「愛猫が腎臓病の療法食を食べません…」
「療法食を食べないので、いろいろ混ぜてあげてます!」
「療法食好きじゃないみたいだけど、ずっと食べないといけないの?」
など『愛猫が療法食を食べない問題』に直面している飼い主様はたくさんいらっしゃいます。
先日、以下のツイートをしました。▼
✅犬猫が療法食を食べないとき
・同シリーズの別形態(缶詰やパウチ)を試す
・別メーカーの療法食
・今までの食事を混ぜる
・温める、ふやかす
・床に置く、器を変える
・手からあげる、鼻にくっつける
・他の人があげる
・遊んだ後に与える
・療法食用おやつを使う
…があります。
無理せず楽しく😊— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) May 28, 2021
犬猫が療法食を食べないとき
・同シリーズの別形態(缶詰やパウチ)を試す
・別メーカーの療法食
・今までの食事を混ぜる
・温める、ふやかす
・床に置く、器を変える
・手からあげる、鼻にくっつける
・他の人があげる
・遊んだ後に与える
・療法食用おやつを使う
…があります。
無理せず楽しく!
■本記事の内容
- 猫が療法食を食べないときは、どうすればよい?
- 療法食に何かを混ぜてもいいの?
- おやつは絶対あげちゃいけないの?
療法食を食べてもらう方法をたくさん解説しているので、ぜひ試してみてくださいね!
目次
猫が療法食を食べない理由とは?
猫が療法食を食べない理由は、ずばり『おいしくない』につきます。
最近では、おいしく食いつきのよい療法食はいくつかありますが、いわゆる普通のフードよりは嗜好性が落ちることが多いです。
また、ずーっと同じ療法食を与えていると、飽きてくるというのもあります。
療法食ってそもそも何?
療法食とは、何かしらの病気や症状がある動物に対して、診療行為の一環として出されるペットフードのことです。
製品ごとに成分の量や比率がきちんと計算され、与えることで病気や症状の改善、進行を遅らせることが見込めます。
犬や猫の療法食は『病気を治療できる効果を持つ』ことも多く、薬の様な一面があるため、飼い主様の自己判断で買い与えていると問題を引き起こすこともあります。
例えば、
- 尿路結石を溶かす食事をあげていた→別の結石ができた
- 便を硬くする食事をあげていた→慢性的な便秘になった
- 減量用食をあげていた→重度に痩せてしまった
といったことなどです。
そのため、以前はホームセンターやネットなどいろんなところで購入が可能でしたが、最近では動物病院でしか購入できない療法食も増えてきました。
猫が療法食を食べないときにすべきこと
猫が療法食を食べないときは、まずは以下のことを、組み合わせて試してみてください。
- 同シリーズの別形態(缶詰やパウチ)を試す
- 別メーカーの療法食にする
- 今までのフードを少し混ぜる
- 手からあげる
- 温めてあげる
- ふやかす
- ウエットフードなら焼いてみる
- 遊びながら食べさせる
- 床に直接置いてみる
- 器の種類を変えてみる
- 鼻に少しくっつけて(塗って)みる
- 他の人にあげてもらう
- おもいっきり遊んだ後に与える
- 小分けにして、与える回数を増やす
- 療法食用のおやつを使ってみる
…などがあります。
小分けのサンプルだと食べることも多いですが、これは『開けたて』で、においが強いからです。
主治医の先生に、少し分けてもらうことも方法の一つとなります。
また、フードボウルを変えるだけで食べてくれる場合もあります。▼
猫が療法食を食べない~療法食に関するよくある疑問
最近では、ペットも高齢化や予防診療が進んでおり、何かしらの療法食を食べている子は多いです。
猫の療法食についてのよくある疑問を解決いたします。
療法食っていろいろ混ぜてあげていいの?
基本的にはおすすめしません。
療法食は、それ単体である一定期間食べたときに効果を発揮するので、メーカーや製品を混ぜて与えると、効果が弱まる可能性もあります。
ただ、療法食以外の食事を混ぜるくらいなら、違う製品やメーカーの同系列の療法食を用いた方がいいです。
療法食にトッピングしていいの?
上でお伝えした通り、療法食はそれ単体で食べることで、よりよい効果が出るようになってます。
そのため、療法食以外のものを与えると、その効果が落ちてしまう可能性があります。
かつおぶしは煮干しに比べて塩分含量が少ないので、味のメリハリとしてトッピングしてもいいと思います。
おやつは絶対にあげちゃいけないの?
基本的には、おやつはNGです。
ただ、使用している療法食と同じ特性のおやつであれば与えてOKです。
例えば、ロイヤルカナンのおやつ『トリーツ』なら、それぞれの療法食と一緒に与えることが可能です。
でも実際は、何かしらの病気で治療中の犬と猫のほとんどが、おやつを食べているようです。▼
疾患を持つ食事療法中の犬と猫の80%以上※が、食事とは別におやつを食べています
アレルギー、肥満、消化器疾患、下部尿路疾患など、様々な疾患にかかった犬と猫に療法食を与えているペットオーナーの実に80%以上※が、食事とは別におやつを与えており、そのうち75%以上※が、普段と変わらないおやつを与えていることがわかりました。(※ロイヤルカナン調べ)
ペットとの絆や習慣のため、おやつを与えることを急に止めることは容易ではありません。しかし、食事療法の成功のためには、特定の疾患に配慮した、獣医師が推奨するおやつであることが、望ましいのも事実です。(出典:ロイヤルカナン)
療法食を食べないときに、無理にでもあげるべき?
まずは、上記で示した方法をいろいろ試してみてください。
それでも食べない場合は、無理にあげると余計に食べなくなってしまうこともあるので、ひとまずやめましょう。
食欲増進剤を飲ませたり、塗ったりして経過を見ることもあります。
ミルタザピン:耳に塗るタイプの食欲増進剤▼
「強制給餌して!」「なんでもいいから食べるものをあげて!」と、状況に合わせていろいろな判断があると思いますので、主治医の先生にご相談ください。
○○に配慮したってフードは療法食に混ぜてもいい?
ホームセンターやネット上には、
『腎臓に配慮した』『下部尿路疾患に配慮した』
といった食事も多く売られています。
ただ、これらは療法食ではないので、多くの効果は期待できません。
上でもお伝えした通り、療法食はそれ単独で食べることで効果が出る食事なので、
『○○に配慮した』と書いてあっても、混ぜたらあまり意味はないです。
療法食ってずっと食べるの?
そんなことはないです!
例えば、肥満が原因で食事を変えたのなら、標準体重になればもとの食事で調整していくことも可能です。
また尿石症の場合も、石が溶けてくれれば(結晶が見られなくなれば)、経過観察をしながら以前のフードに戻すことも可能です。
詳しくは主治医の先生に確認してみてください。
手作り食はどうなのか?
これは何とも言えません。
各種フードメーカーがめちゃくちゃ研究や実験をした結果、療法食はできているので、簡単に自宅で手作り食をできるかと言われたら微妙です…
それでも手作り食をあげたいな…という飼い主様には、定期的に血液検査や尿検査などを行い、病気や症状の進行がみられなければ、自己判断でやってもいいですよとお伝えしてます。
【まとめ】猫が療法食を食べないときの対処法【混ぜていい?腎臓や結石で悩んでいる方へ】
猫が療法食を食べない場合は、まず『あげ方を工夫』してみてください。
温めたり、手からあげたり、におい付けをしたり、遊びながらあげたり…と、たくさんご紹介しました!
どうやっても食べない場合は、無理に与えず、主治医の先生に確認してみてください。
病気を治すには、なにより『食べる』ことが一番大事です!