「愛犬のドッグフードは何がオススメですか?」
「国産のペットフードがいいですか?」
「獣医さんのおすすめな食事はどれですか?」
などといったお問い合わせはよくあります。
先日、以下のツイートをしました。▼
✅フードの選び方
・総合栄養食である
・ライフステージにあっている
・原材料が明記;主原料がタンパク質
・大手メーカーが製造
特にグレインフリーである必要はなく、持病がなければ食いつきがよく、安すぎない価格のものがいい😊
100%おすすめなフードはないので、調子を見ながら決めるといいです🍴 pic.twitter.com/f3HCogKqKY— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) July 2, 2021
フードの選び方
・総合栄養食である
・ライフステージにあっている
・原材料が明記;主原料がタンパク質
・大手メーカーが製造
特にグレインフリーである必要はなく、持病がなければ食いつきがよく、安すぎない価格のものがいい
100%おすすめなフードはないので、調子を見ながら決めるといいです
正直、「100%コレがおすすめです!」という食事はありません…
でも、ドッグフードを選ぶ際にはポイントがあり、それをもとに選んであげると健康的に過ごせると思われます。
■本記事の内容
- ドッグフードを選ぶ際の5つのポイント
- グレインフリーがいいの?
- 手作り食はどうなのか?
愛犬の食事選びに悩まれている飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね!
目次
愛犬のドッグフードを選ぶ際の5つのポイント
愛犬のドッグフードは、以下でお伝えする5つのポイントにそって選んであげると、栄養面にかたよりがなく、安心してあげることができます。
- 総合栄養食である
- ライフステージに合ったものを
- 安すぎない価格
- 原材料が明記~タンパク質が主原料
- 大手メーカーが製造している
以下でそれぞれ分けて説明していきますね。
①総合栄養食である
なによりも大事なこと、それは「総合栄養食であること」です。
総合栄養食とは、ペットフードのうち、その食事と水のみを与えていれば生きることができる、栄養のバランスがとれた食事のことです。
ペットフードには他にも、
- 間食(おやつ)
- 療法食(病気の治療や改善に使用する食事)
- 副食・おかずタイプ(嗜好性を増す食事)
- 栄養補助食(特定の成分の補給など)
などがあり、これらのみを与えていると体を壊してしまう恐れがあります。
缶詰やパウチタイプのものの中には、総合栄養食ではないものも多いため、必ずパッケージを確認して使用するようにしましょう。
②ライフステージに合ったものを
その子のライフステージに合った食事をあげることは重要です。
特に半年齢くらいまでの子犬の場合には、体の成長に大いに関わるので、必ず「パピー用」「3か月齢まで」「全ライフステージ用」など、子犬用の食事を与えるようにしましょう。
一方でシニア犬の場合には、元気と食欲があり、持病がなければ、あえて変えなくてもいいのでは?と個人的には思います。
高齢になったら食事を変えた方がいいですか?
とよく伺います。
元気食欲があり病気がなければ、今までの食事でOKと個人的には思います😊
腎臓や肝臓に問題がなければタンパク質を制限する必要はなく、これは人のシニア期も同じ。
下手に変えるとお腹を壊す事もあり、徐々にorトッピング程度の変更が◎— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) July 3, 2021
下手に変えるとおなかを壊したり、急に痩せてきたり、被毛がボサボサになったり…なんてこともあります。
ただ、獣医師により考え方は変わるので、高齢用(シニア用)の食事に変更していく場合もあると思います。
フードの変更を行う場合には、愛犬の様子を見つつ、1週間ほど時間をかけて徐々に行うようにしましょう。
③安すぎない価格
安すぎない価格の商品を選ぶことも大切です。
あまりにも相場より安いドッグフードは、粗悪な原材料を使用している場合もあります。
人用としては不適格なものを、ブローカーによって安く買い取られて供給されていることもしばしば。
ペットの寿命がとても延びたのは、もちろん医療の向上や飼い主様の情報感度が上がったことなどもありますが、一番はペットフードの改良によるものと思われます。
自分が子供の頃には、犬は10歳まで生きれば長生き!なんて感じでしたが、今では犬の平均寿命は14歳を超えています(一般社団法人ペットフード協会 2020)。
それゆえ、ペットフードはちょっと奮発する程度の値段のものがおすすめです。
一方で、高ければいいのか?というとそういう訳でもありませんが、原材料や製造について細かく情報を開示している分、安心はできると思います。
ただ、アフィリエイト商品(広告収入が入る商品)の様なドッグフードはびっくりするくらい高価なものもありますし、何より高いフードだと家計を圧迫します。
また、プレミアムフード(明確な基準はないですが、主にAAFCO:全米飼料検査官協会の栄養基準をクリアしたものが多い)に有害物質が混入していた事件もありました。
値段だけで見極めるのはなかなか難しいと思いますが、ある程度以上の値段で、愛犬の調子がいいものを選んであげるといいですね。
④原材料が明記してある~タンパク質が主原料
ドッグフードのパッケージの側面には、主原料が表記されています。
使用している量が多いものから順に記載がしてあるので、何が入っているのか?をきちんと把握するようにしましょう。
犬や猫にとっては、タンパク質の摂取がとても重要です!
人は炭水化物を多く摂取する動物ですが、犬や猫はタンパク質が主たる栄養素となります。
タンパク質はエネルギー源になるだけでなく、筋肉や皮膚、被毛など様々な成分として利用されます。
犬は人間と比べるとタンパク質が必要な動物なので、主原料のトップにはタンパク質がくるものを選んであげるといいですね。
余計な添加物が入っていない
余計な添加物が入っていない食事を選んであげられるとよりいいですね。
発色剤や香料などは必ずしも必要ではなく、特に「見た目がきれい!」である必要はまったくありません。
ただし、酸化防止剤(開封後のドックフードが劣化しないようにするため)のように必要な添加物もあるので、何が使用されているのか?をしっかり把握するようにしましょう。
人工的な添加物の使用が最小限で、天然成分のものを使用しているものもいいかもしれません。
⑤大手メーカーが製造している
ロイヤルカナンやヒルズ、日清やネスレのように、長い間ペットフードに携わっているメーカーは、たくさんの研究結果や販売実績があります。
犬の食事は、人と違って毎日同じものを食べ続けることがほとんどです。
そのため、きちんとした実績や評価があるメーカーの食事は、それだけで安心材料となります。
また、療法食も製造しているメーカーの場合、いざ病気になってしまったときの切り替えがスムーズにできます。
最近では、「聞いたことがないな…」という会社の食事も多く出回っていますが、ある程度の販売実績があるメーカー様の食事をおすすめします。
グレインフリー(穀物不使用)である必要はない
最近では、グレインフリーやグルテンフリーのペットフードがはやっていますよね。
犬や猫はそもそも肉食の動物(犬は肉食寄りの雑食動物)のため、「穀物は消化できないから、タンパク質中心の食事をあげるべきだ!」という考えからです。
でも、必ずしもグレインフリーがいいというわけではありません。
そもそも、ドッグフードの中の穀物は犬が消化ができる大きさまで細かくされており、また、ドライフードの形を整えるには穀物(でんぷん)が必須だからです。
グレインフリーをうたっているドックフードの中にも、ジャガイモやサツマイモなどの炭水化物がしっかり入っています。
ただし、穀物アレルギーがある子の場合には、グレインフリーの食事がいいでしょう。
痒みや下痢・嘔吐など食物アレルギーが疑われる場合には、動物病院の先生と食事についても見直してみましょう。
療法食は動物病院で購入しよう!
腎臓病や下痢・便秘などの消化器症状、肥満など、何かしらの病気で治療中の子の場合には、療法食が適しています。
元来、療法食とは獣医師が家庭動物の診療行為の一環として使用することを想定し、栄養成分の量や比率が調整された特別な栄養特性または特別な製造方法により製造されたペットフードである。
引用:日本獣医師会 療法食の適正使用に向けた課題と対応
療法食は、診療行為の一つとして使用する食事なので、獣医師の指導の下で使用する食事です。
ただし、療法食を飼い主様の自己判断で与えていて、病気が悪化したり、本来ならなくていい病気になってしまったり…といった事故はあとを絶ちません。
ネットやホームセンターに安価で売られている療法食もありますが、療法食はあくまでも「診療行為の一つ」として出される食事なので、獣医師による適切なフォローややめどき、その後のケアを受けることが最大のメリットです。
自己判断で購入せず、必ず主治医の先生とご相談して使用するようにしましょう!
100%安心おすすめのドッグフードはない!【食いつきがいい食事を】
オススメできる食事はどれですか?と聞かれることも多いですが、正直、市場には商品がありすぎて何とも言えないのが実際です…
でも、結局のところ、食いつきのいい食事を選んであげることが一番大切です。
犬にとって、食事は一日のうちでもっとも楽しく、嬉しい時間です。
おいしそうに食べてくれる食事+体調がいい!!!
ことが、実は大切なポイントだったりもします。
手作り食という選択肢も
絶対におすすめの安心できるドッグフードを提示するのは難しいと思われます。
そのため、場合によっては手作り食でもいいかもしれません。
特に、小型犬で偏食傾向の子は多いと思います。
ドッグフードを食べないと飼い主さんが不安になってしまう…といったことはよくあります。
そういう場合には、ささみやジャガイモなどを利用した手作り食という選択肢もあります。
ただ、手作り食はドッグフードに比べると栄養に偏りが生じる可能性があります。
主治医の先生にご相談の上、食べてはいけないもの、食べるべきものをきちんと勉強して作ってあげるようにしましょう。
【まとめ】愛犬のドッグフードの選び方5つのポイント
愛犬のドッグフードを選ぶ際は、
- 総合栄養食である
- ライフステージに合ったものを
- 安すぎない価格
- 原材料が明記~タンパク質が主原料
- 大手メーカーが製造している
の5つのポイントに着目してみるといいでしょう。
結局のところは、愛犬がおいしそうに食べてくれて体調がいい!という食事を選んであげることが重要です!
【参考文献、参考サイト】
- 一般社団法人 ペットフード協会
- 日本獣医師会 療法食の適正使用に向けた課題と対応