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猫の多頭飼いは何匹まで?相性やメリット・デメリット、注意点などを獣医師がお伝え!

猫の多頭飼いは何匹まで?相性やメリット・デメリット、注意点などを獣医師がお伝え!

「今は愛猫1匹で飼っているけど、新しい子を迎えたいな!」

「猫の多頭飼いをする際の注意点って?」

など、猫の多頭飼いについてのご質問はよくあります。

トラまりも
トラまりも
たくさんのネコちゃんとの生活は楽しそうだけど、飼い方・接し方には不安もあるよね…

猫の多頭飼いは、それぞれの子が安心して過ごせるためにも、いくつかの気を付ける点があります。

■本記事の内容

  • 猫の相性の見分け方
  • 猫の多頭飼いのメリットとデメリット
  • 猫を多頭飼いする際の注意点

猫の多頭飼いをしたいけど、「飼えるかな?」「大丈夫かな?」と不安のある飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね!

猫の多頭飼いは何匹まで?

猫の多頭飼いは何匹まで?

猫の多頭飼いをする方は増えてきています。

たくさんのネコちゃんたちに囲まれた生活は、想像するだけでも楽しそうですよね。

トラまりも
トラまりも
うちもネコちゃんを2匹飼っているけど、毎日本当に幸せです(=^・^=)

でも、猫は『好き!嫌い…』『快!不快…』を露骨に示す動物であり、多くの猫が狭い空間で過ごすことには、多大なるストレスを感じる動物です。

また、多頭飼育崩壊のニュースを目にすることもあると思いますが、あまりにもたくさんのネコちゃんとの生活は、難しいことも多いのです。

そのため、一般的には、猫を飼うなら3匹までにとどめるといいと言われています。

猫は4匹以上で飼うことで、1匹のボス猫とそのほかの猫、そして最下位の1匹という構成が成立し、かならず、仲間外れになる可能性のある子が存在してしまうからです。

トラまりも
トラまりも
すでにたくさん飼っている場合には、以下でお伝えする注意点を参考にして、住みやすい環境を作ってあげてください。

猫の相性の見分け方

猫の相性の見分け方

「じゃれているようだけど、けんかなのかな?」

「いつも隠れている子がいるけど…」

猫を多頭飼いしていると、「フーフー」「シャーシャー」言いながら、噛みつきあったり、追いかけまわしたり…

これは仲裁すべき?放っておくべき?と、どうするといいのか?わからないシーンはしばしばあると思います。

猫にも人と同じように相性があり、あまり相性が良くない同士だと、トラブルが生じることが多いです。

相性の良い猫の見分け方は、

  • 毛づくろいをしあう
  • 頭やほっぺをスリスリする
  • 一緒に過ごす、寝ている
  • おしりのにおいをかぐ、なめる
  • 鼻や顔をぶつけあう、ちょんちょんする
  • 片方が鳴くと寄ってくる

などがあります。

逆に、相性の悪い子たちは、

  • 血を見るけんかをする
  • すれ違うときに距離がある、にらみをきかせる
  • 一方がじっと見つめて、詰める
  • 「フーフー」「シャーシャー」言う機会が多い
  • トイレの邪魔をする、行けないようにする
  • 弱い猫がいつも高いところ・狭いところにいる
  • お互いいつも別の空間にいる

といったことがあります。

トラまりも
トラまりも
一般的には、じゃれあいのけんかで、血が出ることはほぼないよ。

ただ、じゃれあいのけんかだったとしても、にらみをきかせて、しっぽがタヌキ!と、ヒートアップする場合もあります。

そのため、けんかのときに仲の良さ(相性の良し悪し)を見分けることは難しく、普段の生活の過ごし方で判断するといいです。

じゃれあいのけんかの場合には、けんかをしていないときにおいて、一緒に寝ている、毛づくろいをしあっている…という仲の良い一面を見ることができます。

猫の多頭飼いのメリットとデメリット

猫の多頭飼いのメリットとデメリット

猫の多頭飼いには、いくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット

猫の多頭飼いのメリットは、猫の飼育頭数が2,3匹であれば、猫社会が適切に作れることがあります。

1匹でいたいときは、別々で過ごし、さみしくなったときには、くっついて眠る…

猫同士で過ごす時間は、人には埋められない安心感や友情を得られる可能性があります。

1匹で飼うことで分離不安を生じるケースはしばしばありますが、多頭飼いなら落ち着いて留守番ができることも多いです。

新しいネコちゃんを迎えたら、認知症のネコちゃんの夜鳴きが改善したというケースもあります。

 

飼い主様にとってのメリットは、楽しい!安心!といったことがありますね。

甘えん坊…ツンデレな子…さまざまな性格の子との触れ合いは、生活にメリハリが生じます。

また、少し帰りが遅くなってしまうときも、1匹だと心配だけど、2匹なら一緒に過ごしているという安心感があります。

デメリット

猫の多頭飼いのデメリットとしては、けんかをすることがあります。

通常、2,3匹であれば、そこまでヒートアップするけんかは生じませんが、多くなるにつれて、常に争いが絶えないことも多いですね。

一見何の問題もないよう過ごせていても、実は過ごしにくさを抱えている子がいる…ということも…

過ごす空間が狭い場合には、窮屈を感じている子がいることを忘れてはいけません。

 

飼い主さんにとってのデメリットとしては、やはり抜け毛で部屋が汚れることだと思います。

掃除をしても…ブラッシングをしても…びっくりするくらい抜け毛が綿ぼこりとして落ちていますよね。

洋服や布団カバーなども、抜け毛が目立ってしまいます。

また、トイレのにおいも気になるところです。

猫はきれい好きな動物であるため、猫自体がにおうことはほぼありません。

ただ、うんち・おしっこのにおいは強烈!

多頭飼いの場合には、床や壁ににおいがしみついてしまうこともあります。

猫の多頭飼いで注意する5つのこと

猫の多頭飼いで注意する5つのこと

猫を多頭飼いする際には、以下の点に注意することで、お互い快適に過ごせると思われます。

また、当然のことと思いますが、新しい子を受け入れる際には、避妊・去勢手術を必ず受けましょう。

猫は交尾排卵動物(交尾をすると排卵をする)ですので、妊娠確率がほぼ100%となっています。

避妊・去勢手術は、望まぬ妊娠を防ぐためだけでなく、猫同士がストレスなく(縄張り争いが少なく)過ごせる可能性も高まります。

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①それぞれとスキンシップをとる

猫がたくさんいると、猫それぞれと過ごす時間が限られてしまいますよね…

あまり人慣れしていない子の場合には、それでも問題ないですが、甘えん坊の子の場合にはストレスを感じてしまいます。

トラまりも
トラまりも
猫はやきもちを焼く動物だからね!

名前を呼ぶ、なでる、おやつをあげるだけでもよいですが、一緒に遊んであげたり、寝ることによって、とっても安心感を覚えます。

なにより、人もリラックスできますね!

そのため、多頭飼いをしている場合には、大変だとは思いますが、1対1で向き合える時間を作ってあげてください。

②安心して過ごせる場所を作る

猫それぞれが安心して過ごせる場所を作りましょう。

家のスペースが限られている場合には、キャットタワーやキャットウォークを用いて、上下に動ける空間を用意してあげるといいです。

特に多頭飼いの場合には、1匹当たりの過ごせる面積が狭くなってしまうため、空間づくりは非常に大切です。

 

ふわふわのベッド、少し小さい段ボール、日の射し込む暖かい場所…

猫によってお気に入りのスペースは異なります(日ごとにも異なります)。

トラまりも
トラまりも
日なたぼっこが好きな子も多いよね!

ドーム状のベッドは暖かくて快適ですが、暑すぎて出てくることも多いですね。

そんなときには、開放的な段ボール型のベッドや薄手のブランケットなどのくつろぎスペースがあるといいかもしれません。

トラまりも
トラまりも
うちのネコちゃんは、ブランケットをちゅぱちゅぱするのが好きなので、いろんな場所においてます。

 

また、相性がいい個体どうしは、一緒に寝ることも多いですね。

「こんな狭いところで、ぎゅうぎゅうに寝ている!」ということも多いですが(これはこれでいいのだと思います)、少し大きめのスペースを用意することで、どちらも快適に一緒に寝られること間違いなしです。

③トイレを頭数+1個以上用意する

猫のトイレは、頭数+1個以上用意しましょう。

何か所にもトイレがあることで、それぞれにお気に入りのトイレを見るけることができます。

猫はトイレ(特におしっこ)を我慢することで、尿路閉塞や膀胱炎などの泌尿器トラブルを生じやすい動物です。

なるべく、清潔なトイレで、好きなときに排せつができるようにしましょう。

また、大きさは体長×1.5倍以上の大きさがあるといいですが、難しい場合には、できる限り大きいものを用意しましょう。

からだが大きい愛猫の場合には、猫トイレにこだわらず、衣装ケースなどの大きい入れ物をトイレとして使用してもいいですね。

 

ちなみにうちは、2匹飼っていますが、このトイレ▼を3か所に置いています。

 

システムトイレなので、尿検査も簡単にでき、掃除も1カ月に1回のペース(ペットシーツは3日に1回交換)で、特ににおわず使用ができています。

猫それぞれにお気に入りがあるみたいで、「大はこっち!小はこっち!」というように使い分けています。

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④食事と水飲み場の管理

食事は猫それぞれに適切なものを与えるようにしましょう。

ある猫はやせていて、ある猫は太ってダイエット中…なんてことは、多頭飼いの場合にはしばしば生じます。

いずれにも適切な食事(場合によっては療法食)を与えたいけど、みんな好きなものを適当に食べちゃう…ということも多いですね。

見ていられるときはできるかもしれませんが、置きエサだとそうもいかないですよね。

そんなときには、猫の個体識別ができる餌やり器を用いてもいいかもしれません。▼

 

実際に使用している方も多く、慣れることで食べ分けができるように(横取りされる場合もありますが…)なりますよ。

 

また、飲水量の確保は、とーーーーーっても大切です。

猫はただでさえ水を飲まない動物ですが、秋や冬など寒い時期には、もっと飲まなくなってしまいます。

また、多頭飼いの場合には、水が汚れてしまうことや、お気に入りの水飲み器などがあるため、より配慮が必要です。

  • いろいろな場所に水飲み器を配置する
  • 水は何度も入れ替え、清潔にする
  • ぬるま湯が好きな子も多い
  • 器の高さや形もいろいろ用意する
  • 自動給水器やウォーターファウンテンもよい

いろいろ工夫しても飲まないことは多いですので、日常的にウェットフードもあげるといいです。

「ウェットフードをあげると虫歯になるため、カリカリしかあげない!」という飼い主様もいらっしゃいますが、そういうわけではありません。

むしろ飲水量が確保できないことで生じる病気のほうがたくさんあります。

最近では、『ミックスフィーディング』と言って、ドライフードとウェットフードの両方を用いる食事スタイルが主流です。

ぜひ、積極的にウェットフードを取り入れてあげましょう。

トラまりも
トラまりも
ちなみに猫ちゃんは歯みがきが難しい!そのため、おやつの歯ブラシなどを用いて、唾液がたっぷり出るようにしてあげるといいよね。

⑤生涯分のお金を用意すること

猫の多頭飼いは、とってもお金がかかります。

毎日のエサ代、トイレ関連、ペットベッドやおもちゃ、そして医療費!

予防接種やノミ・マダニ予防は、毎年・毎月必ずかかります。

そして病気になった際には、数万単位でお金がかかることもよくあります。

一時的な出費ですめばいいですが、中には、生涯にわたって治療が必要なケースもあります。

中高齢のネコちゃんは、高確率で腎臓病を含めた泌尿器トラブルにかかります。

大切な愛猫みんなに、万全のケアをしてあげられますか?

【まとめ】猫の多頭飼いは何匹まで?相性やメリット・デメリット、注意点などを獣医師がお伝え!

猫の多頭飼いはとっても楽しいですが、大変なことも多いです。

すべてのネコちゃんが安心してゆったり過ごせるためにも、飼育頭数はあまり増やさず、どの子にも万全の配慮をしてあげましょう。

ネコちゃんはお家を選べません。

我が家に来てくれた子は、世界中のどの子より幸せにしてあげてください!

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