「犬の子宮蓄膿症の手術ってどうやってやるの?」
「手術しないと治らないの?」
「老犬だけど大丈夫かな…」
など犬の子宮蓄膿症の手術について、不安や疑問を抱いている飼い主様は多くいらっしゃいます。
この記事では、犬の子宮蓄膿症の手術について、
- 手術のながれ
- 手術をしない場合の方法
- 手術時間はどれくらい?
- おおよその費用
- 手術後に気をつける事は?
などを分かりやすく解説していきます。
目次
犬の子宮蓄膿症の治療法は「手術or内科療法」
犬が子宮蓄膿症になった場合は、
- 外科手術(子宮と卵巣を取る手術)
- 内科療法(薬を飲んだり、注射する)
のいずれかで治療を行います。
外科手術をすることがほとんど
犬の子宮蓄膿症は、ほとんどの症例で緊急的な外科的な手術が必要です。
ただ、状態が悪い場合や麻酔をかけられないような病気がある場合などには、内科療法(点滴や抗生剤など)による治療を先行します。
状態が悪い場合や、飼い主様が希望した場合は内科療法
犬の状態があまりにも悪い場合や、将来的な繁殖などのために飼い主様が手術を拒否する場合には、内科的な治療を行います。
内科療法では、
- 子宮収縮薬
- 抗生物質
- 点滴
などを行い経過をみます。
犬の子宮蓄膿症には、
- 開放性子宮蓄膿症(子宮の出口が開いていて、膿がどろどろ体外に出るタイプ)
- 閉鎖性子宮蓄膿症(子宮の出口が閉じていて、膿が子宮の中から出ないタイプ)
の2パターンがあります。
内科療法を行うためには、開放性子宮蓄膿症でないと薬の効果が期待できません。
ただ内科的な治療では、
- 治療時間がかかる
- 状態が悪化することがある
- 再発がみられる場合がある
- 繁殖希望でも不可能の場合がある
などのデメリットがあります。
犬の子宮蓄膿症の手術のながれ
犬の子宮蓄膿症で手術を行う際は、血液検査やエコー検査などを行い全身状態を把握します。
その後、ある程度の水和(点滴)を行い手術を開始します。
犬の子宮蓄膿症の手術は、挿管をして全身麻酔下で行います。
お腹を切ると、膿の貯まった大きな子宮がすぐに出てきます。
子宮や卵巣に行く血管や靭帯の処理をして、丁寧に子宮と卵巣を取り出します。
取り出した後子宮を切開すると、どろどろに貯まった膿が出てきます。
最後に、おなかの中をきれいに洗浄し閉腹します。
犬の子宮蓄膿症の手術時間は1時間程度
もちろん症例により手術時間は異なりますが、麻酔の導入から平均して1時間前後で終了します。
犬の子宮蓄膿症の費用
費用は動物病院や症例ごと(入院期間や使用する薬など)によって異なるので、一概に何とも言えません。
おおよそ15~30万円程度で行っている動物病院が多いです。
犬の子宮蓄膿症の手術後に気をつける事
早期の発見で、手術が無事に終われば数日の入院で退院できます。
腹膜炎や敗血症、腎不全を併発している症例の場合は、入院期間が長くなる傾向があり、手術を行っても助けることができなかったり、術後に亡くなる事もあります。
無事におうちに帰れた場合、手術後に気をつける事は、
- 元気や食欲を常に観察する
- もらった薬をきちんと飲む
- 過度な運動は控える
- 傷口を舐めないようにする
などして経過を見ていきます。
食欲や元気がないなど変調があったら、その時点で主治医の先生に確認するようにしましょう。
また、術後に傷を舐めないようにすることは重要で、エリザベスカラーかエリザベスウエアを着用するようにしましょう。
犬の子宮蓄膿症のを予防するためには、早期の避妊手術
犬の子宮蓄膿症の予防は、避妊手術を行うことです。
中高齢の犬の4頭に1頭は子宮の病気になると言われているので、繁殖を望まない場合は、早期の避妊手術がおすすめです。
早期の避妊手術は、将来的な乳腺腫瘍の発生率も低下させます。
犬の避妊手術の時期やメリット・デメリットについてはコチラを参考にしてください▼
【まとめ】犬の子宮蓄膿症の手術を徹底解説
犬の子宮蓄膿症は、ほとんどの症例で外科手術(子宮卵巣摘出術)を行います。
ただし、症例によっては内科療法が選択されることもあります。
手術によりほとんどの症例で速やかな術後の回復を認めますが、重症例では必ずしも救命できるとは限りません。