「猫が布をしゃぶるので調べたら、ウールサッキングという病気みたいです…」
「何かストレスを抱えているのですかね?」
「ウールサッキングの対策ってありますか?」
など、愛猫がベッドなど布製品をちゅぱちゅぱしていたら、大丈夫かな…って不安になってしまいますよね。
先日以下のツイートをしました。▼
猫が布をちゅぱちゅぱするのはウールサッキングといい、遺伝や環境の変化、ストレスなどが関係してると言われています。
布は食べちゃうと腸に詰まり危険なので
・布製品をなるべくおかない
・おもちゃ遊び
・安心できる環境作り
などして対応😊
子猫は遊びでやっている場合もあり必ずしも異常ではない pic.twitter.com/zu8GNww59T— トラまりも@まりも動物病院 (@toramarimo_blog) March 4, 2021
猫が布をちゅぱちゅぱするのはウールサッキングといい、遺伝や環境の変化、ストレスなどが関係してると言われています。
布は食べちゃうと腸に詰まり危険なので、
・布製品をなるべくおかない
・おもちゃ遊び
・安心できる環境作り
などして対応。
子猫は遊びでやっている場合もあり必ずしも異常ではない。
■本記事の内容
- ウールサッキングとは?
- ウールサッキングの原因と5つの対策
- してはいけない飼い主の行動
愛猫が布をしゃぶっていてストレスかな…と心配な飼い主様は、是非読んでみてくださいね。
▼ペットの病気やしつけ、日常ケアなど最新情報を発信しています。▼
読んでみて興味があったら、トラまりも(@toramarimo_blog)をフォローしてくれると嬉しいです!
目次
猫のウールサッキングとは?~その原因
猫のウールサッキングとは「織物吸い」ともいい、布製品をずっとしゃぶっている、ボロボロにする、食べてしまうなどの状態です。
このウールサッキングは「常同障害」の一つです。
常同障害とは、ストレスや葛藤、欲求不満に対して、異常な頻度や持続時間で理解ができない行動をする問題行動のことです。
- ウールサッキング
- 過剰なグルーミング
- 尾を追っかける
- 反復的に鳴く
原因自体は不明ですが、遺伝(シャム猫や日本猫、オリエンタル種に多い)やストレスが関係していると言われています。
飼い主の関心を引くためにやっていることもあり、常同行動とは区別が必要です。
ウールサッキングは、その多くが8か月齢以前に発症するとの報告もあります。
布製品を食べてしまうと、胃にずっと残っていたり、腸に詰まってしまい手術になることもあるので、布をしゃぶる癖は治してあげた方がいいです。
子猫のウールサッキングは異常でないことも
子猫における布をちゅぱちゅぱする行動は、遊びだったり、興味があって行っている正常な行動であることが多いです。
また、寂しさを紛らわす行動であることもあります。
子猫の場合には問題行動でない場合も多いですが、誤食には注意するようにしましょう。
ウールサッキングの5つの対策
愛猫が布をちゅぱちゅぱしたり食べてしまうときは、常同行動の他にも、例えば、
- 脳神経疾患(発作や脊髄空洞症など)がある
- 感覚神経障害がある
- 痛みを伴う疾患がある
- 食事が足りてない
などの要因で行っていることもあります。
ヒマで行っていることもあります。
一般状態の変化(元気や食欲はある?どこかに痛みはない?など)の有無をしっかり確認することが重要です。
必要に応じて各種検査(血液検査やレントゲン検査、MRI検査など)を行います。
以上が除外されたら、以下でお伝えする愛猫のウールサッキングをやめさせる5つの方法を試すようになります。
- 布製品をかくす
- 安心できる環境を作る
- 狩りを思い出すような遊びをする
- 無理に触らない
- 薬やサプリメント
以下で分けて説明していきますね。
①布製品をかくす
まず簡単にできる、そして優先すべき行動は「猫の届かないところに物を置く」ということです。
布製品をできる限り減らして、留守番中は猫の届かない所に置くようにして対応しましょう。
また、留守や就寝中など見ていられないときは、ケージに入れて寝かせてあげるのもいいですね。
「布製品をなくして!」と言われても、ベッドやカーペットを舐めるしどうしたら…
というときは、その部屋に入れないようにしたり、人がいるときのみ入れるようにしてあげましょう。
②安心できる環境を作る
猫のウールサッキングはストレス行動である可能性もあるため、できるだけストレスをなくす環境づくりをすることも重要です。
きれいな水やおいしい食事はある?トイレは清潔かな?爪とぎやおもちゃはある?など今一度確認してみましょう。
また、箱やベッドなど安心して過ごせる場所の提供も必要です。
一緒に遊んだり、キャットタワーやキャットウォークを設置したりなどして、運動も適度にできるといいです。
③狩りを思い起こすような遊びをする
狩りを思い起こさせる遊びは、本能行動で探求心が増すのでおすすめです。
猫じゃらしを使ったり、おもちゃが見え隠れするように動かしたりして、狩りのようなことをしてみましょう。
猫がじっと見たり、忍び寄っておそったり、とびかかったりする様子は猫が夢中になっている証拠です。
また、頭を使いながらフードが出てくるような知育玩具を使用するのもいいでしょう。
食事をばらまいたり隠したりして遊んでみるのもOKです。
④無理に触らない
抱っこが好きではない猫は多いです。
「抱っこすると安心するかな?」と思って、抱っこをする方もいますが、ダメな場合もあります。
あくまでも猫のペースで好むスタイルで接するようにしましょう。
甘えん坊の子の場合は、膝の上に誘導して、なでてあげるといいでしょう。
⑤薬やサプリメント
抗うつ薬や抗不安作用をもつ薬で治療する場合もあります。
効果が出てくるまでは、1~2か月程度かかることもあります。
また、下痢や嘔吐、肝障害やずっと寝ているなどの副作用がでることもあり注意が必要です。
食事療法(CLT配合の食事:CLTとはセロトニンやGABAの働きを強化してくれる物質)やフェロモン剤(フェリウェイ:猫の頬っぺたから出る相手への友好性を示すフェロモン)を併用することもあります。
薬やサプリメントによる治療は単独で行うのではなく、上記の①~④と合わせて行うようになります。
怒るのはNG!【してはいけない行動とは?】
猫のウールサッキングに対して、怒ってしまうのはダメです。
同様に、ケージに閉じ込めるなんてこともダメです。
これによってさらに問題が悪化してしまうこともあります。
【まとめ】猫のウールサッキングの原因と5つの対策
猫のウールサッキングの原因は分かってはいませんが、遺伝やストレス、葛藤などがある言われています。
対策としては、
- 布製品をかくす
- 安心できる環境を作る
- 狩りを思い出すような遊びをする
- 無理に触らない
- 薬やサプリメント
などをあわせて対応していくようになります。
早期からの治療が重要なので、「最近やけに布をしゃぶったり破壊しているな…」と感じる場合には、動物病院に伺うようにしましょう。
上記を試しても治らない場合や他にも症状がある場合にも、主治医の先生にご確認くださいね!