猫の歯みがきは難しいですよね…
実際、愛猫の歯みがきを行っている飼い主様は、とても少ないと思います。
ただ、猫の寿命は延びており、それにともない歯のケアは重要なお世話の一つとなっています。
この記事では、猫の歯みがきについて、
- 必要なの?
- 上手にやる方法は?できないときは?
- どれくらいの頻度で行うべき?
…などをお伝えしています。
「愛猫の歯をきれいに保ちたいな!」「上手に猫の歯みがきできる方法を知りたい!」という飼い主様は、ぜひ読んでみてくださいね!
目次
猫の歯みがきができない!必要なの?
猫の歯みがきは難しいことから、「そもそも猫に歯みがきは必要なのかな?」「無理をしてでも、みがくべきなのかな?」と思われる方は多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、猫の歯みがきは必要であり、なるべくやってあげるようにしましょう。
猫は人と違って虫歯にはなりづらいですが、歯周病という歯を支える組織に炎症が生じやすく、これによって、
- 歯を失う
- 強い口臭、よだれ
- 痛みで食べられない
…といったトラブルがよく生じます。
寿命が延びてきていることから、歯や歯茎の病気にかかる猫も増えてきています。
『たかが歯の病気』と思われる方もいらっしゃいますが、食事を摂れないことは生きる楽しみを奪うことであり、また歯のトラブルが原因で、全身性の病気を引き起こすこともあります。
そのため、愛猫にとっての歯みがきは、とても重要なことなのです。
歯みがきの頻度は?毎日みがくべき?
歯みがきは、人と同じように、本来であれば、毎食後に行うべきです。
ただ、猫はちょこちょこ食べをする動物であり、また1日になんども歯みがきをすることは、現実的ではありません。
そのため、猫の歯みがきの頻度としては、1日1回どこかのタイミングで行うといいです。
それが難しい場合には、少なくとも3日に1回行えるといいです。
というのも、猫の歯垢は3~5日程度で歯石に変わるため、その間に落としてあげるといいからです。
猫の歯みがきのやり方~歯ブラシでできるとよい
猫の歯みがきは、歯ブラシで口周りをなでる・触ることから慣らしていくといいです。
いきなり歯ブラシを口の中に入れると、びっくりしてしまい、以降、歯みがきが苦手になってしまうことは多いです。
口周りをなでることに慣れたら、少しずつ歯に歯ブラシを当ててみましょう。
3日間かけて全部の歯をきれいにできればいいわけですので、一気にやろうとしないこともポイントです。
汚れやすい部分は、前歯や犬歯(尖った歯)ではなく奥歯です。
そして、歯と歯茎の間をしっかりみがくことが大切です。
そのため、歯ブラシを奥まで挿入することになるのですが、これがなかなか難しいです…
逃げ出す、ひっかいてくる、かみついてくる猫もいますので、嫌がる場合には、無理に行わず、以下でお伝えする方法を行ってみてください。
眠いタイミングの歯みがきがおすすめ
歯みがきを行うタイミングは、眠いタイミングがおすすめです。
元気なときや食後などは、嫌がって抵抗することが多いですね。
ぐだーっと力が抜けて、「眠いな~」とウトウトしているときをねらいましょう。
赤ちゃん用の歯ブラシがおすすめ
猫の口はとても小さいですので、人の赤ちゃん用の歯ブラシを用いるといいでしょう。
ヘッド部分が薄いものや湾曲したものもあり、上手にみがける可能性が高まります。
歯みがき粉をつけるといい~人用はNG
歯みがき粉をつけることで、歯と歯ブラシの摩擦が減るため、嫌がらない傾向にあります。
また、さまざまな風味のものが販売されているため、においが気に入り、歯みがきが好きになってくれる子もいます。
ただし、人用の歯みがき粉は、キシリトールが含まれていることがあり、使用をしてはいけません。
猫にとってキシリトールは中毒物質であり、少量であっても嘔吐や下痢、低血糖などの症状を引き起こす可能性があります。
猫の歯みがきができないとき~歯のケア用品を組み合わせてみがこう!
歯ブラシによる歯みがきが最もいいですが、やはりとても難しいことが実際です。
そのため、いろいろな歯のケア用品を組み合わせて、歯みがきをしてあげるといいです。
歯みがきシート・指サックタイプを用いる
歯ブラシではなく、歯みがきシートや指サックタイプの歯みがきを用いてみることも方法の一つです。
指先の感覚でみがけるため、歯みがきの導入としておすすめです。
ただし、歯みがきシートを食べられてしまう事故はとても多いです。
食べられないように注意しながら、みがいてあげましょう。
また、歯みがきシートに血がついてしまうことも、しばしばあります。
通常、口の中の出血はすぐに止まりますので、多少の血なら様子を見てあげて大丈夫でしょう。
「毎回出血する…」「ずっと血が出ている…」という場合には、すでに歯周病となっている可能性もあります。
はやめに動物病院を受診しましょう。
猫の歯みがき用のおやつ・おもちゃを用いる
猫の歯みがき用のおやつやおもちゃを用いてもよいでしょう。
かむことで唾液が出ることがポイントですので、丸飲みしては意味がありません。
唾液・よだれがたっぷり出るように、飼い主様が持って与える、小さく切るなど工夫してあげましょう!
また、両方の歯で噛めるよう、持って与える場合には、噛ませる歯を左右変えるようにしましょう。
ちなみに、うちでは、こちらを使用しています。▼
水に入れるだけの歯のケアグッズを用いる
水に入れるだけで、歯のケアができるグッズもあります。
効果は、商品それぞれですので、詳しくはメーカー様にご確認ください。
これ単独での効果は弱いと思われますが、複数の方法を組み合わせることで、愛猫の歯がきれいに保てるかもしれません。
大き目のカリカリをあげる
かむことで、歯垢が落ち、唾液が出るため、歯のトラブルを生じにくくなります。
「カリッ、カリッ」といい音で食事をしていることは、唾液の分泌が盛んになっている証拠。
少し大きめの食事をあげてみることも、歯のケアの一助となります。
歯のケア用の食事は、療法食としても販売されています。
詳しくは主治医の先生にご確認くださいませ。
【まとめ】猫の歯みがきができない!?歯ブラシの必要性とやり方を獣医師がお伝え!
猫の歯みがきはとても難しいです。
そのため、愛猫の歯みがきをしていない飼い主様も多くいらっしゃいますが、健康寿命を延ばすためには、歯の健康を維持することが大切です。
歯ブラシによる歯みがきが最もよいですが、難しい場合には、おやつやおもちゃなどを組み合わせて、唾液の分泌が多くなるよう、工夫してみましょう。
早速、今日から愛猫の歯みがきを頑張ってみましょう!