりやすい理由
体のエネルギー源となるブドウ糖を一定に保つ(血糖値を一定に保つ)ことは非常に重要です。
血糖値を一定に保つことには、肝臓や筋肉が関わっています。
肝臓や筋肉はブドウ糖をグリコーゲンという形で貯蔵して、必要な時にブドウ糖に戻すことで血糖値を調整しています。
成犬であればこの機能が働くので、数日間ご飯を食べなくても血糖値が急激に下がることはありません。
でも子犬の場合には、この血糖値を調節する機能が十分に備わっていないので、空腹時間が続くと血糖値の維持ができず、低血糖になってしまいます。
子犬の低血糖の症状は、フラフラからぐったりまで多様
子犬が低血糖になってしまったら、
- フラフラしている
- 下痢や嘔吐
- よだれがすごい
- ぐったり
- 震える
- けいれん
- 意識がなくなる
- 発作
など様々な症状がみられます。
フラフラしたり、意識がなくなったりなどは中枢神経(脳)の障害が起きていることを示しています。
脳の重量は全体重の2%程度に過ぎないですが、全身のブドウ糖消費の約25%は脳によってなされています。
また子犬の低血糖の症状は、上記のように「なんかフラフラしているかも…」という場合以外にも、「さっきまで元気に遊んでいたのに突然ぱたっと倒れた」ということもあるので注意が必要です。
低血糖なのかよく分からない場合は、ひとまず食事やおやつをあげてみて食べるかどうかをみてみましょう。
食べてくれるなら低血糖の可能性は低く、また低血糖であっても回復が予想されます。
子犬が低血糖になった時の自宅での対処法
子犬の低血糖が疑われるときは、
- ブドウ糖
- コーンシロップ
- ガムシロップ
- はちみつ
などを飲ませたり、吸わせてあげるといいです。
以前、「あまり食いつきがよくないから、低血糖かも…」と思われた方が、無理やりガムシロップを飲ませて噛まれたことがありました。
意識がもうろうとしている子犬に無理やりあげると、間違って噛んでしまうこともあるので注意してください。
また、食いつきが悪い場合である程度元気がある場合は、ご飯を変えたり温めたりすると食べる場合もあります。
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動物病院に行くタイミング
動物病院に行くタイミングは、
- ブドウ糖やシロップ等を飲ませても症状が改善しない場合
- あまりにもぐったりしている場合
などは速やかに動物病院に伺いましょう。
動物病院では、血管点滴によりブドウ糖を補ってあげます。
意識が回復したら、食事を食べさせることで血糖値を維持することができます。
子犬の低血糖の予防は「少量頻回」の食事
子犬の低血糖を予防するためには、「少量頻回」で食事を食べさせることです。
子犬の胃は非常に小さく、一度の食事では本当に少ししか食べることができません。
仕事の都合などで難しい場合は、出かける直前と帰ってきたらすぐあげ、日中はドライフードをケージに入れておくといいです。
【まとめ】子犬の低血糖の症状や自宅での対処法、予防法
子犬の低血糖の症状は、ふらふらする~意識がなくなるまで様々です。
元気に遊びまわっていたのに、突然ぐったりすることもあるので注意が必要です。
自宅での対処法は、ブドウ糖やガムシロップを無理なく飲ませ、改善がみられなけば速やかに動物病院に伺いましょう。
子犬の低血糖を予防するためには、6~8時間おきに1日3~4回食事を与えるようにしましょう。