「犬の目の下が赤いです…」
「涙やけかな?原因は何だろう…」
「目の下が赤いけど、動物病院に行った方がいいのかな?」
など犬の目の下が赤いときには、何が原因でどうすればいいのか悩んでしまいますよね。
先日、以下のツイートをしました。
犬の目の下が赤いときは、
・涙やけ
・アレルギー
・感染や炎症
の可能性があります。
なぜ涙が多いのか、なぜ赤くなってるのか、原因をつきとめることが大切😊
元々だから…と諦めている方も多いですが原因によっては治ります。
食事を変える、まつ毛の処理、マッサージ、薬を飲んだり…それぞれ対応— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) March 14, 2021
犬の目の下が赤いときは、
・涙やけ
・アレルギー
・感染や炎症
の可能性があります。
なぜ涙が多いのか、なぜ赤くなってるのか、原因をつきとめることが大切
元々だから…と諦めている方も多いですが原因によっては治ります。
食事を変える、まつ毛の処理、マッサージ、薬を飲んだり…それぞれ対応
■本記事の内容
- 目の下が赤くなる原因ってなに?
- 動物病院に行った方がいいの?
- 自宅でできることってある?
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目次
犬の目の下が赤いときの3つの原因【涙やけの可能性】
犬の目の下が赤いときの原因は3つあります。
一つずつ見ていきましょう。
原因①涙やけ(流涙症)
犬の目の下が赤くなる原因として、「涙やけ」は非常に多いです。
涙やけは獣医学的には「流涙症」と言われ、
- 涙が多い
- 涙の排出がうまくできない
- 目の表面に涙を保持できない
ことが原因としてあります。
そもそも涙は涙腺で作られ、眼の表面を潤したのち涙点から鼻涙管を通って鼻に抜け、喉に流れていきます。
上記の原因で涙があふれてしまうと、目の下が赤くなったり、目の下の毛が茶色くなったり、臭いにおいがしたり…してしまいます。
では①~③について、どうしてそうなるのかを見ていきましょう。
涙が多くなる理由
涙が多くなる理由として、
- まつ毛やゴミが目の中に入っている(逆さまつ毛など)
- 眼瞼が内反している
などがあります。
涙の排出がうまく出来ない理由
涙の排出がうまく出来ない理由として、
- 涙点という涙を引き込む部分が詰まっている
- 涙が鼻に抜けるための管が詰まっている
ということがあります。
目の表面に涙を保持できない理由
目の表面に涙を保持できない理由として、
- マイボーム腺の機能不全
- 毛が目の表面に接触していて、毛を伝って涙が眼の外に流れてしまっている
などがあります。
原因②アレルギー
アレルギーとは過剰な免疫反応のことで、通常は体に害を与えない物質に対して異常に反応してしまった状態です。
原因としては、
- 食事
- ノミやダニ
- ハウスダスト
- 薬剤
- 花粉
- 植物
などがあります。
また、アトピー性皮膚炎に続発して起こることも多いです。
原因③感染や感染が伴わない炎症
感染や非感染性の炎症により目の下が赤くなることがあります。
- 細菌感染(Staphylococus spp.など)
- 犬ヘルペスウイルス-1
- 犬アデノウイルス-2
- 真菌(Blastomyces dermatitidisno)
- 寄生虫
などが感染し(感染が生じない炎症のときもある)、結膜炎や眼瞼炎が起こり、結果として目の下や周りが赤くなることもあります。
犬の目の下が赤いときには原因にあった治療法が重要
「なぜ目の下が赤いのか」原因を突き止めることが重要です。
動物病院では様々な目の検査をして、原因を見つけます。
- 問診、触診、視覚検査
- 涙液量検査
- 眼圧測定
- 涙液層破壊時間検査
- フルオレセイン染色検査
- 細胞診
- 微生物培養検査
- 眼底検査
- 超音波検査
- 各種アレルギー検査
涙やけ(流涙症)の対処法
涙焼けを治すためには、原因に合った治療が大切です。
まつ毛が入り込んでいる場合
ピンセットを使って、目の中に入り込んでいるまつ毛を抜きます。
目の下の毛が入り込んでいることもあるので、その場合は短くカットします。
通常生えないところに生えているまつ毛については、全身麻酔下で毛根ごと切除します。
涙が鼻に抜ける管が詰まっている場合
鼻涙管洗浄と言って、涙が鼻に抜ける管を洗浄することもあります。
鼻涙管に管を刺し、開通するまで何度も洗浄を行います。
避妊手術といっしょに鼻涙管洗浄を行った子です。▼
開通すると鼻から洗浄液が出るようになります。
涙が保持できない場合
涙を目の表面に保持できないときは、涙の中の脂分が不足しているときがあります。
これは、マイボーム腺という脂を出す腺が詰まっていることで生じます。
温かいタオルやコットンなどで目を温めて、詰まりをときます。
眼瞼が内反している場合
症状の度合いにもよりますが、手術で内反を直すことで治療を行います。
食事の変更もあり
涙焼けは食事を変更することで良化することがあります。
ただ、食事を変えるて涙焼けが良くなったというのはよくあります。
具体的には、
- 品質のよいフード(良質な油を使っている)に変える
- 皮膚病用のフードにする
- おやつを控える
などでよくなることがあります。
また、涙やけ用のサプリメントもよく見かけます。
効果があるかどうかは謎ですが(獣医学的な根拠はありませんが)、あくまでサプリメントとして使ってみてもいいかもしれません。
アレルギーの対処法
何に対してアレルギーを示しているのかを調べることで対応します。
犬のアレルギー検査については、こちらを参考にしてください。
また、食物アレルギーが疑われる場合は、さらなる検査が必要です。
感染や感染が伴わない炎症の対処法
細菌感染が疑われる場合は広域スペクトルの抗菌点眼薬を、ウイルス感染が疑われる場合は、抗ウイルス薬を点眼することもあります。
目の下の赤み、涙やけの自宅でできる対処法
これもまた、原因に沿ったケアを行うことが重要です。
処方された目薬や飲み薬をしっかりあげるようにしましょう。
また、目の下をきれいに拭いてあげることも大切です。
【まとめ】犬の涙やけ~目の下が赤くなるとき
犬の目の下が赤くなることは、比較的よくあります。
- 涙やけ
- アレルギー
- 感染や感染が伴わない炎症
などが原因としてありますが、原因に合った治療をする必要があります。
もともとだから…と治療をあきらめている方も多いですが、場合によっては改善することもよくあります。