尿管結石~SUBシステム尿路変更術~
どんな病気なの?

腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に貯められます。猫の尿管は非常に細いため、尿管に石や炎症物質が詰まってしまうと、腎臓で作られた尿が膀胱に行くことができず、老廃物が体に貯まってしまいます。腎臓や尿管は体に2つあるので、片方のみが詰まった場合には症状は出ませんが、両方同時に詰まったり、片方の腎臓の機能がすでに落ちていた場合などに、一気に症状が出ます。

吐いたり、元気や食欲が低下したり、場合によっては痙攣など、様々な症状を引き起こします。特に猫では、膀胱や尿管、尿道に石ができやすく(詰まりやすく)、緊急の処置や手術が必要となる場合があります。レントゲン検査や超音波検査、造影検査などで石や炎症物質が詰まっている部位を確認し、外科的処置を行います。

どんな治療をするの?

尿管で石が詰まっている箇所が1か所であれば、尿管切開により石の摘出を行います。広範囲に尿管が破裂している、尿管が狭くなっている、たくさんの石が詰まっているなどの場合には、腎臓と膀胱を人工の管でつないでしまうという手術(皮下尿管バイパスシステム、SUBシステム)を行います。

SUBシステムでは、腎臓と膀胱をつないだ管が皮膚の下を経由するようにして、その部分をかえして、管の洗浄やつまりの解除、尿のサンプリングなどができるようになっています。

治療後の過ごし方

SUBシステムを行い、尿の開通が確認でき、全身状態がよくなったのち退院となります。個体差はありますが2~7日程度で退院ができます。しばらくの間は、自宅での抗生剤の投与や排尿の確認をしっかりしていただくこと、また定期的な来院での洗浄や血液検査などを行うことで良好に過ごすことができます。

SUBシステムは、定期的な管の洗浄(約3か月に1回)が必要なこと、設置年数に限りがあるので再度の交換が必要な場合があることなどがあります。

まりも動物病院では、尿管切開術や尿管新吻合術といった手術やSUBシステムや尿管ステントなどの器具を使った手術と状況に応じて様々な手術を行っております。ご説明、ご相談のち適切な方法で治療をしていきます。ご不明点は遠慮なくお尋ねください。