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【緊急疾患】犬の胃拡張-胃捻転症候群はお腹がパンパン!すぐに病院へ

【緊急疾患】犬の胃拡張-胃捻転症候群はお腹がパンパン!すぐに病院へ

「吐きそうで吐けないのですけど胃捻転ですか?」

「お腹がパンパンなんです…」

「食後に犬が苦しそうなのですが、動物病院に行ったほうがいいですか?」

など、犬のお腹がパンパンだったり吐きそうで吐けない場合は、どうしていいのか不安になってしまいますよね。

トラまりも
トラまりも
ネットで見ると、死んじゃうとか怖いこといっぱい書いてあるし…不安だよね。

先日、胃拡張について以下のツイートをしました。▼

胃捻転や胃拡張は大型犬で多く発生する傾向にありますが、ミニチュアダックスなどの小型犬でも生じます。
原因として、
・加齢
・早食い、大食い
・食後の運動
…が考えられ、おなかがパンパンになり、気づかれることが多いです。
ごはんはゆっくり食べ(小分けにする)、食後はゆっくり休みましょう😊

この記事では、

  • 犬の胃捻転-胃拡張症候群とは?
  • どういった症状なの?
  • 動物病院に行くべきタイミング

などを解説し、胃捻転-胃拡張症候群にならないようにするための方法を紹介いたします。

犬の胃拡張-胃捻転症候群の原因

犬の胃拡張-胃捻転症候群の原因

胃拡張-胃捻転症候群は、何らかの原因により拡張した胃が、捻じれてしまう緊急疾患です。

死亡率も高い病気で、治療したとしても20~45%程度の確率で亡くなってしまう怖い病気です。

一般的には、大型で胸の深い犬種(シェルティー、グレートデンなど)で多く発生しますが、小型犬(ミニチュアダックスフンドなど)で発症することもあります。

イギリスにおける研究では、グレートデーンや秋田犬、ドーグドボルドーなどの大型犬種での発生率が高かったとなっています。

原因自体が明確に分かっていないため、予防も難しいといったことがあります。

【考えられる原因】

  • 加齢により胃を支える靭帯が緩む
  • 早食い、大食い
  • 食後すぐの運動

などによって、胃にガスや食渣(しょくさ)が貯まってしまい、捻じれてしまうと考えられています。

また、胃の中に何かしらの異物があって発症しているとの研究結果もあります。

トラまりも
トラまりも
捻じれが先に生じるわけではなく、胃拡張が先に生じて捻じれるんだよ。
GDV(Gastric Dilatation-Volvulus)とも言われます。

「お腹がパンパン」といった症状が出る

胃にガス(飲み込んだ空気と発酵したガス)と液体(胃液や食渣;食事の残りカス)が過剰に貯まることにより、腹部膨満(お腹がパンパン)が見られます。

  • 食後にお腹がパンパンになっている
  • 吐きそうなのに吐けない
  • お腹がパンパンでぐったりしている
  • 苦しそう
  • よだれがすごい出る
  • ウロウロしている、落ち着きがない

などがよくある症状です。

トラまりも
トラまりも
胃が捻じれてしまっているから、吐きたくても吐けない、げっぷをしたくてもできないと言った症状があります。

また、胃の拡張に伴って、門脈(肝臓に行く血管)および後大静脈(全身から心臓に戻る血管)が圧迫されて、心拍出量の低下や血液の循環障害を引き起こします。

胃が捻じれることで血流障害が生じ、胃や胃にくっついている脾臓が壊死してしまうこともあります。

【胃拡張のみの場合もある】

捻じれが生じず、胃が拡張(パンパンになっている)しているだけの時もあります。

GDVよりもこの場合の方が多く、また小型犬でもよく発生します。

吐きそうなのに吐けない=胃捻転-胃拡張症候群ではない

よく、「吐きそうなのに吐けないんです…胃捻転-胃拡張症候群ですか?」というお問い合わせがありますが、必ずしもそうというわけではありません。

人でも気持ち悪いときに、うまく吐けないときがあるように、何となく気持ち悪いけど吐けないという瞬間が犬にもあります。

なので、おなかがパンパンで苦しそうといった状態でなければ、様子を見てもいいこともあります。

トラまりも
トラまりも
吐きそうなのに吐けないときは、食道にものが詰まってたりすることもあるよ。不安な場合は主治医の先生に確認してね!

犬の胃拡張-胃捻転症候群の診断方法【レントゲン検査】

犬の胃拡張-胃捻転症候群の診断方法【レントゲン検査】

臨床症状やレントゲン検査にて診断します。

見た目だけで、胃拡張か胃捻転かを診断することはできないので、必ずレントゲン撮影にて判断します。

トラまりも
トラまりも
空気でパンパンになった胃と、独特の捻じれのラインが撮影されるよ。

また、本来なら体の右側にある幽門(胃の出口)や十二指腸が、体の左側に変位していることも確認されます。

胃拡張-胃捻転症候群の時の対処法

まずは大量に貯まっているガスを、針や套管針(とうかんしん)を体表から直接胃に刺すか、口からチューブを入れて抜去します。

捻じれによっては口からチューブが入らないこともあります。

チューブがうまく入った場合は、そのまま複数回の胃洗浄を行います。

胃捻転-胃拡張症候群では循環状態が悪くなっている場合が多いので、同時に輸液も行い、循環状態の改善を行います。

場合によってはその後、胃の捻転の解除と再発予防のため胃を腹壁に固定する手術を行います。

この病気の怖いところは、捻じれを直したときに血液が一気に再灌流(再びバッと流れ出す)して、ショック症状や不整脈が出たりするといったことです。

トラまりも
トラまりも
エコノミー症候群みたいなかんじです。

そのため術後に急変してしまうこともあり、手術中~術後の管理が極めて重要です。

動物病院に行くタイミング

動物病院に行くタイミング

動物病院に行くタイミングとしては、

  • お腹がパンパンで苦しそうな場合
  • 歩けないぐらいぐったりしている場合
  • 意識が低下している場合

などのときは、様子を見ずにすぐに伺うようにしてください。

お腹がパンパンだったらすぐに動物病院に行くようにしてください。

トラまりも
トラまりも
夜間病院が遠くであろうと絶対行ってね!

判断に悩む場合は、やっている動物病院に連絡し確認しましょう。

再発の予防として気をつけること【胃拡張を繰り返さないために】

再発の予防として気をつけること【胃拡張を繰り返さないために】

いったん胃捻転-胃拡張症候群になってしまった場合、再発のリスクが極めて高い(約80%)ので、食事スタイルを変更する必要があります。

また、発症していない場合においても病気の原因がそもそも分かっていないので、確実な予防法はありませんが、以下に示す方法で同様に対策するようにしてください。

食事管理

胃捻転-胃拡張症候群の原因自体は分かっていないですが、食後に運動したり、一気食いをすることで発生する可能性があるとも考えられ、

  • 食後に運動させないこと
  • 食事を何回かに分けること
  • 一気食いや大食いをさせないこと

で対応していきます。

これは固定する手術を行った場合も同様です。

固定手術を行っても、ガスが貯まってパンパンになってしまうことはあります。
トラまりも
トラまりも
大量の雪を食べて発症したと考えられるという論文もあったから、何かの一気食い(一気飲み)自体が危険ってことだね!

【まとめ】犬の胃拡張-胃捻転症候群はお腹がパンパン!すぐに病院へ

犬のお腹がパンパンで苦しそうにして落ち着きがない場合は、胃にガスが貯まっていたり、胃が捻じれている可能性があります。

命に関わる疾患なので、様子を見ず、すぐに動物病院に行くようにしましょう。

また、非常に再発率の高い病気なので、

  • 食事を何回かに分けて与える
  • 食後に運動させない
  • がつ食いをさせない

と行ったことで再発予防を心がけましょう。

トラまりも
トラまりも
不安な場合は主治医の先生に確認してね!

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トラまりも
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【参考資料】

  • D G O’Neill 1, J CASE 1, A K Boag 2, D B Church 3, P D McGreevy 4, P C Thomson 4, D C Brodbelt 1,Gastric dilation-volvulus in dogs attending UK emergency-care veterinary practices: prevalence, risk factors and survival.,J Small Anim Pract. November 2017;58(11):629-638.
  • Anna de Battisti 1, Michael J Toscano, Luca Formaggini,Gastric foreign body as a risk factor for gastric dilatation and volvulus in dogs.,J Am Vet Med Assoc. November 2012;241(9):1190-3.